ポケモンXY感想−65話目
第65話 「カメール、ライチュウ登場! ヌメイルがんばる!!」
シトロンと電話する、微笑ましい3人の姿から始まった。
そろそろシトロン抜きでも慣れた頃だが、逆にシトロンが居なくても成り立っているのが悲しい。
そんなシトロンとのバトルを楽しみにしながら、ミアレシティを目指すサトシ達。
電話先のシトロンによると、毎日チャレンジャーの相手をしているとのこと。きっとジムリーダーとしてのコツを取り戻しつつあるはずだ。
サトシ 「オレ達も特訓しようぜ!」
ピカ 「ぴか〜!」
セレナ 「ねぇ、作戦とか考えてる?」
サトシ 「作戦かぁ……」
セレナ 「そぉ。シトロンのポケモンを分析し、どうバトルするか組み立てなきゃ」
ここのセレナの可愛さはさておき、ジム戦を考えるキッカケをサトシに与えるのは、もはやセレナの恒例行事。こういう点を見ても、セレナは影ながらサトシを支えていることが伺える。
そんななか出てきたのは、久しぶりのティエルノだった。
思えばサマーキャンプ以来、サナは度々登場しているものの、男陣は めっきり姿を見せず、もはや過去の存在になっていたところ。
ティエルノ 「うぉぉぉぉぉ髪が違う! 服も違う! イメチェンしたんだねセレナぁ! 前も良かったけど、それもすっごく似合ってるね! バッチリだよぉ!」
セレナ 「あっ……どうも……、ありがとう」
相変わらずなティエルノ、惚れっぽい性格は継続か。
セレナのことをベタ褒めだが、ここで、“似合ってる”と言われた際のセレナの反応の違いを見てみよう。
・対ティエルノ
・対サトシ
セレナの好意は明白だ。
今回のティエルノのセリフをサトシが発してたら、いったいセレナはどんな反応を見せたのだろうか。
それはさておき、ティエルノは既にミアレジムのバッジをゲットしていたらしい。シトロイドと対戦して。
そのためサトシはティエルノに、特訓のバトルを申し込む。使用ポケモンはヌメイル。
ティエルノ 「サトシ、ヌメイルをゲットしたのか!」
サトシ 「あぁ。こいつはちょっと臆病で弱気だけど、特訓してかなり強くなったんだ!」
一方のティエルノも、サマーキャンプ以降、ルンパッパ、カポエラー、ニョロトノ、ライチュウを新たにゲットしていた。ゼニガメもカメールに進化していた(ミアレジム戦はゼニガメのままだったが)。
ここで、ライチュウを出していない段階で“僕のダンスユニット”と紹介していたところを見るに、ライチュウは完全に対ミアレジム特訓用と割り切っているっぽい。今後、ライチュウは再登場するのだろうか。地味に不安である。
ティエルノ 「そう言えばサトシ、あれからリズム戦法は完成した?」
A.捨てた。……とは流石に言えなかったのか、サトシの返事はこちら。
サトシ 「あぁ。ティエルノとはちょっと違うけど、オレなりのリズムを編み出して、シャラジムでファイトバッジをゲットしたぜ!」
そう言うほか無いよなぁ。
さて、肝心のバトルはピカチュウ&ヌメイルVSライチュウ&カメール(語呂が似ているのは偶然か?)だが、早速ロケット団のメカが乱入。
Automatic-Pikachu-Catchと呼ばれるそのメカは、ピカチュウの体内電気を探知して全自動で追跡、捕獲できるらしい。相変わらずその技術力を他のことに活かせと言いたい。
で、ライチュウが登場している時点で何となく予想はできたが(と言うより予告から明らかにされていたが)、同じ体内電気を検知ミスしたために、メカはライチュウを捕獲。助けようとしたカメールとヌメイルも同時に捕獲。
煙幕でサトシ達を妨害しつつ、高速で去って行った。
そしてライチュウが可愛い。
メカの行く先を探すサトシ達。
ヒヨクジム以来、約2か月ぶりにヒノヤコマが登場して偵察に出ていたが、僅か10秒で退場。不遇!
