ポケモンXY感想−49話目

第50話 「踊れヤンチャム、魅せろフォッコ! 明日へのステップ!!」


 草原で昼食を取っていたサトシ達ご一行。全ポケモンが外に出てきたのは久しぶり、かつ、ヤンチャムルクシオは初の顔合わせと言ったところか。

 そんな顔合せで喧嘩を始めるヤンチャムハリマロン
 まぁご察しの通り、原因はほぼ100%ハリマロンにある訳で……いい加減ポフレの独り占めはやめろ。やっぱりこいつ、第15話で老夫婦の家に置いてきた方が良かったんじゃないか?

 しかしまぁその喧嘩と言うのも、叩く突っつく押し合うの、子供らしい可愛い喧嘩。誰とは言わないが、突然電撃を浴びせるような行動をしない点では、なかなか微笑ましい。


 ▲ このヤンチャムが意外と可愛かった


  セレナ 「いいこと2人とも! 一緒に旅する仲間でしょ? 仲良くしてっ!」
  シトロン 「こらこら……お互いに相手が嫌だと思うことはしちゃダメなんです」

 そんな最中も、後ろでちょっかいを出し合う2匹。ここでセレナが「ヤンチャム!」と怒る声が、気持ち早口でリアルだったり。
 で、やっぱりと言うかなんというか、ハリマロンが叩き逃げ。追うヤンチャムだが、ハリマロンの身のこなしが案外良い。ヤンチャムの仕返しを避ける避ける。その能力をもっと別の所で活かしなさい。


 2匹のふざけ合いは、とうとう他人に迷惑をかけてしまう。
 ネネと言うトレーナーと、ムチュールカモネギ。急に2匹がぶつかってきてご立腹だ。……ドギツいキャラ来たでオイ。

 ネネもトライポカロンを目指しているらしく、パフォーマンスのアドバイスをして欲しいとのこと。勿論サトシ達はプロでも何でもないので、客観的な意見が欲しいといったところか。

 その前に図鑑をチェックするセレナ。
 ムチュール:唇が一番敏感〜。
 カモネギ:持っているネギは大切な武器で〜

 そのアングルはやめろ。敏感とか言った後にそのアングルはやめろ。そのアングルで小刻みに震えるな。


 ネネのパフォーマンスは、“こなゆき”と“ハートスタンプ”を組み合わせたもの。そしてお前は舞うな。


 意見を貰った後、ネネはセレナのパフォーマンスを見たいと言う。

  セレナ 「私はまだ人に見せられる段階じゃ……」
  ユリーカ 「ユリーカ見たーい!」
  シトロン 「僕も見たいです」
  サトシ 「オレも見たい!」

  セレナ 「ん……じゃあやってみようか、フォッコヤンチャム!」
 これ絶対サトシに言われたからだよね? そうだよね?

 いざパフォーマンスを始めようとすると、またハリマロンが突っかかって来た! お前はちょっと黙ってろ!
 そんな2匹を率先して止めに入るユリーカは、小さいながらポケモン達のことを考えている証拠だ。
 どうやらハリマロンも(対抗して)トライポカロンをやりたいらしい。

  シトロン 「分かりました! そこまで言うのなら僕に任せて下さい!」

 ……おいこれヤバいぞ。爆発するぞ。絶対爆発するぞ。

  シトロン 「こんな時のために用意しておいた〜〜名付けて、オンリーロンリーダンシングパートナーマシンなのです!」

 ……ツッコミどころ満載だー!

  シトロン 「さぁハリマロン……」

  シトロン 「……思う存分に踊って下さぁぁぁい!」

 こいつ……殺る目をしてやがる!
 案の定、起動1分足らずで爆発したのはさておき、遂にセレナの演技が見れる!


 大きくジャンプしたフォッコヤンチャム。炎の渦にダイブする2匹と合わせ、セレナも踊る。ヤンチャムはサングラス、セレナは帽子を小道具として使い、本当に楽しそうに演技していた。


 それを遠くから観察するロケット団。アタシがカロスクイーンだーとか言っているムサシは、ムチュールに注目。そう言えば無印(金銀)編204話「ムチュールにもうむちゅう! スーパースターはポケモンがおすき?」でも、ムサシはムチュールに夢中になってたっけ。地味に懐かしい描写を持ってきたものだ。

  ムサシ  「決めた。アタシあのムチュールとトライポカロン出るわ」
  コジロウ 「ピカチュウ狙いじゃないのか?」
  ムサシ  「それはそれ。これはこれでしょ! ジャリん子どもに教えてやるのよ。この誰もが羨む美貌、そして無駄な贅肉がびた一文ないこの完璧で華麗なプロモーション! 誰が何と言おうと、クイーンの称号に相応しいのはこのアタシだってね!」
  コジニャー「へーい……」
 ……なんか、お疲れ様です。


