ポケモンXY感想−41話目

第42話 「チームバトル! 殿堂入り決戦!!」

 ※ 今回、画像の保存方法を変えたら画質が凄まじいことになってしまいましたが、面倒なのでそのままいきます。

 
 サマーキャンプ6日目が最終日だという事実。どうあがいてもサトシたちチーム・ケロマツが1位になることは【正確な検証上】不可能なはずだが、そこはまぁアニメと言うことで、アレしてアレすればアレになって問題なしってことになる。

 トーナメント形式のチームバトルはトリプルバトル。こういった公式戦でトリプルバトルと言うのは、案外初めてではないだろうか。もっとも、ロケット団とのバトルで主人公達引き連れ年がら年中トリプルバトルっぽいことをやっているサトシにとってみれば、かなり有利なのではないだろうか。

 ティエルノ達3人は、チームバトルに慣れている様子。場合によっては5人、7人同士でのバトルもあるらしいが、……それ乱闘や。


 通常ver.に戻ったオープニングを終えた頃には、サトシたちが決勝戦に勝ち進んでいた。この端折り具合が気持ち良い。

 ここで注目すべきは、セレナがバトルに馴染んでいるということ。
  セレナ 「なんかバトルの面白さが分かって来た感じ! 熱くなるね!」
  サトシ 「そうだろ!?」
  シトロン 「バトルっていいもんですよねぇ!」
 ピカチュウの“エレキボール”にフォッコの“めざめるパワー”を併せて発射するなど、サトシとの協力ワザもこなし、サナからはパフォーマーの素質があると褒められる。これはセレナの今後がいろいろ動きそうで楽しみだ。


 一方のティエルノたちチーム・ゼニガメも、別枠で勝ち進んでいたようで、決勝はやはりこの2チームで行うことになるようだ。

 そこでロケット団が動き出す。
  コジロウ 「そろそろ作戦開始だなぁ」
  ニャース 「今回のターゲットは……」
   ティエルノ達をズームイン!
  ムサシ 「あっちの方で……」
   「そ〜〜〜なんすっ!」
  ムサシ 「被ってるって! 早いのよ!」

  ムサシ 「今回の作戦は、じっくりコトコト1週間煮込んだシチュー並に考えたもんね〜」
 ゼニガメフシギダネヒトカゲを奪えば、必ずピカチュウが助けに来る。そこでゼニガメたちを人質にすれば、難なくピカチュウもゲットできる……と。

 絵が酷い!
 そして何だろう……どこかで見たことのあるような絵面なんだけど……。


 夕飯の仕込みを華麗にスルーし、ティエルノ達に近付くロケット団
 まずは決勝進出おめでとうと発言する当たり、敵意が無いとアピールしているのか、しかし大人の対応で何となく好感が持てる。
  トロバ 「皆さんの美味しいお料理のおかげですよ!」
  コジロウ 「いやぁ嬉しいなぁ〜」
 もうホント、特にコジロウが良い人でヤバいわ! もともとコジロウは良い人キャラだけど、こうやって一つ一つの言動を取ってみても、それが際立っている。もう親を継げよ……。

 で、ジョーイさんが忙しいから健康チェックを自分たちがやると言いだす。
  ムサシ 「こう見えても私たち……」
  コジロウ 「女医……ジョーイの資格、持ってます」
 考えてみると、「ジョーイ」の由来は「女医」であって、コジロウが言うにはいささか違和感があったり。
 当のムサシは、ポケモンセンターのラッキー養成学校に入学するも、“うたう”が使えないことに起因して卒業できずに終わると言う暗い過去を持っている。……“ハピナスのハッピーナース”で明かされたこの話、リアルタイムで見ていた人は、自分同様、二十歳を越えているはずだ。

 で、そりゃまぁ、騙されますわ。美味しい料理とレスキューもこなす姿を見れば、まさかポケモンを奪われるとは思わないだろう。今回ばかしは、騙されても仕方ないと思う。


 ティエルノ達が不審に思ったのは、ピカチュウ達の健康チェックが終わった後、自分たちのポケモンが預けられていたいと知った時。
 ホルビーは耳で、フォッコは匂いでゼニガメたちの行方をキャッチしたっぽいが、ここいら一体のフォッコ、完全に犬である。


 当のロケット団は、乳母車的な何かに乗せたゼニガメたちを、森の中に連れ込む。そして、乳母車ごと“やどりぎのタネ”で捕獲する!

