ポケモンXY感想−89話目

 第89話 「イーブイはひとみしり!? お花畑でつかまえて!!」


 ヒャッコクシティを目指すサトシたち。
 一方、セレナは携帯端末に注目している。例のよく分からないテンションのピエールが紹介する、トライポカロン告知番組。それによると、次のポカロンヒャッコクシティで行われるようだ(予告で知ってた)。
 もっと頑張らなくちゃと気持ちを新たにするセレナだが、とりあえず歩きスマホは危険だからやめようと思ったのは、私だけでは無いはずである。

 そのうち一行は、花が咲き乱れる心地の良い草原に到達した。
 ならここで休憩しようと、シトロンはお茶を入れる。ティーセットや、紅茶を沸かすまでの動作が案外リアル。こういう所で、面出脚本、女性脚本家さんの腕が出て来るのか。

 みな、思い思いの時間を過ごす。

 サトシはピカチュウと川で水遊び。川に入るんなら、そろそろ水着回の出番じゃないのかい?


 ゲコガシラルチャブルは……遊んでるのかな? っていうかゲコガシラそれ“みずてっぽう”なのか? 口から水を発射するのは初めて見た気がするけど……。


 セレナたちは、実に女の子らしく過ごしていた。ヤンチャムはゴロゴロしてたが。
 花で髪飾りを作ったセレナは、自分用だけでなく、ユリーカ向け、デデンネ向けまで用意。こうした髪飾りを作れることが判明し、セレナの女子力がグンとアップ。
 サイホーンレーサと言う、どちらかと言えばボーイッシュな部類に入ろう教育を受けてきたと言うのに、この女子力はどこから生まれたのだろうか。サキさんの教育が良かったのかな?



 そんななか、セレナたちはイーブイを発見する。

 岩の上で踊るイーブイ
 ただでさえ可愛いと言うのに、そんな踊っている姿を見せられたらその可愛さをどのように表現しろと言うのだろうか。

 ところで、図鑑の音声ってユリーカこと伊瀬茉莉也さんのはずだけど、今回これ かないみかさんの声じゃないよなぁ。イーブイゲットは随分前から分かってたから、予め収録しておいたのだろうか。

 ダンスが得意なセレナが「素敵なステップ」と言う程に、イーブイの踊りは可愛さ満点。
 しかしその時、お茶が入ったとサトシの呼ぶ声が。

 普通にしてても可愛い。


 慌てて逃げる姿すら可愛い。



 お茶の席では、イーブイの話題で持ち切りに。
 知らなかったとはいえ、サトシは罪悪感を抱いたらしく、「悪い子としちゃったなぁ」と呟く。


 ▲ 帽子なしセレナは素材的には貴重。あと何故ポフレが卓上に?


 しかしそれに対するセレナの回答は無く、イーブイのダンスを見ていると、新しいパフォーマンスのヒントを掴めそうとのことだ。
 この時点では、セレナはイーブイをゲットする気は無かったのか。もっとも、イーブイ×ダンスなんて組み合わせ、誰だって注目するに決まってる。

 テールナーヤンチャムも、イーブイのダンスに触発されたのか、形だけ合せてみる。あのイーブイの可憐さは、ポケモンたちにも感じるものがあったようだ。


 サトシの提案で、もう一度イーブイを探してみることに。
 シトロンの発明「生きもの見ぃつけた君2号」は、第71話からのバージョンアップ版。他脚本さんのネタを持ってくるあたり、XY編はある意味統制が取れてると言うべきか。
 さっそく見事に爆発し、やはりみなで手分けして探すことに。シトロンの発明に期待した方が失敗だったと言うことか、項垂れるシトロン。いや項垂れるより爆発による迷惑を考えろと。


 サトシたち、そしてポケモン総動員でイーブイの捜索に当たる。ハリマロンおつかい回に続き、面出脚本は2話連続で全ポケモンが登場している。

 セレナはテールナーヤンチャムと分担し、森の中を探している。
 考えてみると、野生相手に名前を呼びながら探し回って出て来てくれるのかよと言う話だが、そこは子供向けアニメ、分かりやすさ重視である。
 当のイーブイは、木の上から、そんなセレナたちの様子を伺っていた。

