ポケモンXY感想−30話目

第31話「ルカリオVSバシャーモ! 試練の洞窟!!」


 久々に、前回回想からのスタート。物凄くあっという間にセキタイタウンに到着した。ルカリオと喜び合うコルニが印象的。バトル100連勝を成し遂げ、ずっと待ち侘びてたゴールに辿り着いたんだな。

  サトシ 「ルカリオナイトを探すのはいいけど、どこにあるか知ってるのか?」
  コルニ 「知らないよ」(即答)
  セレナ 「え? 知らないで、どうやって探し出すつもりだったの?」
  コルニ 「おじいちゃんはセキタイタウンに行けば分かるって言ってたし、すぐに見つかるかな〜って!」
  サトシ 「かな〜って……」
  セレナ 「サトシも突っ走るタイプだけど、コルニもそうなのね……」
  ユリーカ 「だから気が合うのかも」
 いや、そんな気はしてたけどさ……少なくともサトシが絶望するのはお門違いだぞ。ハクダンジムの時と言い、ショウヨウジムの時と言い、とりあえず突っ走ってったよね、君。

 セキタイシティは、その名のイメージ通り、石が名物。アクセサリー類に加え、進化の石も多く採取される。メガストーンもそれに漏れず、この町のどこかにあるようだ。
 と、店から出てきた男性が、店の真ん前で、見せつけるようにエレキテルをエレザードに進化させた。家まで待てよという突込みは我慢して、どうやらシトロンのエレザードも、太陽の石で進化させたらしい。
 ピカチュウは進化しないのかと尋ねるユリーカに対し、ピカチュウは進化したくないと答えるサトシ。この設定が、XY31話目にして登場した。

 メンバーの石進化事情をおさらいしたところで、各々別れてルカリオナイトの情報収集に当たる。


 ……が、一向に見つからず。
 焦るコルニだが、そう簡単に見つかっては、これまでもっと多くのメガ進化例が報告されているだろうというシトロンの発言に地味に納得。単にストーリー上で発見を難しくするだけでなく、きっちんと筋が通った理由を用意する脚本に好感が持てる。

 ここでコルニが思い出す。自分の祖父に言われた、「それを見つけるのもお前たちの修行なんだ」という言葉を。
 改めて奮起するコルニに一同安心。と同時に、これからどこを探すべきかと言う問題にも直面する。


 「そこのお嬢さんたち!」
 すると、どこからともなく声を掛けられる。主は写真館を営むマキタという老人で、記念撮影を勧めて来た。カロス地方の舞台はフランスなのに、相変わらず日本チックな名前が多数登場するXY。
 結果的に、彼はコルニの祖父と知り合いらしいのだが、ここでサトシ達のことを「お嬢さんたち」(=コルニ主体で)と呼んだのも、それを裏付ける一つの伏線だったようだ。
 記念写真と聞き、シトロン以外は超乗り気。コルニの「セキタイタウンに来たっておじいちゃんに見せられるから〜」と言うのが凄い好印象。コルニ、おじいちゃんっ子なのかな。

 シトロンが乗り気で無かったのは、写真うつりが悪いからなのか。ガッチガチやんシトロン! 作り笑いのお手本ともいえる強張りでカメラに対峙する彼は、いったい何と戦っているんだろう。
 それよか、当然のようにサトシの横をキープし、さり気なくサトシに近寄るセレナに注目。この子……乙女だ! ヒロイン役を演じ切ってるよセレナ!



 余談ながら、ゲームXYでも、セキタイタウンで写真を撮るイベントがある。アニメでも背景(3本の石柱)から察するに、ゲーム内のアングルをイメージしたものと思われる。XYは原作に忠実で、見ていて楽しい。


 進化の石の採掘場所を教えてくれたマキタに対し、コルニはそこにルカリオナイトがあるかと尋ねる。
 知らぬ表情を見せるマキタだが、いや待てよ、と。特別な石が採れる洞窟があると、聞いたことがあるらしい。山の奥の、採掘場のさらに奥に行くと、小さな洞窟があるとのこと。しかし、資格のない者が入ると恐ろしいことになるんだとか。だから町の人も決して近付かないんだと。物凄い剣幕でそれをアピールしてくる。

 ビビりまくるセレナだが、コルニはそこにあると確信。行く気満々だ。
 それを盗み聞きしていたロケット団は、コソコソと先回り。これ……バシャーモとのバトルがあって、さらにロケット団の絡みがあって、時間足りるのか?


