ポケモンXYZ感想−105話目 【 更新済み 】

 第105話(Z-12) 「サトシとセレナ! ダンスパーティでゲットだぜ!!」


 とあるポケモンセンターに到着したサトシたち。
 休息中、完全に野生や尊厳を失いつつあるプニちゃんことZ-1。ユリーカに突かれてトロけてる。


 それはさておき、ブラッシング中のイーブイ可愛い。


 ブラッシングの順番を巡り、珍しく……って言うか久々にテールナーヤンチャムが喧嘩。
 しかし、フォッコ時代とは違い、テールナーは大きく成長している。ヤンチャムのパンチは当たらず……、完璧に吉本状態であった。

 まるで子供の喧嘩を叱るようなセレナの表情に汗を垂らすイーブイが可愛い。

 2匹を叱るセレナだが、それは第64話の時とは違い、感情的な怒りをぶつけるとかでは無く、本当に母親のような叱り方。それで硬直して喧嘩を止めるテールナーヤンチャムの姿は微笑ましいし、けれどそんなことよりイーブイ可愛い。



 さて、パソコンをチェックするセレナは新着メールを発見する。
 XYZ編において、セレナとサナのやりとりから、メールシステムが存在することは分かっていたが、それがどのようなものか、ここで初めて明らかになった。あのピンクのナビでメールしているのではなく、パソコンで(所謂フリーメールのような形で)メールの遣り取りを行っていたらしい。

 そのメールはポカロンの審査員、ピエールから送信されたもので、彼の主催のダンスパーティーへの招待状だった。ゲストとして、カロスクイーンであるエルも参加するらしい。
 パフォーマーたちの休息にと、ピエールからの優しい心遣いなのだろうが、参加条件が“男女ペア”と言うのだから、セレナは思わず赤面。

 ……これどう考えてもサトシと一緒にダンスすること想像してますわ。

 一方、条件は単なる男女ペアではなく、“ポケモンと一緒の”男女ペア。

  セレナ  「イーブイ、行ってみる? 大勢の人が居ると思うけど、きっと良い経験になるわ」
  イーブイ 「ぃぶ……」

 人見知りのイーブイに、色々なことに触れ合ってほしいと言うセレナの想い。
 レンリ大会での失敗は人の多さに呑み込まれてしまったことでもあったし、場数を踏むことは重要だ。
 それにしてもイーブイ本当に可愛い。


  シトロン 「男女ペアって言ってましたけど……」
  セレナ  「ポケモンたちもペアなのよね」
  サトシ  「それならホルビーか?」
  セレナ  「ぇっ……」

 ……まぁ、当然の流れである。
 イーブイとペアを組むとしたら、今のところホルビー一択なのだから。

  ユリーカ 「ってことは、セレナ&お兄ちゃんペア?」
  セレナ  「ぅえぇっと……、シトロン、お願いできるかしら」

 露骨に不本意そうな顔である。


  サトシ  「頑張れよシトロン!」
  シトロン 「やってみます……けど、ホントに僕で大丈夫でしょうか……」

 そんな2人の遣り取りに、露骨に残念そうな顔である。


  セレナ  「イーブイ、みんなにあなたの素敵なダンス、見せつけちゃお」
  イーブイ 「いっぶぃ!」

 癒される可愛さである。



 さて、一行はダンスパーティーの会場に到着。
 メールを見るタイミングが遅ければ参加できなかった可能性が高いが、そこを突っ込むのは野暮である。逆に、だからサナは居なかったのか。

 そこには沢山のパフォーマーたちが、男性ペアを連れて集まっていた。男繋がりあるのかよと突っ込むのは野暮である。

  ユリーカ 「お兄ちゃん大丈夫?」
  シトロン 「どうでしょう……不安でいっぱいです……」
  セレナ  「よろしくね、シトロン」

  ミルフィ 「へぇ〜。セレナのパートナーはサトシじゃないんだ」
  セレナ  「えっ……ミルフィ!?」

 第80話以来、25話ぶり3度目の登場。相変わらずセレナを煽るミルフィだが、これはほんの小手調べ。

  ミルフィ 「ちょうど良かったわ。パートナーが見つからなくて困ってたの。サトシっ、空いてるなら、私のパートナーになってくんない?」
  セレナ  「えぇっ!?」

 サトシの手を取り、露骨に攻め入るミルフィ。対するサトシは……、

  サトシ  「オレでいいなら良いけど」

 ……ですよねぇ。
 サトシにとって、セレナはシトロンと組むわけだし、自分がミルフィと組むことに、特段深い意味は考えないだろう。ある意味自然な組み合わせなのだから。