 もうホント可愛い。これぞ野生生物って感じで可愛い。

 文字通り草の根を分けてイーブイを探すセレナだが、そんな草ボーボーの道なき道を進めば足元が危ない訳で、それを察知したイーブイが叫ぶ。

  イーブイ 「いぶぅぅぅぅぅいっ!」

 叫び声すらも可愛いのは反則である。

 その声で足を止めたセレナだが、その一寸先は、崖になっていた。危うくサマーキャンプの二の舞になるところだったが、今は助けてくれたサトシは居ない。テールナーヤンチャムも別行動で、もしこのまま落ちていたら、完全に行方不明になるパターンだった。
 
  セレナ  「イーブイ……助けてくれたの?」
  イーブイ 「いぶっ……ぶぃっ……ぶぃっ……ぶぃぃっ!」

 逃げ出す姿すら可愛い(2度目)。

 野生ポケモンであれば、人間との干渉は極力避けるものだ。さきほどダンスを見られて逃げ出したように。
 しかしイーブイは、あえてセレナを助けたのである。現段階でセレナとイーブイの関係は何もないはずなのに。
 人見知りと言えど、セレナの危機を救おうと声を上げるイーブイ……、ここを見ても、イーブイの優しさ、正義感のようなものが感じられる。

 イーブイに助けられたセレナは、せめてものお礼をと、自分の花飾りを、適当な岩の上に そっと置いた。
 それだけで立ち去るセレナたちの姿を、木の上から見つめていたイーブイ。深追いされない=自分の気持ちを考えてくれていると感じたのだろうか。イーブイのセレナを見る目は、気持ち穏やかなものだった。



 一方ユリーカとシトロンは、彼女の提案で、ポフレを使ってイーブイをおびき出す作戦に乗りだしていた。
 ユリーカ曰く、セレが作ったポフレなら、絶対イーブイも気に入るとのこと。こういうところを見ても、ユリーカがセレナを信頼していることが伺える。
 ハリマロン食うなよ!?

 しかし、いくらセレナのポフレが完璧と言えど、こう近くに人間が居ては、野生のイーブイが近づいて来るのだろうか。
 先ほどはセレナたちの姿を見ただけで逃げ出した訳だし、まぁユリーカは一応面識があることになるのだが、シトロンと、特にレントラーは、イーブイにとって恐怖に感じないだろうか……。


 ……あっ。


 ホルビー逃がした!


 これは「なるほど」と唸らずには居られなかった。
 と言うのも、なぜ先週というタイミングで、ホルビーの過去話をわざわざ放送したかが謎だったからだ。その答えは、いまこの場面に繋がっていたと見て良いだろう。
 ホルビーは元々ミアレの野生出身。野生ポケモンが食料を確保することがどれだけ大変かを分かっている訳で、それこそ、リンゴを奪ってエネコたちに食べさせていたことが、それを裏付ける。
 ホルビーにとって、どこか自分と重ね合わせたと言うのだろうか。シトロンたちに告げずにイーブイを逃がしたことで、そんなホルビーの優しさ、一種の(野生としての)正義感を、存分に伝わって来た。

