ポケモンXY感想−46話目

第47話 「セレナ、初ゲット!? ヤンチャムVSフォッコ!!」


 とある街で休憩中のサトシ達。フォッコをブラッシングするセレナに、自分もやりたいと言うユリーカ。それ見て出て来たハリマロンポケモンと女の子の触れ合いシーンは、ポケパレル的な癒しを見れる。

 そこにやって来たのはサナ。サマーキャンプ以来1か月ぶりの登場だが……早かったな再登場。OP映像でサナたち3人が消えていないことを見るに、近々登場することは予想できていたが、ここまで早いとは思わんかった。

 向かった先は、この街で開かれるトライポカロン。そのエキシビジョンに、噂のエルガ出るらしい。今回サナがその情報を察知し、セレナたちを誘ったと言う訳だ。

 会場内は、妙に観客がリアル。力入れるところ間違っちゃいませんか?
 そして、出て来た司会が酷い。
  「じゅっぱ〜んぬ、ぽけもんをこよなくあいするもなみたちよ、おんまたっせぃ。わたしはしんこうやくのもっしゅ〜ぅる、びっえ〜るぬ」
 ……何やねんお前!?

 それはさておき、さっそくエルのエキシビジョンが始まる。このBGMなんだろう?
 テールナーが枝先の炎を操り、エルもそれに合わせて踊る。派手さは無いが、バトルでは無いポケモンの魅力をアピールする祭典となれば、これはこれで良いかもしれない。
 しかし、“だいもんじ”でのフィニッシュで会場内を輝きに包ませる場面が最大の見せ場だとすれば、ポケモンコンテストと比較すると、どうしても見劣りしてしまう感がいがめない。
 もっとも、トライポカロンポケビジョンの延長線上と考えれば、まぁ……いいか。

 それよか、どう考えてもエルとテールナーの声が逆な気がするのは、自分だけだろうか。これだと、エルがキツイ性格に見えてしまって、今後の展開がコワい(笑)

 エルのエキシビジョンは終わり、一般参加者の演技に移る。
 トリミアンとフラフープするだけで演技になるというハードルの低さは置いといて、突然ヤンチャムが乱入した。照明器具に飛び乗って落下させるとか普通に事故や。
 結局、トライポカロンは中止になったようで、一般者の演技を見ることなくお開きに。しかし、エルの演技を見れただけで、セレナたちは満足のようだ。

 ここでサナ退却。普通に1話丸ごと登場かと思ったが、そんなことは無かった。本当にエルの演技を見るためだけに合流したんだな……。
 またメールするとのことだが、セレナが持っているあのナビがメール対応しているということだろうか。

 その時、会場を荒らしたヤンチャムが再び現れる。挑発されたハリマロンヤンチャムを追いかけるのだが……本当、ハリマロンがトラブルメーカーだと実感できた。

 ハリマロンを追い、3手に分かれたサトシ、シトロン&ユリーカ、セレナだが、ヤンチャムはサトシの帽子とシトロンのメガネを奪い、なおも逃げる。
 シトロンのメガネに何の恨みがあるって言うんだ。幼稚園児にも いじられてたし……。
 そして就寝時以外で初のメガネなしシトロンがお目見え。割かし良い顔してる。辺りをよく見ようと目を細めて(目つきを悪くして)描かれるあたり、作画にも ぬかりがないと言える。


 一方セレナは、ヤンチャムが帽子とメガネを使い、笑顔で踊っているのを発見する。そして直感したようだ。このヤンチャムは、トライポカロンのマネをしていたんだと。
 メガネのフレームが曲がるような扱いをされているのはさておき、ヤンチャムはこれまで
も、演技のマネのためか、色々なものを盗んでいた。そういった“理由ありき”のヤンチャは、どことなく無印編“ピッピVSプリン”に似たようなものを感じる。

 ここでセレナがヤンチャムに、他人の物を取ってはいけないと忠告。
  セレナ 「もうしないって約束できるなら……これ、あげるわ。私のお気に入りのサングラスなの」
 ……初めて見たぞ。しかし、アニメデザインでは省かれたサングラスが、こういった形で登場したのは驚きだ。もしや、はじめからこの構想があって、セレナのグラサンを省いていたのだろうか。
 しかしヤンチャムは、サングラスを受け取らずに逃げ出してしまった。野生ポケモンであれば当然だろう。

 逃げた先の草原で、昼寝をしていたヤンチャムだが、サトシとシトロン、ユリーカに囲まれてしまう。ヤンチャムが悪いことは確かだが、あえてサトシ達が敵対する構図を作ることで、割って入って来たセレナの“ゲットしたい”という想いを際立たせているように感じた。

  セレナ 「私その子を……ヤンチャムをゲットしたいの」
  ユリーカ 「どうしてヤンチャムを?」
  セレナ 「その子……ただパフォーマンスが大好きなだけなのよ」
  サトシ 「パフォーマンスを?」
     「……ちゃむ!」
  サトシ 「でも、どうしてセレナが?」
  セレナ 「その帽子を被って、メガネをかけて、泉の前でパフォーマンスをしていたの」
  ユリーカ 「ふぇ?」
  セレナ 「きっとあのトライポカロンでも、自分のパフォーマンスを皆に見てほしかったのよ!」
     「やぁちゃぁ……」
  シトロン 「なるほど……」
  サトシ 「そうなのかヤンチャム?」
     「やちゃ……」 プイッ
  セレナ 「それとこの子、笑うととっても可愛いのよ。ね、ヤンチャム?」
     「………」
  セレナ 「ねー?」
     「ちゃんむ……」
  セレナ 「だから、私決めたの。この子と一緒に、エルさんのようなポケモンパフォーマンスをしようって!」
  サトシ 「セレナ、やりたいこと見つかったのか!」
  シトロン 「凄く良いですよ、そのアイデア!」
  ユリーカ 「ユリーカ大賛成!」
  セレナ 「うん。だからね……」
     「やちゃ?」
  セレナ 「あなたをゲットしたいの」
     「やんちゃぁ?」
  セレナ 「フォッコヤンチャムとバトルよ!」
     「ふぉっこぉ!」
     「ちゃーんむっ!」