  セレナ  「えぇぇぇぇぇっ!?」
  ミルフィ 「ありがとうサトシっ!」

 あわよくば、この辺でユリーカが何かしらの反応を見せてくれると面白かったが。
 しかしミルフィ、未だサトシの手を握ったまま。そのまま視線はセレナに移り、そして足元へ。

 初対面の相手に怯えるイーブイ凄く可愛い。


  ミルフィ  「イーブイをゲットしたのよね」
  イーブイ 「いぶぶぅ……」

 セレナに隠れるイーブイの可愛さは、回を重ねるごとに増している。
 そして依然、ミルフィはサトシの手を握ったままである。

  セレナ  「うん。この子のパフォーマンス見たらビックリするよ! ダンスがとっても上手いんだから」
  ミルフィ  「こないだのトライポカロン見てたわよ。良いライバルになりそう。……でも今日は、パーティーを楽しみましょう!」
  サトシ  「うぉぉっ……」


 サトシ、略奪。そしてこの顔である。


 ぐいぐいと攻めるミルフィ。
 単なるセレナへの煽りなのか、はたまた少なからずサトシに興味があるのか、現時点では分からない。

 それに対するセレナも、この表情。


 そしてそれに対するイーブイは、この表情。

 可愛いことは言わずもがな、しかしイーブイ、何かに勘付いたのではないだろうか。
 セレナがムスッとした理由……、ミルフィにサトシを取られたことだとイーブイが気付いたのなら、今後、イーブイが2人の関係に何かしら影響を与えそうだ。


 なお余談ながら、ミルフィのペロリームって♀だったのか……。
 そしてコジロウはコダワリさんファッション止めた方がええで。



 ダンスパーティー会場は、宮殿のような建物内。
 受付でサトシ&ミルフィ、セレナ&シトロンで参加登録すると、ピカチュウチックな係員からカードを受け取り、衣装レンタルへと案内された。

  セレ&ミル 「わぁぁぁぁぁっ♪」

 女の子らしい反応ありがとうございます。


 早速衣装を選ぶ一行だが、ミルフィは気に入ったドレスを片っ端からサトシに持たせ、高テンション。
 彼氏と言うよりアッシー君的にサトシを使いこなす様は、ミルフィの性格を物語っている。

 そんな2人の触れ合いを見て、セレナは溜め息一つ。
 本当なら私がサトシと……、と思っているのは明白だが、イーブイのためにシトロンなんかと組むことにした彼女は、本当にポケモン想いだ。


 着替えが終わり、みな華やかな衣装を身に包む。本当に、XYZ編はキャラたちの特別衣装が多くて楽しい。
 なかでも、ティアラを額に乗せるイーブイは、シンプルながら優雅な可愛らしさがあり、場の雰囲気に少し圧倒されている表情も相まって、とても愛おしく映った。


 ……とそこに、ミルフィとサトシが登場。

 もうね、ミルフィこれ完全に「当ててんのよ」状態でサトシの腕を掴む。公式でサトミルを推しているとでも言うのだろうか。
 サトシの表情はお察しだが、彼女なりに楽しんでいるのだろうか。

  ミルフィ 「ふ〜ん。流石に良いセンスね」
  セレナ  「ミルフィもね」

 しかし、こうしてお互いを褒め合う当たり、セレナとミルフィの絡みは見ていて安心できる。


 照明が消え、現れたのはピエールと、カロスクイーンのエル。パンジーに続き、胸元の不自然さをどうにかしてほしいところ。

 エルはセレナの姿を見つけ、そっと微笑みかけた。
 セレナとエルの再会は第64話以来41話ぶり。この間に顔を合わせていないことを考えると、エルに覚えて貰っていたセレナは、きっと嬉しかったことだろう。

 ホールに下り、優雅に踊るエルとピエール。
 とりあえずクレッフィはコレ踊ってるのか……?