 現像した写真を見てご満悦のセレナ。可愛いなぁホント。今さら言うことでもないが、完璧にセレナはサトシ好きという設定が根本にあることを確認できる。サトシに呼ばれてピクッとする所もまた。



 サトシたち一行が洞窟へ向かうのを見送って、マキタが一言。「これで良かったんだな、コンちゃん……」
 実際、ここで初めてマキタがルカリオナイトについて何か知っていると判明するのだが、よくよく考えてみると、あれだけ恐ろしいやら近付くなやら言っておいて、サトシ達を止めないのはおかしかったりする。もっとも、それも含めて伏線だと考えれば筋は通るのだが。

 一方、先回りしたロケット団は、洞窟へと続く小道を岩で塞ぎ、自分たちだけ洞窟へと向かっていた。


 サトシたち一行はと言えば、その小道に当然気付かず、山のさらに奥へと進んで行く。……で、見つからずに採掘場まで戻って来た。
 どこかで道を間違ったのではと嘆く一行だが、ルカリオが何かに反応する。そして、ロケット団が塞いだ小道を発見した。
 小道を進むにつれて、たびたび何かに反応を示すルカリオ。きっとルカリオナイトの場所が分かるんだと興奮するコルニ。実際ルカリオは波動をキャッチする力を持っているので、その力でメガストーンの波動をキャッチしているのだろうか。それとも、メガ進化ポケモンにはそういった何かを感じ取る力があるのだろうか。もしくは、コルニとルカリオの絆が、それを導いたのだろうか。

 何はともあれ、洞窟まで辿り着いた一行。いざ入ろうとすると、奥の方から悲鳴が。
  サトシ 「何かいる!?」
  シトロン 「おっオバケ……!?」
  ユリーカ 「そんな馬鹿なぁ」
 この、淡々とした口調のユリーカが地味に笑えた。そしてセレナ、抱き付く相手を間違ってる気がするのだが?


 で、吹っ飛ばされて空の彼方へと消えたロケット団……。
 そうか! こういうパターンもあるのか! サトシ達に絡まずに退場するのは、何気にレアパターンではないだろうか?

 改めて、洞窟の中へと足を踏み入れるサトシたち。セレナ、めっちゃ震えてました。

  サトシ 「セレナたちは、危ないから一番後ろだ」
  セレナ 「うん……」
  ユリーカ 「守ってね、ピカチュウ
  ピカ 「ピカピカ!」

 このサトシが頼られてる感じ、ニャスパー回で出て欲しかったなぁ。


 シトロンの数少ない役立つ発明、エレザードっぽいライトで照らしながら、真っ暗な洞窟を進む。

 「一番後ろ」どこいった?


 しばらくすると、洞窟には不自然な扉が現れ、その奥には、地底湖らしき空間が。そしてその奥には、台座に置かれたメガストーン、ルカリオナイトが! 台座とか完璧に意図的に用意されたものじゃん、とかいう突込みはここではさておき、やっと見つけたルカリオナイトに、喜んで駆け寄るコルニとルカリオ

 だがその時、1匹のバシャーモが現れ、道を塞いだ。
 コルニはそれを、ルカリオナイトを手に入れる“最後の試練”だと理解。サトシ達には下がってもらい、ルカリオでバトルを挑む。


 先手必勝の“グロウパンチ”で攻め込むが、バシャーモは素早くそれを回避。次はこっちの番だと言わんばかりに、連続で“ブレイズキック”を繰り出してくる。それを何とか回避するルカリオだが、バシャーモの素早さは高く、避け続けるのは苦しい。
 そこでコルニは“きんぞくおん”を指示。バシャーモの動きが止まったところで、ルカリオ自ら、“グロウパンチ”で突っ込んでいく。

  シトロン 「まただ……」
 前回に引き続き、シトロンは、ルカリオがコルニの指示なしに攻撃していることに注目する。いったいこの伏線がどう繋がるのだろうか。

 ルカリオが自らの判断で攻撃することを、コルニは特に気にしていない様子。
 迫りくる“グロウパンチ”に対し、バシャーモが放った“かえんほうしゃ”はルカリオに直撃。効果は抜群。その勢いで天井に叩きつけられ、そして床に倒れこむ。
 ルカリオの元に駆け寄るコルニだが、バシャーモの放つ“かえんほうしゃ”に道を阻まれ、倒れこんでしまう。その時、ポケットから飛び出たみんなで撮った写真が、燃えてしまった……。
 この描写が、不利な状況に立たされたコルニとルカリオの“絆”、即ちメガ進化する資格が失われてしまったことを、暗に表現しているのでは、と推測できる。

