ポケモンXY感想−42話目

第43話 「マスタータワー! メガシンカの歴史!!」


 サマーキャンプが終わり、オレ達の夏も終わり、とうとうシャラシティに到着したサトシたち。
 まずはポケモンセンターポケモン達を回復し、ジム戦に備えるものの、セレナたちの表情はいまひとつ。……ティエルノから教えて貰ったリズム戦法が完成していないらしい。そりゃぁ一晩踊っただけだしな。
 シトロン 「このまま挑戦して、大丈夫なんですか?」
  セレナ 「〜リズム戦法は、まだ完成してないんでしょ……どうするの?」
  サトシ 「大丈夫だって! ど〜んと真正面からぶつかって行けば、道は開ける!」
 相変わらずのこの理論! 楽観的と言われればそれまでだが、こんな自信を常に持ち合わせていることが、若干羨ましい。


 海上に聳え立つマスタータワーが、原作を意識した造りであることが嬉しい。
  セレナ 「うわ〜! 素敵ね〜!」
  ユリーカ 「すてき〜!」
 ユリーカの子供らしさを感じた。

 もっとも、原作とは違って引き潮でないとタワーに渡れない模様。それを嘆くサトシは、やっぱりサトシだった。

  「強く力を求める者よ……その心の前に、自ずと道は開かれん!……な〜んてね!」

 とそこに、コルニが颯爽と可愛く登場。何だかんだで2か月半ぶりだ。

  セレナ 「コルニ、元気そうで良かったぁ!」
  コルニ 「みんなも元気そうだね〜。ようこそシャラシティへ!」
  シトロン 「わざわざ迎えに来てくれたんですか?」
  コルニ 「うん! そろそろ来る頃かなって思って、待ってたんだよ!」
 ……それはまたご苦労なことで(後述)

 ここでサトシたちは、夕方にならないとタワーに行けない=ジム戦ができないことを知る。それまで何をするか……ティエルノに教わったリズム戦法を完全なものにするため、特訓するらしい。海で遊ぶとか、そんなことを想像した自分が馬鹿みたいです。

  コルニ 「あ、でも特訓するなら、アタシは見てない方が良いんじゃない?」
  シトロン 「そうですね。対戦相手に手の内を晒すことになりますから」
  サトシ 「オレは構わないぜ」
  セレナ 「えっ……いいの?」
  サトシ 「オレ達はいつも真っ向勝負だ。何にも隠すことないもんな!」
   「ぴかぴぃ〜か!」
  サトシ 「リズム戦法を完璧にして、コルニとルカリオに勝つぞぉ!」

  シトロン 「では、行きますよ」
  ユリーカ 「ミュージック、スタート!」

              コルニ 「?」                  ルカリオ 「?」


 ♪ズンタカズンタカ……

  セレナ 「ヒノヤコマバレリーナみたいで素敵ね」
  ユリーカ 「ルチャブルも上手い上手い!」
  シトロン 「ケロマツも上手です」
  セレナ 「問題は……」

              コルニ 「……???」      ルカリオ 「………」

 ドン引きである。

 そしてこちらは大爆笑である。


 セレナが幻滅しかねない壊滅的なダンス。サトシは“ポケモン音頭”くらいしか踊れないからなぁ……。

 ここで、シトロンの新規発明が久々に登場。踊れないなら
躍らせてみせましょう自動ダンスマシン。ダメだ、嫌な予感しかしない。
  シトロン 「このマシンはうんたらかんたら〜〜〜」
  セレナ 「サトシでも踊れるってこと?」
  ユリーカ 「ホントにぃ?」

 ……なんだその目は。


 リモコンが音符型と言う、さりげない拘りに関心する暇もなく、爆発。爆発も久々に見た気がする。

  サトシ 「死ぬかと思ったよ……」
  シトロン 「すみません……」
 人を爆破しといてすいませんで済むのもアレだけどね。

  ユリーカ 「でも、どうするの特訓? もうおしまい?」
  サトシ 「う〜ん……もう少しなんだよなぁ」
  セレナ 「だったら……私が教えてあげる!」
 ……ん? んんん?
  サトシ 「え?」
  セレナ 「私、ダンスは得意なのよ」
 実質42話目にて、セレナにまさかの得意分野追加。しかもダンスとは……。片思い、料理、刺繍、お洒落、怖がり、そしてダンス。超基本的な女の子キャラ要素をここまで兼ね備えているのも珍しい。さらには壊滅的なダンスに幻滅することなく、サトシの役に立とうと自ら指導に当たる包容力。セレナの女子力が凄まじいことになっている。

 で、セレナが手とり足とりサトシにダンスを教えると思いきや、ばっさりカット! 潔い!