  セレナ  「素敵……」
  ミルフィ 「ホント。あの人が私たちの目標なのよね」

 と、ここで初めて、ミルフィがポカロンを目指していることが示された。
 第80話のフウジョ大会に出場したミルフィだが、その時は単に“ポフレ関連の演技”として出場した可能性が捨てきれず、大会後にセレナをライバル視していたのも、サトシを巡る煽りとも読み取れたからだ。
 ミルフィの口から“エルを目標とする”ことが聞けたのは、今後のセレナを取り巻くポカロン関連のストーリーで、かなり重要な意味合いを持つことになるだろう。



 BGMとタイミングを合わせ、エルとピエールのダンスは終了。ピエールがデカいのか、エルが小さいのか……。

 そうしてここから、フリーのダンスが始まった。
 サトシの手を取り駆け出すミルフィを見ると、少なからずミルフィ、サトシに気があるのだろうか。セレナを煽るような雰囲気では無かったので、素で楽しんでいるようにも見える。


 イーブイもまた、ホルビーに勧められてホールの中央へ。

 ……この、“ダンスは好きだけどパーティーの場で踊るのは初めてだから心から笑顔にはなれないけどとりあえず行ってみよう”的な表情がイーブイらしくて可愛い。

 けれど、イーブイは場の人数に圧倒されること無く、ダンスを楽しめている様子だ。見よ、この元気で可愛らしいイーブイの笑顔を。


 ピカチュウの方は、完全にペロリームにペースを握られ困惑気味。しれっと転がって行ったルリリとプリンがシュールだった。


 セレナのエスコートで、緊張しながらも、シトロンは何とかダンスを形にしている。サトシではなくシトロンで我慢せざるを得なかった残念感を出さずに踊るセレナは、やはり優しい心の持ち主だ。



 ……で、問題はサトシである。


 グダグダじゃねーか!

 最初は「大丈夫〜」と揶揄い気味のミルフィも、思わず呆れ顔。これ幻滅されますわ。


 しばらくすると、ダンスの趣を変え、皆が輪になってペアを交代しながら踊ることに。
 ここでメロエッタの歌が持ち出されるとは予想外も予想外。個人的アニポケBGMの中でもトップ10に余裕で入り込む曲なだけあって、思わず笑みを浮かべてしまった。雰囲気的にクノエBGMで良いであろうところを、わざわざBW編からチョイスしてきたあたり、スタッフの拘りが伺える。

 一方、心配なのはイーブイ

 突然のペア交代にキョロキョロする姿はグッとくる可愛さなのだが、人見知りの彼女が、初対面の♂のポケモン相手に、いきなりダンス出来るのだろうか。


 ……大丈夫だった!

 きっとイーブイ、このダンスパーティーを心から楽しんでいたのだろう。
 それで緊張が解れ、こうして普段通りの振る舞いを保つことが出来たんだと思う。何はともあれ可愛い。


 さて、もう一つの心配はサトシ君。
 ミルフィ相手にドレスの裾を踏んで頭突きをかますという逆に器用な芸当を見せた彼は、果たしてモブたちと上手く踊れるのだろうか。


 ……とりあえず大丈夫だった!

 ぎこちないながらも、一応は形になっている様子。相手のモブも、不快そうな表情は魅せなかった。そこはミルフィとのダンスで少し慣れたのかな。
 しかしながら、本人には疲労感が。これあと何人もつと言うのだろうか。

  エル  「苦戦してるわねっ」
  サトシ 「エルさん!?」
  エル  「リラックスリラックス」
  サトシ 「はいっ……」


 とりあえずサトシとエルの絡みが見れるとは予想外。
 そんなエルの助言、あと映ってはいなかったが、ダンスのサポートもあったのだろう、サトシのダンスは飛躍的に上達する。