  ハリマロン 「いいや食っちゃえぇぇぇぇぇあれ?」
  ホルビー 「ぼくしーらない」


 当然そこに、ポフレは無い。

 レントラーですら呆れ顔。
 必死に弁明するハリマロンだが、日頃の行いが悪いせいで、信用しろと言うのは無理な話である。



 時間は流れ、夕方。
 どうやらサトシたちは、ここで野宿するようだ。

 貴重なセレナの料理シーン。
 これまでセレナが料理したと“思われる”描写は2度あったが、“明確に料理している”描写は、今回が初めてである。



 その夜、イーブイが、セレナが置いて行った花飾りを見つけた。

  イーブイ 「ぶぃ? ぶいぶいぃ♪」

 あゝ、何故そんなに可愛いんだイーブイよ。

 花飾りの匂いを嗅ぎ、嬉しそうにそれを被ったイーブイ
 一見セレナのお礼を受け取ったとも見れるが、イーブイは、セレナの匂いを嗅いでいない。となると、単に花の香りに惹かれたのだろうか。
 もしくはあの時(セレナが森から去る時)、セレナの花飾りが無くなっていることに気付き、それをセレナのお礼と受け取ったのだろうか。
 それかもしくは、例のポフレに若干セレナの匂いが付いていて、ポフレを気に入ったイーブイが、同じ匂いのその花飾りに惹かれたのか。
 ……結局、それは分からず終いだったが。



 ところ変わって、野宿のテント。
 ピカチュウの寝方がツチノコにしか見えなかったのはさておき、セレナは眠れない様子だ。

 彼女の脳裏には、イーブイの可愛らしいダンス姿が。ポカロンの参考にしたいのか、はたまた、自分を助けてくれたイーブイに、思う所があるのか。
 それよかテールナーその体制で寝るんかい。ヤンチャムサングラスして寝るんかい。


 表に出たセレナ。
 これけっこう重大な意味と言うか簡単に見過ごせないシーンで、セレナのショートカット後、本編では初のパジャマ姿である、素足と言うのもポイントが高い。

 そんな彼女に気付いて起きてきたテールナーと、テールナーが起きたせいで起こされたヤンチャムも、テントから出てくる。ヤンチャム可愛い。

 そんな寝起きにも関わらず、セレナの散歩に律儀に着いて行く2匹は可愛いし、セレナが慕われている証拠だ。

 草原を歩き、月夜を眺め、丘を登りつめると、眼下には、素敵な光景があった。

 イーブイが踊ってるもぉホント可愛くて可愛くて。
 しかもフルCG。しかもフルCGである。カメラがぐるりと見まわした草原に咲く花が、そんなイーブイの踊りにマッチしている。
 三日月はスポットライト。これはそう……、イーブイの舞台だ。

  セレナ 「あの花飾り、気に入ってくれたのかなっ?」

 イーブイの頭には、セレナの花飾りが。
 イーブイのために置いて行ったそれを付けて貰ったとなれば、セレナは嬉しいに違いない。野生ポケモンに、自分の気持ちが伝わったのだから。
 ……もっとも、イーブイが花飾りを付けていた理由は不明だが。

  セレナ  「私、あの子とお友達になりたいんだ。ねぇ、あなたたちはどう思う?」
  テールナー 「てぇなっ」
  ヤンチャム 「やんちゃやちゃぁ」
  セレナ  「ふふっ……ありがとう。でも、この気持ちを、どう伝えれば良いんだろう……」

 こんな表情のセレナも可愛い。
 サトシたちの前では絶対に見せないような表情に、グッとくるものがある。

 それにしても、「お友達になりたい」とは、また上手い表現だなrと思った。上手いと言うか、セレナの心情から見るに、その言葉は最適だと感じた訳だ。
 セレナがイーブイのダンスを気に入り、イーブイに助けられ、お礼の花飾りを付けてくれていた――。繰り返しになるが、セレナとイーブイの心が繋がりつつあるのである。しかし、直接の会話はまだ……ならば、友達になることから始めるのが自然の流れである。ここで「ゲットしたい」と言わなかった辺り、セレナなりにきちんと考えている証拠だろう。



 翌朝、セレナは自分なりの答えを見つけていたようだ。

  サトシ 「いったい何をするんだ?」

 岩のお立ち台に登ったセレナに、サトシが尋ねる。
 そのお立ち台とは、勿論、昨夜イーブイが踊っていたところである。

  セレナ  「イーブイにね、パフォーマンスを見て貰おうと思って」
  シトロン 「パフォーマンスを?」
  セレナ  「えぇ。私たち、あの子の楽しそうに踊る姿に惹かれたの。だから、私たちの今の気持ちを、ダンスで伝えられないかって」