 まぁそんなセレナの手にかかっても、サトシのダンスは全く改善しなかった。
  ユリーカ「サトシ全っ然ダメだね〜」
 この子は容赦ないなホント……。
  セレナ 「これ以上は……私もどう教えていいか……」
  シトロン 「人には、向き不向きがあります。このままだと、リズム戦法は難しいかもしれませんね……」
  ユリーカ 「これでコルニに勝てるのかな?」

  サトシ 「セレナ、ありがとな。シトロンも」
  セレナ 「サトシ……大丈夫なの?」
  サトシ 「あぁ。あとはいつも通り、当たって砕けろだ!」
 効果は無かったにせよ、きちんとお礼を述べるサトシは、主人公スキルを持ち合わせていると言えるだろう。それよか、結局、ぶっつけ本番に行き付くのか……。


 コルニに呼ばれ、海岸に下りるサトシたち。この夕日を受ける海面が非常にリアル。そして潮が引き始め、マスタータワーへの道が出来上がった。
 ……仮にこの時を18時とすると、これより前の干潮は、おおよそ12時間前、午前6時頃。まさかコルニ、早朝からサトシたちのことを待っていたとは……ご苦労様です(笑)
  ユリーカ 「海に道が出来るなんてすてき」
  シトロン 「潮の満ち引きによるファンタジーですね」
 今日のユリーカはセリフがちょくちょく可愛い。そしてこの時のシトロン、話の内容に反して何か企んでそうな口調で違和感たっぷりだった。

 マスタータワーに着くと、コンちゃんことコンコンブルが出迎えてくれた。なんでも島を訪れたらメガ進化にまつわる話を聞かなきゃならないんだとか。

  コルニ「覚悟してね。おじいちゃんのはなし長いから……」
 ……じゃあ飛ばそう。


  ――― コンちゃんメガ進化の歴史を説明 ―――


  サトシ 「凄い場所なんだなぁ」
  コルニ 「でしょでしょ〜! アタシもそんなご先祖様やおじいちゃんに負けないジムリーダーになるんだ!」
  セレナ 「コルニのルカリオはメガ進化できるし、もう立派なジムリーダーだよ」
  コルニ 「そっかな〜ふふっ」
 コルニがいちいち可愛い(褒め言葉)
  コンちゃん 「いやいや、儂から見ればまだまだ甘い。秘伝書を渡すことは出来んな」
  コルニ 「え〜! またそれ……」
 どうやら代々伝わるジムリーダーの心得が書かれた秘伝書があるんだとか。
 
 そんな会話の中でも腹の虫を鳴らすサトシは、やっぱりサトシだった。コルニから泊まっていってとお誘いを受け、ジム戦は翌日にまわすこととに。……まぁ、もう帰れないだろうし。

 ……それを盗み聞きしていたロケット団。秘伝書を奪う気満々。


 夜。
 
 皆が寝静まった頃、ロケット団は動き出す。
 凄まじい鼾と悪い寝相のコンちゃんの部屋を物色する。なぜそこにポカブ人形があるんだよ……。
 そこに無いと分かれば、今度はサトシ達の元へ。

 なんで寝室こんなに広いんだよ。客間か? 客間なのか?
 ルカリオ普通に寝てる。コルニ髪長い! ユリーカのガチゴラスパジャマ久々! そしてルカリオ波導遣いなら気付け!

 で、結局のところメガルカリオ像の口の中に秘伝書はあり、それを奪ったところで警報音が鳴り響く。……いや、そこに警報付けるんなら入口なり窓なりに付けようよ。はじめからロケット団を通すなよ……。

 逃げるロケット団を、サトシ達も合流して追いかける。サトシとコルニが先頭に立って追いかけ、セレナは体力的に厳しそうなコンちゃんに付き添う。この子良い子や。そして、そんなお年寄りよりも早くダウンするシトロン……。それでいいのか!?