 カオナシのような顔模様のモブ相手に、割りかし堂々と手を差し伸べるサトシ。……こんな姿こそ、セレナの思い描くサトシの姿なのではないだろうか。

 そうして美化されたサトシの元に、セレナの順番がまわってくる。




 ……でまぁ、そのタイミングで、ダンスは終了した。
 何となく分かってはいたが、現実とは時に残酷である。

  サトシ 「……終わりか。セレナ、楽しかったか?」
  セレナ 「ぅ、うん。もうちょっと踊りたかったかも……」
  サトシ 「ん?」

 そしてサトシの追い打ちである。
 自分の番の直前でダンスが終わり、“もうちょっと踊りたかった”と言われれば、セレナは自分と一緒に踊りたかったのでは……? と思いそうなところだが、そうはならないのがサトシである(笑)


 しかしながら、セレナにはまだチャンスが残されていた。
 受付で貰っていたカードは、実はサプライズイベント、タッグバトルの抽選用。

 その抽選の結果……、サトシ&セレナ VS ミルフィ&コジロウという組み合わせに。

 サトシとコジロウについてはバトルに慣れているが、セレナのイーブイはほぼ未経験者。そしてミルフィの実力も分からない……。
 これは、なかなか分からない展開になりそうだ。


  ピエール 「後半へ続くぅ☆」

 ……うるせぇよ(笑)



 そんなこんなで始まった、タッグバトル。

 サトシとピカチュウは やる気満々。ミルフィも前向き、コジロウは微妙。セレナもバトルに乗り気だが、当のイーブイはご覧の様子。

 震えてる! 可愛い! 小動物っぽい!


  ミルフィ 「バトルでは負けないわよ、セレナ!」
  セレナ  「私だって! サトシ、頑張ろうね」
  サトシ  「おう! 勿論だぜ!」

 ミルフィの言うバトル“では”ってのは、やはりフウジョ大会の負けを悔やんでいるのだろうか。
 しかし、サトシのダンス相手になった時点で、それ以上の報復に成功しているような気もするが……。


 そうしてバトル、スタート。

 震えていたイーブイも、セレナの掛け声で、やる気を取り戻す。

 ほら、バトルの態勢でフィールドに立つイーブイ可愛いもん。


 ピカチュウペロリームマーイーカが攻防を繰り返す中、イーブイは“スピードスター”でピカチュウを援護。凛々しさも可愛い。


 ペースを掴み、ピカチュウと一緒に この笑顔。バトルフィールドの華と言っても過言ではない可愛さ。


  シトロン 「良いぞイーブイ。大分まわりが気にならなくなったみたいだ」
  ユリーカ 「うん」

 シトロンの言うように、こうして少しずつ、イーブイは成長しているようだ。
 今回のような初対面の人、ポケモンが多くいて、さらにフィールドで注目されるような状況でも、ペースを乱すことは無い。
 それは、ダンスパーティーの楽しさを受けてのことかもしれないが、レンリ大会で、これより遙かに多い観客の前で演技を成し遂げたことも、きっとプラスに働いているはずだ。
 場数を踏む……と言うか、あれほどの大舞台を経験したからこそ、イーブイは人見知りを克服しつつある。それはイーブイ自身の頑張りも勿論だが、セレナの優しさも、関係していることだろう。


 ……と、そんな良い流れだったものの、ペロリームの“わたほうし”によって、ペースが崩される。

 しかし可愛い。

 “わたほうし”で隙が生まれたせいで、マーイーカの“サイケこうせん”が直撃。さらに“たいあたり”が襲う……タイミングで、ピカチュウイーブイを庇った。

 歯を食いしばるイーブイはレア。そんな姿さえも可愛い。


 ピカチュウはダウンこそしなかったものの、起き上がれずに居る。
 そんなピカチュウを守るかのように、イーブイは勇敢にも立ちはだかった。

 仲間を守ろうとするその姿は、可愛さの中にも凛々しさがある。

 “かげぶんしん”や“まもる”など、どちらかと言えば守りに走るイーブイが、今この場では、“スピードスター”で果敢に攻め入る。
 この可愛さからは想像できない、良い意味での意外な姿だ。