 XY編放送開始後364日、ギリギリ1年以内、遂に、セレナは自分の目指すものを見つけたようだ。
 サトシに会いに行きたい一心で旅立ちを決意したものの、自分の夢がはっきりしないまま、サトシたちの旅に同行することとなったセレナ。“いまを楽しむ”よう旅を続けていたが、「夢がある人って素敵だな……」「ちょっと焦っちゃうな……」と漏らすように、そのままではいけないと、彼女自身思っていたことに間違いは無し。
 それが、サナと出会って、トライポカロンを知って、このヤンチャムに出会って……。“ポケモンパフォーマーになる”と言うだけなら簡単だが、ヤンチャムをゲットするという行動が伴えば、一気に現実味が増してくる。もう後戻りはできない。そんな決心が、セレナに芽生えたのだ。

 ヤンチャムも満更でもない様子。セレナに自分の真意を分かって貰えて、快くバトルを受け入れた。
 ……そんでロケット団が出てくるんだもんなぁ。
 ロケット団は(ムサシは)エルに対抗してフォッコを強奪……が。

 ヒノヤコマの活躍で墜落。そこまで絶望的な顔せんでもいいだろ……。
 そんなロケット団に先制攻撃を仕掛けたのは、ヤンチャムだった。翻訳機(ニャース)によると、せっかくのバトルを邪魔するな、とのこと。ヤンチャムがセレナにゲットされても良いと思っていることが、暗に示される。
 ハリマロンの攻撃も加わって隙を突けたことから、ピカチュウデデンネ、それにヤンチャムフォッコの救助に向かうが……バケッチャはすぐさま体勢を建て直し、“シャドーボール”を放……とうとしたらセレナが飛び込んで来ただと!?

 攻撃態勢のバケッチャに、セレナが単身アタック。そう言うのはサトシの役目なんじゃ……。
 21話の時もそうだったが、セレナはフォッコのためとなると、躊躇いなく体を張った行動に出る。それほどフォッコのことを大切に思っているんだな。

 そんな体を張った行動に感銘を受けたのか、セレナに“やどりぎのたね”を打とうとしたバケッチャを、ヤンチャムが蹴散らす。打たれてからでも良かったんやで。
 大した活躍をしていないシトロンが「とどめの“つるのムチ”」とか言っていたことはさておき、いつも通りピカチュウで〆。ソーナンスがいないと「やなかんじー」が締まらない気がする。

 ロケット団に水を差されたが、バトル再開。残り時間的にあっさりゲットできると思いきや、一応、1度はボールから逃れるヤンチャム
 それを“かえんほうしゃ”で押しまくるセレナはリンチに見えなくもないが、一緒にパフォーマンスをしたいという想いが通じ、見事、ヤンチャムをゲットした。

  セレナ 「ジャジャーン! 私の旅の新たな1ページ……ヤンチャム、ゲットー!」
 ……長い(笑)
 ただ、シトロンよりかはマシなことを言ってる気がする。

 最後に、セレナは改めて、自分の夢を口にした。
 エルのようなポケモンパフォーマーを目指し、いつかクイーンになる……。エルと同じ道を進むと言うことだ。

 この1年で目標をしっかりと考え、ヤンチャムをゲットしたことでその道に進む決心をする。スロースタートと言われればそれまでだが、10代の少女として、旅を通じて自分の進みたい道を見つけたと言うのは、“旅している感”があってとても良い。長いスパンで放送されるアニポケだからこそできる業だ。
 今後、サナと言うライバルとの競い合い、親との夢のすれ違いが描かれるのだろうが、その時、“女の子らしい”セレナがどのような反応を示すのか、非常に楽しみである。


● 総括
 セレナの夢が定まった重要な1話。今後ヤンチャムがどう絡んでいくのか楽しみだ。
 ……が、ごめんなさい。新EDのセレナに全部持って行かれたせいで、面白い話だったけど本編の印象が薄かった。


● おまけ
 そのEDと言うのが、完全なるセレナ推しである。
 輪郭を強調した独特のタッチに、CGを使わずに動きのあるダンスシーンを書き上げる拘りよう。OP映像に続き、本当に2年のセレナの活躍を期待できる。


 ▲ 彼女たちだけの小さな舞台。EDだからと言って、これでもかと派手に見せない描写に好感。


 ▲ 普段の服が赤系統なのに対し、爽やかな青系統で決める。


 ▲ 笑顔を可愛く描きすぎや。


 ▲ 花言葉どうこうは良いとして、変身しそうなシーンだった。


 ▲ 可愛く描きすぎや(2回目)


 ▲ シルクハットの衣装も新鮮


 ▲ 黄色いシャツと へそ出し……どことなくカスミを思い浮かべる。


 ▲ 可愛く描きすぎや(3回目)


 ▲ そんなダンスは彼女たちの夢だった。“ポケモンと目指す夢”と かけてるのだとしたら、これほど旨い表現は無い。


 そして問題のこのカット。
 ポケモンらしからぬ……と言うより、ポケモンでこういうタッチを見れるとは思わなかった。輪郭や影が相まって、とても柔らかな印象を受ける(意味深)。