 なるほど考えたなぁ。
 会話しようにも逃げてしまう相手には、遠目でも分かるパフォーマンスは、自分を表現する絶好の手段である。
 少なからずセレナに興味を持っているイーブイに対して、これ以上ない気持ちの伝え方だ。


 パフォーマンスは、テールナーの“かえんほうしゃ”とヤンチャムの“あくのはどう”を合わせてキラキラさせるお馴染みのモノ。
 なんかテールナーが凄い顔して“かえんほうしゃ”放ったり、フィニッシュでヤンチャムがドヤ顔でセンターに居たりとツッコミどころ満載だったが、イーブイの気を惹くことには成功していた。


 くそっ……なんでそんなに可愛いんだよ!?


  ユリーカ 「ブラボー!」
  サトシ  「いいぞー!」
  セレナ  「私たちのパフォーマンス、気に入ってくれた?」

 この、興味があるんだけど人間が怖くて近寄れずにいつでも逃げれる体制を取ってるイーブイが猫みたいで凄く可愛い。


  セレナ  「イーブイ。私たち、力を合わせてパフォーマンスをしているの。トライポカロンに出て、ライバルと競い合ったりして、とっても楽しいのよ!」
  テールナー 「てぇななっ!」
  ヤンチャム 「やんちゃぁ!」
  セレナ  「もし、あなたの興味があるのなら、一緒に、トライポカロンの舞台に立ってみない?」
  イーブイ 「いっぶぃ?」
  セレナ  「あなたのダンス、凄く素敵なんだもの。もっと、沢山の人にも見て貰いたい。もし良かったら、私たちと一緒に来ない?」

 一夜のうちに、お友達→ゲットへと、セレナの考えが纏まったと捉えるべきか。また、近くでパフォーマンスを見てくれたことで、セレナも仲間に誘う決心が付いたのだろう。
 ヤンチャムの時もそうだったが、ダンスが好きなポケモンを仲間に加えるのが、セレナのゲットの流れとなりつつある。それは当然な訳で、ダンスに興味が無いポケモンをゲットして、後からその道に引きずり込むようなこと、誰も得をしないのだから。

 ただ、今回の誘い文句は少し違う。
 “もし興味があるなら”、“もし良かったら”と、あくまでイーブイの判断、想いを尊重する形なのだ。それには、人見知りのイーブイを無理矢理引き入れないような、セレナなりの配慮、そして優しさが感じられる。


 当のイーブイは右往左往。これすらも可愛いポケモン、そうそう居ないだろう。

 イーブイが迷うのも当然で、これまでイーブイは、一人で踊っていたのだ。それがいきなりトライポカロン言う舞台に立てるかと聞かれれば、視聴者側としても難しいと思うし、ならイーブイ本人だって、難しいと思っているに違いない。
 そもそも、野生のイーブイがトライポカロンと言うものを知っているかどうかも怪しい。
 ただ、セレナに興味があるイーブイ、ダンスに、パフォーマンスに興味があるイーブイにとって、明確な否定は出来ない。イーブイの中の葛藤である。


 ……そんな時にロケット団が出てくるんですよねぇ。

 捕まってなお可愛いイーブイは間違いなく癒し系。
 この辺から、イーブイの声がエモンガに聞こえてくることになる。

  セレナ 「イーブイを離して!」
  ムサシ 「ざぁんねん! この子は私とスターの道を歩むのよぉ!」

 そりゃぁないよムサシ。それこそイーブイの想いを踏みにじる形だよ。
 そもそも野生ポケモンを捕獲ネットで捕まえるとかポケモン取扱法や保護法に抵触するぞ。

 イーブイのためにも、なんとかムサシの行動を阻止しなければならない。

  セレナ  「テールナーヤンチャムイーブイを助けるわよ!」
  イーブイ 「ぶぃっ?」

 この辺から、イーブイの気持ちが揺らぎ始めたか。


 ゴタゴタしたバトルの末、“ストーンエッジ”の爆発で(なぜ爆発する?)、イーブイが飛ばされる。
 たまらずセレナが駆けだす。
 それを阻止しようと、ムサシがパンプジンに攻撃指示を出す。