 ……しかし、ピカチュウが戦えない現状、イーブイ1匹でペロリームマーイーカを抑え込むのは厳しい。
 連続攻撃に敵わず、イーブイは大ダメージを受け、倒れ込んでしまった。

 あゝ、最初で最後のイーブイの傷つく姿。


 戦況は悪いが、ピカチュウが立ち上がり、応戦する。
 一方セレナは、そんなサトシとピカチュウの姿を、ただただ見ていることしか出来なかった。

  セレナ  「私、いつもこういう時、何も出来なくて……、でもね、ある人に、私の笑顔が力になるって言われたの」


 イーブイを撫でながら、セレナは言う。
 それは、第64話でエルの教えられた言葉。いま目の前でバトルを観戦している、憧れの存在の言葉だ。

  セレナ  「貴方にどれほどの力を与えられるか分からないけど、力になりたい……!」
  イーブイ 「ぃぶ……」


 エルの言葉を、セレナは忘れていなかった。
 レンリ大会でも見せたその精神、笑顔でいることで、パートナーを安心させることが出来る、力を与えることが出来る。
 だからセレナは、笑顔を向ける――。

 その想いが、イーブイに通じた瞬間だった。



  ニンフィア 「ふぃぃぁ」

 可愛い。

 このタイミングで、イーブイは、ニンフィアに進化した。
 笑顔をくれたセレナに応えるかのように、リボンでセレナと繋がったニンフィアは、彼女に微笑みかけた。

 可愛い。


  セレナ  「ニンフィアそうだよね。まだバトルは終わってない!」
  ニンフィア 「ふぃぁっ!」

 可愛い。


  サトシ   「セレナっ」
  セレナ   「サトシ、フォローありがとう。ピカチュウもね」
  ピカチュウ 「ぴぃか」

 そうしたセレナの前向きな心を、サトシも感じていたようだ。
 バトルの場だからこそ、サトシはそれを感じたのかもしれないが、こうしてサトシとセレナの息が合うことも、一つのサトセレ要素ではないだろうか。


 続くバトルで、ニンフィアは“ようせいのかぜ”を披露。

 イーブイニンフィアに進化する条件は、懐き度とフェアリーワザの習得だが、“ようせいのかぜ”を新たに覚えたらしい。“スピードスター”とともに、ポカロン映えしそうなワザだ。

 そして、イーブイ時代の身軽なダンスも変わらない。
 90話でのカメックス相手のバトルのように、ダンスを応用させた軽やかなステップは健在で、マーイーカの攻撃を優雅に回避。笑顔がとっても可愛い。


  ミルフィ 「ホントね、素敵なダンス……!」

 ニンフィアのダンスを“生”で見たミルフィは、思わず口にした。
 彼女がポケビジョンで見たと言うのはイーブイのダンスだったが、ニンフィアに進化し、きっとそれ以上に、素晴らしいダンスに映ったのだろう。
 こうしてニンフィアの凄さ=セレナの育て方を素直に褒められるミルフィは、煽りはアレだが、きっと根は良い子なのだろう。


 最後は再度、ニンフィアの“ようせいのかぜ”がペロリームマーイーカに直撃。
 背後のテーブルを薙ぎ倒すほどの威力で、2匹を戦闘不能に持ち込んだ。イーブイとして、ニンフィアとして、初の公式戦の勝利である。

  サトシ 「凄かったぜ、セレナ!」
  セレナ 「うん。ありがとう!」

 思わずサトシが褒めるほど、ニンフィアのワザの威力は凄かったのだろう。
 応えるセレナも嬉しそうだ。


  シトロン 「まさかニンフィアに進化するとは」
  セレナ  「えっ?」
  シトロン 「ニンフィアイーブイの進化系の中でも、トレーナーに よりよく懐いていないと進化しないと言われるポケモンなんです」
  セレナ  「そうなんだ!」
  ニンフィア 「ふぃぁぁ?」