 微塵も怪しもうとしなかったゼニガメたちを華麗に裏切るロケット団のこの顔! こりゃ完全に悪役ですわ。

 フシギダネには“やどりぎのタネ”の効果が現れていない描写に毎度のこと感心しつつ、マダムに見つかった時には乳母車の中身を山菜と言い切る清々しさ! 確かに山菜好きだけど、明らかに大きさからして無理がある。


 そこにサトシ達も合流。……案外近い所にいたんだな、ロケット団
 山菜だと言い張るシートをかけられた乳母車的な何かに、フォッコが近づいて、匂いを嗅ぎ、しきりに前足でシートをずらそうとする。……完璧に犬だわ。

  コジロウ 「ちょっ……コラお前……あっち行けって!」
  ムサシ 「あぁぁっちょっ……これ山菜だからね山菜!」

 凄まじく山菜アピール。確かに山菜好きだけどさぁ……。
 ここでピカチュウがシートを外し、ゼニガメたちの捕獲がばれる。

  マダム 「あなた達……シェフじゃないの!?」
  ムサシ 「ごめんねマダム、こっちが本業」
  ニャース 「今日の日当はいらないニャ」
 当たり前だ……。


 で、色々やった割に、ロケット団は瞬殺!
 ホルビーが密かに穴を掘って隙を作り、ケロマツフォッコヤドリギを粉砕、ピカチュウの電撃で〆……と。ケロマツフォッコの組み合わせが案外似合っていると感じたのは、きっと自分だけではないはずだ。

  コジロウ 「上手く行ってたのになぁ」
  ムサシ 「まぁ昨日までのバイト代あるし……」
  ニャース 「でもそれ置いてきちゃったニャ〜」
 飛ばされながらの断末魔。稼いだバイト代を置いてくるとは……これまでとは違って、完全なるタダ働き。評価は上々だっただけに、何となく可哀想……。

  マダム 「勿体ないこと。料理の腕で食べて行けるのに……」
 ……ほら、公式も言っちゃってるよ!


 さて、気を取り直し、いよいよ決勝戦ゼニガメヒトカゲフシギダネフォッコハリマロン……と来て、ピカチュウをチョイスするサトシの空気の読まなさ!
 ポケスペでは、同じような(ここでは御三家)ポケモン同士は、バトルの際に刺激し合ってよく育つ……みたいなことを言ってたような気がする。これはケロマツは怒っていいと思う。

 バトルはゼニガメのリズムがあるお陰で、ほぼティエルノ達に主導権を奪われる。回転によって攻撃を避ける……と言うより弾き返す様は、見ていて妙に納得してしまう。
 チームバトルを得意と断言するティエルノ達、その言葉を裏付けるかのように、ゼニガメはステップで流れを作り、フシギダネは“はっぱカッター”、ヒトカゲは“はじけるほのお”と言う広範囲攻撃技を使いこなす。

 そうこうしているうちに、“アクアテール”でフォッコがダウン。バトル経験が少ないセレナにすれば、よく頑張った方だと思う。
 そして、フシギダネの“ソーラービーム”がピカチュウに直撃した……と思いきや、ハリマロンの“つるのムチ”がピカチュウを持ち上げ、直撃を回避させていた。
 これは正直上手いと思った。トロバが「なんてコンビネーション!」と叫んだように、この回避方法はなかなか取れないだろう。シトロン含めチームバトルは経験ないというサトシ達だが、やはりロケット団と戦うことで、チームバトル“らしき”経験は積んでいたようだ。

 で、そのままピカチュウの“10万ボルト”でヒトカゲがダウン。
 ゼニガメに狙ったと思われる“エレキボール”の流れ弾……いや、“つるのムチ”で意図的に軌道をずらしたのか、とにかくフシギダネもダウン。
 “アクアテール”を華麗に回避して繰り出した“10万ボルト”でゼニガメもダウン。
 ……こいつらピカチュウの攻撃1発のみで全滅したぞ。

  マーベラス 「優勝はチーム・ケロマツ! マーベラスな殿堂入りが決定したぁ!」
 今さらながら、今日のマーベラス氏はよく動いてる気がする。

 喜ぶサトシ達だが、セレナの顔はどことなく暗い。
  ユリーカ 「殿堂入り殿堂入りー! みんな、やったね!」
  セレナ 「でも、私のフォッコは……」
  サトシ 「まだまだこれからだよ! 今日負けたって、全部パワーに変えればいいんだ!」
   「ぴぃ〜かちゅう!」
  セレナ 「……うん!」
 そうか、やっぱりセレナは責任感じて……。けど、このサトシのフォローがまた良い。崖下で「無駄なことは一つも無い」と言ったことに通ずる信念。流石17年間旅してる人間の言うことは違う。


 一方のティエルノ達、悔しくも、ポケモン達を労う。
  ティエルノ 「頑張ったぜ、ゼニガメ
   「ぜ〜にぃぃぃ〜」
  ティエルノ 「悔しい時は泣こう」

 ……泣いた!? なにこの可愛さ半端ない! 仕草と声! もうホントなにこの子!? 欲しい!