  セレナ 「イーブイぃぃぃぃぃっ!」

 ……ねぇ危ない!
 ヤンチャムの時もそうだったが、どうもセレナはゲットに体を張る傾向がある。サトシに触発されたのか。

 それより、なぜ見えないのか。

 スカートで大ジャンプで尻餅で このアングルで、これもう逆に作画さんを称賛するレベルだ。
 

  セレナ 「大丈夫、イーブイ?」

 ここで初めて、セレナとイーブイが触れ合った。
 しかし、イーブイは慌ててセレナの腕からすり抜ける。そこはやっぱり野生、いくら助けて貰ったと言えど、それまで干渉の無かった人間に触られると言うのは、そんなに良いものじゃないはずだ。

 逃げるイーブイを追いかけようとするロケット団を、セレナが制止した。

  セレナ 「行かせない!」

 逃げるイーブイが足を止める。
 体を張って自分を守ろうとしてくれるセレナに対し、たとえ人見知りでも、たとえ野生ポケモンでも、思うところがあったのだろう。

 セレナに“タネばくだん”が迫る。
 今度はイーブイが守る番だ。


 そうして繰り出されたのはイーブイの“まもる”。
 繰り返しになるが、イーブイはここで逃げることも出来た。にも関わらず、セレナを守る道を選んだ。それは、イーブイがセレナを恩返しをしたかったからか。それとも、自分を守ろうとするセレナに惹かれ、さきほどの“答え”を伝えるためなのか。

 一方、“まもる”を覚えていたからこそ、人見知りでも野生で生きてこれたんだなぁと思った。


 続いてイーブイが放ったのは“スピードスター”。これまたパフォーマンス映えしそうなワザだ。そしてやっぱり可愛いに尽きる。

 最後は当然のようにサトシ&ピカチュウがおいしいところを かっさらい、“10万ボルト”でロケット団は退場した。
 前半後半ともニャースのダンスは地味に可愛かったと言うか、あの猫らしい細い目は、なかなかニャースらしかった。


  セレナ  「イーブイ、ありがとう。
  イーブイ 「ぶぃっ……」
  セレナ  「改めて、お願いイーブイ。私たちと一緒に来ない? みんなで踊れば、もっと楽しいと思うんだ」
  テールナー 「てなてな!」
  ヤンチャム 「やんちゃぁ!」

 相変わらず逃げる体勢を取ってるイーブイが愛おしくも可愛い。

 引き続き、あくまでイーブイの判断を尊重した誘い方である。
 ダンスが好きなイーブイ。そのダンスを、沢山の人に見て貰いたい。そしてセレナもテールナーヤンチャムも、ダンスは得意。「みんなで踊ればもっと楽しい」と言うように、セレナはセレナなりに、イーブイのことを考えて、仲間に招いている。

 オドオドとするイーブイ
 そんな姿が可愛いのは当たり前のことなのだが、イーブイにとって不安材料とすれば、“沢山の人に見て貰う”点か。
 人見知りの、“これぞ野生!”とも言えるイーブイにとって、果たしてそれは、“楽しい”ことなのだろうか。