 バシャーモルカリオを鷲掴みにし、「まだまだだな」と言わんばかりに、地底湖に投げつけた。


  セレナ 「こんなの……見てられない。止めないと!」
  サトシ 「ダメだ!」
  セレナ 「サトシ……」
  サトシ 「コルニは自分の戦いだって言った。オレ達が邪魔する訳にはいかない。そうだろコルニ! 諦めないよな!?」
 なにこれサトシかっこいい。



  コルニ 「サトシ……分かってるじゃない」
 立ち上がるコルニ。
  コルニ 「そうよ! 私たちは負けない! たとえどんな相手だって、後ろを見せたりしないんだから! そうでしょ! ルカリオ!」


  ユリーカ 「ルカリオ立って!」
  シトロン 「頑張って下さい!」
  セレナ 「ルカリオ……!」
  サトシ 「立つんだルカリオ! 立ってくれ!」



  ルカリオ 「いや……無茶言うなし……」


 と思ったかは定かではないが、ほとんど気合で立ち上がるルカリオ

 連続で放つ“グロウパンチ”で、バシャーモを追い込む。攻撃する隙を与えない!


 そして、タイミングを見計らって放った“ボーンラッシュ”。具現化した骨のような何かがバシャーモの首元や腕を押さえつける形で地面に突き刺さり、バシャーモの動きを完全に封じた。
 ……そんなワザじゃなかった気がするけど。

 とどめの“グロウパンチ”を打ち込むまさにその時!


  「そこまで!」

 突如声が響いた。

  「お前の勝ちだ、コルニ」
  「おじいちゃん!?」

 その声の主は、コルニの祖父だった。穏やかな顔をしている。

  「メガ進化おやじことコンコンブルとは、ワシのことじゃ」
 いや知らないけどそんな名前。

 話をまとめると、バシャーモはコンコンブルのポケモンで、孫のコルニが修行をやり遂げると信じ、最後の試練を自ら与えるため、スタンバってたとのこと。

 見事、最後の試練をクリアしたコルニは、きっと感慨深い想いを胸に抱きながら、鈍く輝くルカリオナイトの原石を手に取った。

  コルニ 「ルカリオナイト、ゲットーーー!!!」
  ルカリオ 「ワオオオォォォォン!!!」

 こう、本当に待ち侘びた感、そして達成した喜びを表した声で叫ぶコルニ。こう聞くと、ホント、声優さんって凄いと思う。
 そんでルカリオは犬がモチーフなんだとここに来て実感した(笑)


 ふもとに戻って来たサトシたち。

  マキタ 「よう、上手くいったようだな。お前さんの孫娘、たいしたもんじゃないか!」
  コングル 「当たり前じゃないか。ワシの孫じゃぞ」

 写真を撮る前から、マキタは全て知っていた。サトシ達にとっては、初めて分かった新事実だ。

 コンコンブルに協力を頼まれたマキタは、ルカリオナイトの場所をそれとなく教え、資格のない者が入ると恐ろしい目に合うと伝えた。
 コンちゃんは、コルニに修行するよう伝え、それを達成したコルニに、例の洞窟で最後の試練を与えた。
 となると、コンコンブルが予めルカリオナイトを用意しておき、時期を見て洞窟にセットしたことになる。それなら洞窟の不自然な台座の説明も付く。最初から全て用意されたルートだったのだ。


 ルカリオは遂にメガ進化する。
 ルカリオナイトを持たせ、コルニが腕を高く振りかざすと、キーストーンが反応し、ルカリオの姿が大きく変わっていった――。


 ● 総括
 一言で表すなら、ホント面白かった! バトルシャトー回でも少し挙げたが、自分の中の判断材料は4つ。

 ①ポケモン達の迫力ある動き = ルカリオバシャーモのバトル
 ②バトルの内容 = “ボーンラッシュ”の使い方はさておき、写真の描写など心情面が強い
 ③キャラたちの魅力 = 喜ぶコルニと、何より写真を喜ぶセレナ
 ④笑い = ロケット団……

 とにかく一話にして見せ場が多々あり、目が離せない展開が続いた。伏線の張り方と言い、矛盾しない設定と言い、ハイレベルな話に間違いない。話の切り方も、ルカリオのメガ進化姿を見せずに次回に繋げるのがまた憎い。来週が楽しみでならないじゃないか!


 ●オマケ

    \ ジャジャーン! 撮ってもらった写真、壁紙にしてみたの! /

      (左画面は後で消しとこ〜っと)