この先は手分けして探そうと言うセレナの提案により、ティエルノ&ユリーカ、サトシ&セレナに分かれる。
何故ティエルノは、自らユリーカと一緒になったんだろうか。どう考えてもセレナを指名しそうだが、空気を読んだのだろうか。はたまたロリコンなのか……。
一方ロケット団は、木の実を食べながらメカの帰りを待っていた。……が。
コジロウ 「うぇああぁぁぁっ!? ピカチュウ!? いや、ライチュウだ!」
ムサシ 「なに騒いでんのよ……うぇぇぇぇぇl!? あれ!? ピカチュウは!?」
ニャース 「進化したのニャ?」
コジロウ 「いやいや! いやぁ、でもいったいどうして……」
ライチュウ反撃。電撃対策の檻じゃなかったのか。
コジロウ 「違う違うちがーう! いつも浴びてる“10万ボルト”は、もっと尾骶骨にビリビリ来るぞ!」
さすが、18年間ピカチュウの電撃を浴び続けてきただけのことはある。
コジロウが言うと妙な説得力があるのも、また不思議なことだ。
で、カメールも反撃に出て、ムサシの顔面に“みずてっぽう”をぶちかまし、キレたムサシがバケッチャで檻を攻撃し……。
メカからの連結が外れた檻は、傾斜によって、森の中へと消えて行った。相変わらずのムサシである。
檻は森を突っ切り、崖下へ落下。普通に危険。
ライチュウとカメールを心配するヌメイルの動きと声が妙に可愛いのだが、運よくここで、ティエルノ&ユリーカと合流した。
メカがいない=ピカチュウを追ってると言う判断をすぐに下したティエルノは、そのキャラと見かけからは想像できないような、頭の回転の速さだ。
デデンネの電波でピカチュウを探すも、道中、大きな岩が道を塞いでしまっている。
先陣を切って、ヌメイルが岩へ攻撃。“りゅうのいぶき”でダメならと、体当たりで岩をどかそうとする。
ティエルノ 「凄いな、このヌメイル……」
サトシ達のピンチを思い、自らを犠牲にしてまで突破しようとするヌメイル。
ライチュウとカメールを心配したシーンでもそうだが、ヌメイルは、進化したことによって、精神的にも大きく成長したのだろう。
強い野生ポケモンに住処を奪われた辛い過去を持ちつつも、こうして、少しずつでも強くなっていく様は頼もしい。
ところ変わってサトシ&セレナは、さして面白い展開を迎えることなく、ロケット団のメカに発見されてしまう。
ひとまず、自然とセレナを守ろうとするサトシがイケメンなのは周知の事実として、“アイアンテール”をメカにぶつけつつ、珍しく逃げる選択を取るサトシ。
しかしこれまた珍しく、普段なら爆発するであろうメカはすぐに復帰。サトシ達を追いかけまわし、ピカチュウを捕獲してしまう。
ロケット団も合流し、もはや絶体絶命……では無いだろうが、面倒くさいことになりそうなタイミングで、ヌメイルがメカに突っ込んだ! 弱気なヌメイルが単身で。
対ブーピッグで自信をつけたこともあるのだろうが、サトシとピカチュウを助けるために危険な行動に出ると言う選択に、ヌメイルの成長が見て取れる。
しかしそれも束の間。
ヌメイルとピカチュウに向けられたバケッチャの“シャドーボール”が、メカに直撃、爆発。辺り一面が火の海に包まれる。
こういった“事故”はアニポケではあまり見ないが、なんとなく、タマムシジム戦を思い浮かべてしまった。
火の海に囲まれて、ヌメイルの脳裏に、野生ポケモンに襲われた時の記憶が蘇る。
ハブネークの“かえんほうしゃ”で炎に包まれ、仲間のウパーやゴクリン、ハスボーが危機に陥ってしまう。この映像だとこれウパー死んだんとちゃうか?
もう二度と同じ悲しみは生みたくない。そう思ったのかは定かではないが、ヌメイルは大空に向かって雄叫びを上げ、雨雲を呼ぶ。
そして。
ヌメイルがヌメルゴンに進化を遂げた。
炎に巻き込まれたサトシ達を助けるため、まさに絆の進化。仲間を想う進化だ。
ヌメルゴンは“あまごい”で炎を鎮火。ロケット団とバトルになるも、“シャドーボール”と“サイケこうせん”を同時に耐え抜くと言う高い防御を見せる。
“りゅうのいぶき”と放ったヌメルゴンのワザは、実際には“りゅうのはどう”。防御だけでなく、攻撃面でも大幅にパワーアップを遂げたのだ。
ティエルノ 「僕、ヌメイルがヌメルゴンに進化したとこ初めて見たよ!」
サトシ 「だから言っただろ。こいつは特訓して強くなったんだ。だからもう誰にも負けない!」
ティエルノ 「そうか。……良かったな。サトシみたいなトレーナーと出会えて!」
ヌメルゴン 「めっご〜ん♪」
ティエルノが、なんだ凄く良い感じで〆てくれた。
ヌメルゴンは、サトシにゲットされたからこそ、ヌメルゴンにまで成長できたはずだ。
弱気で臆病だったヌメラが、サトシのピンチにヌメイルに進化し、そして、更なるピンチでヌメルゴンに進化した。
勿論、サトシに大切にされ、共に特訓してきたからこその成長だろうが、だからこそ、サトシを守りたいと言う強い想いに駆られたに違いない。ポケモンとの絆を育むのはアニポケならではだし、サトシと言うキャラだからこそ、ここまで短期間でヌメラからの信頼関係を作り上げることができたのだと思う。
ドラゴンタイプ最終進化系と言う高戦力でありながら、人懐っこい可愛さを持ち合わせるヌメルゴン。
その守りの固さは、ティエルノとのバトルで“チャージビーム”や“きあいだま”、“ロケットずつき”を難なく耐え抜くほど。結果的にティエルノとのバトルにも勝利し、ミアレジム戦に向けて弾みを付けたサトシであった。
ティエルノと別れ、足を進めるサトシ達は、とうとうミアレシティに辿り着いた。
セレナ 「着いたわよ、サトシ、ピカチュウ。ミアレシティに」
サトシ 「待ってろよシトロン。今行くぜ」
ピカ 「ぴかぴっか」
シトロンとのジム戦は、思えば第9話以来、約1年3か月越しの実現となる。
あの夜2人が約束した対決が、とうとう――。サトシにしてもシトロンにしても、きっと多くの物を得るバトルになるに違いない。
● 総括
ヌメイルのスピード進化だが、サトシ達を助けたいという想いが伝わる、ヌメイルならではの進化だった。何よりラストのティエルノの言葉がそれを物語っている。
駆け足感があったものの、ポケモン同士のやり取りは微笑ましかったし、ロケット団ならではの要素も取り込まれ、全体で見れば安定した話だった。
いよいよ次週はミアレシティ。予告からロックマンのような何かを感じたが、久々の日常回を楽しみにしつつ、ヌメルゴンの今後の活躍にも期待したいところだ。