 イーブイはセレナの顔を見る。

 優しく微笑んでくれるセレナは、自分のことを助けてくれた――、イーブイにとって、もしかすると、初めて心を開いた人間かもしれない。

 そして、イーブイが出した答えは……。


 なんでこんなに可愛いのっ!?
 これ甘えたくて擦り寄ってくる猫そのものである。可愛さで言えばサトシたちレギュラーキャラの中で既にダントツでトップに躍り出た。

  セレナ  「イーブイ……来てくれるの?」
  イーブイ 「ぶぃっ!」
  セレナ  「ありがとう!」

 あごの辺を撫でるセレナが可愛いし、尻尾を振りながらそれを受け入れるイーブイが凄く可愛い。すっごいモフモフしてそう。可愛さの二乗である。

 少なからず迷いは有っただろうが、イーブイは笑顔でセレナにゲットされた。


 満面の笑みを見せてくれたイーブイ可愛い。
 そしてセレナ、ヤンチャム以来、約11カ月ぶり、3匹目のゲットである。どうも約1年を区切りでセレナに動きがあるらしい。


 さて、挨拶を兼ねてポケモンたちが全員集合……したものの、やはりイーブイはひとみしり。セレナの後ろに隠れてしまった。

 震えるイーブイがなんとも言い表せないほどに可愛い。

 見た感じ、セレナは勿論、テールナーヤンチャムは大丈夫そうだが、サトシやピカチュウに対しても、まだ心を開いていない。
 一方、「仲良くしよう」と手を差し出したユリーカには応えようとしたものの、デデンネの登場で逃げる。どちらかと言うと、人間の女の子に対しては安心できるのかな?

 逃げた先のルチャブルでビックリ、逃げた先のハリマロンは拒否、そうして落ち着いた場所は、ホルビーの後ろだった。


 これは……、前日、ポフレを咥えて逃がしてあげたことが大きいのか。
 イーブイにとって、ホルビーは明確に敵ではないと分かっている訳で、ならば安心してホルビーの後ろに隠れるのも納得だ。ユリーカが言ったように、ホルビーは優しいし、ハリマロンのような変なクセもないし、体長もほぼ同じ。ホルビーに懐くのは当然だろう。

 それよか、前回第88話に続き、ここにきてホルビーがプッシュされてきた。
 そもそもこれまで、ホルビーはどちらかと言えば影が薄い方だったし、“優しい”なんてイメージ、そこまで大きく打ち出されていなかった気がする。

 しかし考えてみると、始まりは第84話、おつかい回だった可能性もある。
 そこでホルビーの真面目さを描き、第87話の甘えん坊チゴラス回で、ユリーカたちと一緒に遊んで可愛さを描きつつ、前回第88話で優しさを描く――。もしかすると、隠れて“ホルビー編”が進行しているのかもしれない。


 イーブイホルビーの関係は、現在のEDで前から囁かれていたことだが、雑誌情報だと、どうやらピカチュウとも仲良くなる……らしい。
 それが次回次々回で訪れるかは分からないが、これだけ可愛いイーブイが、どのように成長していくのか、非常に楽しみである。

 また、シトロンが言うように、イーブイは人前に出るのが苦手。ポカロンと言う大ステージに無事に立てるとは思えない。
 けれどそれは、セレナの話を聞いたうえでイーブイが判断したことであり、なにかしら克服の動きがあるのだろうが、しかし、イーブイがポカロンを知っているとも思えない。ここにセレナとイーブイの溝が生じないか、目下 気になるところである。


 まぁ、ゆっくり慣れればいいさ、イーブイ
 

 ……今回の記事、何回“可愛い”って言ったんだろ?



● 総括
 セレナの3匹目のパートナー、イーブイが遂に加入。ただでさえ可愛いのに人見知りで踊りが好きで女の子で、まったくこの可愛さをどこへ持って行けば良いと言うのだろうか。とにかく可愛い。
 しかし単なる人見知りで無く、セレナを2度も助けたりと、根はとても優しい子と見受けられる。そこの辺も可愛さに貢献しており、ホントもう可愛いのなんの。
 その他、セレナの料理、パジャマ、ダンス、ガードの固さなど、彼女の魅力を詰め込んだストーリーでもあり、今後、セレナとイーブイがどのように成長していくか、楽しみに見守りたいところだ。


● 次回ひとこと予告
 → いい加減ティエルノが鬱陶しくなりつつある今日この頃。


● おまけ
 今回のイーブイゲットでOP映像の内容を回収した訳だが、現在のOP映像になったのは第71話、5月7日。
 で、そのOP映像がほぼほぼそのまま本編に登場した訳で、アニポケは少なくとも、約5カ月先取りして制作していることが証明された。


 おまけのオマケ、ゲット場面。