 いや凄く可愛い。
 ニンフィアへの進化は、セレナが愛情をもって育て、触れ合った証拠。その可愛らしい表情が、全てを物語っていた。


 そんな可愛いニンフィアを拝めたところで、次のポカロン開催地の案内が。


  ピエール 「次のトライポカロンは……フレイシティです!」


 ……いや何処やねん。


 XYZ編、重要回は原作地点で進められてきたが、ここにきて初めて、アニメオリジナルの街が割り込む。
 いやまぁ、即ちポカロンがまだ数度開催されることの証明にもなった訳だが。


  ミルフィ 「セレナ。次はトライポカロンで勝負よ!」
  セレナ  「うん!」

 煽りはアレだが、セレナをライバルと認め、正々堂々勝負を挑む当たり、やはりミルフィは良いキャラだ。

 

 こうして魅惑のダンスパーティーは、幕を閉じた……のだが、ここからが重要になってくる。

  エル  「それでね、その子とニンフィアが、とっても素敵だったんです」
  ヤシオ 「あなたがそこまで言うなんて、珍しいわねぇ」
  エル  「ふふっ……、彼女たちに会ったら、きっと先生もそう思うはず。キラキラしてるもの」
  ヤシオ 「私も見つけたわよ」
  エル  「ふぇっ? 先生が……?」
  ヤシオ 「まだどっちに転ぶか分からない危なさを持ってるけど、昔の貴方に似てるわ」
  エル  「ぇっ……どういうことです? ……ぁっ、先生ごめんなさい。また連絡しますね」
  ヤシオ 「えぇ。頑張りなさい」


 今回の話は、このシーンに凝縮されていると言っても過言ではないだろう。

 まずエルとヤシオの関係。
 エルが“先生”と呼んだことから、ヤシオはエルにとっての先輩? コーチ? マネージャー? とにかく、エルをカロスクイーンに育て上げた人物であることは間違いなさそうだ。

 次に、エルとヤシオの注目の存在。
 言わずもがなセレナだが、ここで面白いことに、2人とも、それが“セレナだ”と明かしていない。
 ポカロン界の大物2人から、それぞれ違った意味合いで注目されているセレナは、今後、どのように彼女たちと関わってくのだろうか。

 最後に、ヤシオの言葉。
 第60話時点で、ヤシオは審査員としてポカロン界に復帰。以降、ちょくちょくポカロンを観戦している。全く審査していないが。そしてヤシオは、“エルみたいな子は出てこない”と言い切っていた。ヒヨク大会の観戦後も、特段注目するパフォーマーは居なかった様に映った。
 それが今回、ヤシオの口から“明確に”、セレナを注目していることが語られた。

 その心変わりは、セレナの決意がヤシオに響いたからだと私は思う。
 ヒヨク大会後、心機一転で自ら髪を切ったセレナの強い意志は、レンリ大会にて、フォッコと同じように失敗してしまったイーブイを、今度は的確にサポート出来たことから、ヤシオは“本物”と読み取ったのではないだろうか。

 ただ、“どっちに転ぶか分からない”と言う、意味深な発言も気になってくる。
 素質があるかないか、単純な話では無く、セレナのポカロンに対する想いが、今後、重要になってくるはずだ。

 エルに似ているというセレナは、もしや、エルと同じ道を歩いているのだろうか。
 セレナが進む道に、ヤシオはエルの面影を見たのかもしれない。
 全く同じ道を歩くのは違う気もするが、今後セレナは、どのようにポカロンと向き合い、演技を磨き、上を目指していくのだろうか。

 ニンフィアを仲間に加えたセレナのこれからの成長が、今から楽しみだ。


 やっぱり可愛い。


● 総括
 第80話が“ポカロンおまけのサトセレ回”なら、今回は“サトセレおまけの重要回”。
 イーブイが可愛いことは周知の事実なので省くが、エルとヤシオの関係が示唆されたのは初めてで、かつ両者ともセレナに注目しており、それでいてそれを共有していないと言う現状にある。
 サトセレ云々より、今回はセレナの今後に深く関係するであろう一面を垣間見れたことが大きく、サトシ同様、彼女にも“捻られた”ストーリーが用意されていそうだ。第109話に期待大。


● 次回ひとこと予告
 → リザードンの回想くるか?