  サナ 「ご苦労様、フシギダネ
  トロバ 「次はこうはいきませんよ、サトシたち!」
 こう、3人ともポケモンを労っている描写を入れることで、このバトルが正々堂々、恨みっこなし、真剣勝負で挑んだことが分かる。見ている側も本当に気持ちが良い。


 そして日が暮れ、キャンプファイヤー……だと思ったら花火が打ち上がった! あれだけ打ち上げると相当なカネかかるだろうなぁ……と野暮なことを考えつつも、実際の花火大会は多くの協賛企業がいて成り立つ訳だから、この花火のカネの出所が妙に気になってしまう。まぁプラターヌ博士ならバックは完璧か!?

 そんな花火の中、サトシはティエルノに、ゼニガメのダンス戦法を教えてほしいと申し入れる。17話の忍たまよろしくサンペイの時と言い、素直に他人に教えてほしいと申し出るところを見ると、ホント、サトシの成長を感じる。XY編に入ってどうこうではなく、シリーズを通すごとに成長している感がある。無印のサトシなんて、他人は普通に呼び捨て、丁寧語なんてどこ吹く風。……今の子供は、そんな時代を知らないだろうなぁ。

  ティエルノ 「ポケモンがワザを出すとき、どう流れを上手く作るか考えたら、このやり方に行きついたんだ。ダンスステップを取り入れることで、相手の動きを見切ることができるし、こっちのペースに巻き込みやすい!」
 ティエルノ案外良い奴だとは思ったけど、踊りながらこう長々と説明されると、やっぱり目障りだった。

  セレユリ 「わぁ〜凄〜い!」

 凄い……か……?
 まぁサナがパフォーマンスに取り入れようとしているくらいだから、凄いことは凄いんだろうな。

  ティエルノ 「よぉしサトシ、リズム戦法教えるよ!」
  サトシ 「ありがとうティエルノ!」
 語られなかったけど、これがティエルノから見た“借りを返す”ことになるのかな。
  ティエルノ 「サトシ、君もね」
  サトシ 「ぅえぇ!? オレも……?」
  ティエルノ 「当然。大事なのは、トレーナーとポケモンが心を一つにすること。でなきゃ、リズム戦法は上手く行かないよ」
  サトシ 「ぁそっか……よし! 踊るぜぇ!」 

 踊るシーンはカットされたが、なんだろう……嫌な予感しかしないんだが……。

 こいつら可愛い。
 ピカチュウは大丈夫だろう。“ポケモン音頭”に始まり、“はらはらリレー”、“ポケッターリ”、“ポルカ・オ・ドルカ”、“ドッチ〜ニョ”、“みてみてこっちっち”などなど、最近でも“ピースマイル”と、エンディングで数々のダンスを披露してくれている。もはや何故これまでダンス戦法を使わなかったのか気になるほどだ。(“ポケモン音頭”から見れば、もう16年間踊っていることになる)


 翌朝。結局1回も水着を見ることなく、サマーキャンプは幕を閉じた。
  ティエルノ 「サトシ、昨夜教えたこと、ちゃんとマスターしてくれよな!」
  サトシ 「あぁ!」
  セレナ 「ふふっ……でも、一番怪しかったのはサトシだけど」
  サトシ 「っ……なっ……だ大丈夫ダイジョブ!」
 ……もうこれで嫌な予感は確実なものとなった。

 回想シーンを含んだ別れ。確かに、4話にしておよそ1か月付き合ったティエルノ、サナ、トロバと別れるのは、市庁舎からみても何となく名残惜しい。
 終わってみれば、声も案外マッチしてたし、みんな性格も良かったしで、再登場を期待したいキャラ候補に残る結果となった。

 バトル戦法、そして、セレナのトライポカロンへの道――。得たもの盛りだくさんのサマーキャンプは、こうして幕を閉じた。

 ……これ最終回の画だろ。


● 総括
 長かったサマーキャンプ、〆は全員のバトルでまとめられ、その中で、セレナのバトルへの興味、ダンス戦法への踏み込みが描写され、……若干駆け足だったものの、ラストを飾るにふさわしい内容だった。
 いやそれよか、テンション高いロケット団を久々に見れたのが大きかった。CM後のクイズと言い、反則だよあのテンションは……。


● おまけ
 実際はこうです(笑)