 セレナたちの演技は、“かえんほうしゃ”と“あくのはどう”が螺旋状に絡み合い、弾けて光ってフィニッシュ。コンテストにも通ずる美しさだった。

  サトシ 「セレナ、カッコ良かったぜ!」
  ユリーカ 「素敵だったぁー!」
 ……サトシ、そこは“可愛かった”って言ってあげようや。

 ただ、ヤンチャムの動きがどうもセレナのイメージに合っていない。
 それならと、試しにムチュールと一緒に躍らせてみると、これが案外よく合っている。

  ネネ 「ねぇ、ヤンチャムとアタシのポケモン、交換してくれない?」

  ヤンチャム 「は?」
  ハリマロン 「ニヤリ!」
  カモネギ 「What!?!?!?」

 ネギを落とすほどのショックを受けるカモネギ

  セレナ 「ネネ、ごめんね。ヤンチャムは、私が初めてゲットしたポケモンなの。それに、私のパフォーマンスのパートナー」
 一瞬不安そうな顔をしたヤンチャムだが、セレナのこの言葉を聞いて一安心。ハリマロンにあっかんべーする。お前らホントいい加減にしろ。


 で、振付師に扮した妙にテンションの高いロケット団が登場。ダンスの振り付けを教えると言い、最初は真面目にやっていたものの……

  ムサシ 「足を高く〜! Right! Left! Right! Left! ………」

 それでいいのかフォッコ!?


 ……で、ロケット団はいつも通りポケモン達(珍しくピカチュウ除く)を奪って行った。
 ニャースがコジロウの頭に乗っかった時のコジロウの表情が何とも言えなかった。

  サトシ 「ヒノヤコマ!  出てこい!」
     「や〜んまぁ!」
  サトシ 「大至急、ロケット団の気球を探してくれ!」
     「やまっ!」

 ……その後、ヒノヤコマの姿を見ることは無かった。
 いったいヒノヤコマが何をしたって言うんだよ。


 何だかんだで暴れているうちに脱出できたヤンチャムたち。
 カモネギが立てたネギを倒した方向に進めと言ったり、ヤンチャムハリマロンのゴタゴタをフォッコが呆れてたりと、ポケモン達の性格が可愛く描写されていた。こういったシーンは癒される。

 ……とそこに、マーイーカが!

 あれ? マーイーカって案外可愛くない?

 そう思った矢先、ロケット団が登場……したが、相変わらずヤンチャムハリマロンはゴタゴタやっている。

  コジロウ 「マーイーカ、“サイケこうせん”」(呆)
  ムサシ  「バケッチャ、“あくのはどう”!」

 そのせいで、フォッコカモネギムチュールが、ロケット団の攻撃を受けてしまった! ……なんで避けたんだよお前らは。

 その現実を見て、2匹は主に言われたことを思いだす。
  セレナ 「一緒に旅する仲間でしょ? 仲良くしてっ!」
  シトロン 「お互いに相手が嫌だと思うことはしちゃダメなんです」

 そして、結束した!

 片方が攻撃の“ふり”をして、もう片方が攻撃、お互いを助け合い、攻撃から守るなど、今までの喧嘩がウソのようだ。
 さらにハリマロンは、“つるのムチ”を木にまきつけ、ゴムが伸縮するようにタックルするという高度なワザも。ヤンチャムハリマロンのワザに勢いをつけるために投げつけると言う、これまた高度な結束ワザを出した。

 そのうちサトシ達が合流し、“あくのはどう”と“ミサイルばり”でバケッチャマーイーカを撃墜。今回影が薄かったピカチュウが、待ってましたと言わんばかりに“10万ボルト”を放ち、ロケット団を彼方へ弾き飛ばした。


 ヤンチャムハリマロンロケット団とのバトルの結束で、仲直りしたかに見えたが……またゴタゴタやりはじめた。お前ら本当にいい加減にしろ。

  サトシ 「喧嘩するほど仲がいい、かぁ」

 珍しく。
 珍しくサトシが〆た!
 そりゃあ……今日は全くと言っていいほど活躍しなかったからなぁ。ピカチュウと一緒で、最後のおいしい所は譲れなかったようだ。

 そして、ヒノヤコマの行方は明かされなかった……。


● 総括
 ポケモン達が生き生きと描かれていた日常回。本当に、ちょっとした仕草や行動も細かく描写されていて、ヤンチャムたちの可愛さが引き立っていた。ゲームでは見れないような可愛さを表現できるのは、アニポケならではだ。
 セレナの演技はおおよそ完成しているように見えるので、トライポカロンの初挑戦が楽しみである。


● おまけ
 ラティアスが久しぶりにアニメに登場した! 可愛い!