 マーイーカが通路を破壊し、危うく足を踏み外すところだったコルニを、サトシとルカリオが助ける。なんだろう、サトシとコルニのカットが良作揃いで楽しい。

 マーイーカを蹴散らし、さらに追いかける。
 それにしても、タワーの原作再現度が凄い。巨大メガルカリオの像もそうだし、螺旋状に続く塔を登る通路、途中で一旦平坦になる部分もきちんと描かれている。

 塔から屋外に出て、停めてあった気球で逃げようとしたところ……ピカチュウの“アイアンテール”が炸裂。そしてこの「してやった!」顔。

  ニャース 「ニャにするニャー!?」
  コジロウ 「まだ乗ってもいないのにー!」
 逆切れや! ……そして、乗らないで良かったんじゃん?

 バケッチャも加勢し、戦闘態勢に。ここでコルニが、サトシの加勢を制止する。
  ムサシ 「なぁによ! アンタたちだけでやろうっての!?」
  コルニ 「そ〜よ。何か文句ある?」
 改めてだが、やっぱりコルニの口調は現代っ子っぽい。ゲームではメガ進化の継承者として、雰囲気的にどこかお堅いようなイメージがあったが、アニメでは良い意味でそれを崩している。

 バトルは、コルニとルカリオの息がぴったり。回避指示は的確で、ルカリオの動きも機敏。“シャドーボール”は“ボーンラッシュ”で打ち返し、放ったバケッチャに直撃。……そいういワザじゃ無かった気がするけど。
 相当悔しがるロケット団だが、ソーナンスは隠れてないで加勢しろよ……。

 ここでさらに、メガ進化して一気に決める。再度放たれた“シャドーボール”を、“ボーンラッシュ”で打ち返す! ……やってることメガ進化前と同じだ!

 まぁ、ロケット団を蹴散らしたことに変わりはない訳で、ひとまず一件落着。
 ここでサトシ、コルニの凄さを改めて実感ずる。そして、そんなコルニと戦えることに、大きな期待を抱く。やはり今回、ジム戦前、コルニの強さを大きくアピールする狙いがあるのか。サトシからコルニの凄さを伝えることこそ、コルニの強さを的確に表現する手法ではないだろうか。さらに、サトシの楽しみがる言動から、次回のバトルが、とんでもないクオリティになることすら連想できる。

 ……ここで終われば良かったんだけど、秘伝書の中身が悲惨な物だったぜ!
 早寝早起き? 整理整頓? しかもコンちゃんが書いたものとは……おいそれ「代々伝わる」とは言わないぞ。
 ……けど、「美味しい物でも腹八文目まで」は共感できた。


 翌朝。

 いよいよジム戦がスタートする。
 使用ポケモンが3体であることに若干驚きつつ、なぜケロマツが観客席にいるんだとツッコミつつ、コルニがローラースケートで颯爽と登場。フィールド全体をCGで描き込んでいるからこそできる、コルニ目線での登場シーン。細いレールを渡り、ジャンプ台で1回転、そしてジムリーダーブースへと下り立つ。……この気合の入れようは凄い。

  コルニ 「とうとうこの時が来たね、サトシ!」
  サトシ 「あぁ! オレも待ち遠しかったぜ! すっげぇワクワクしてる!」
  コルニ 「私も全力で戦うよ!」
  サトシ 「おぅ! こっちも気合十分だ!」

 そしてこの、コルニのライバル感もまた凄い。ジム戦3人回目にしてこの気合い。ビオラ戦、ザクロ戦以上の盛り上げようだ。これ以降のジム戦が心配になるくらい盛り上げてくる。
 とにかく、サトシはダンス戦法が完成していないなか、どうやってコルニを攻略するのだろうか。XY編は“お決まりパターン”が通用しないあたり、あっと驚く展開になるのではと期待できる。果たして……!


● 総括
 後々考えてみると、特段メガ進化と関係ない日常回だったが、セレナの新たな女子力、髪を下ろしたコルニと、目の保養的な側面、またメガルカリオのパワーの再確認は、ジム戦前の総復習的な意味で、存在意義は大いにあったと感じる。
 次回は丸々ジム戦に費やされるので、迫力のバトルに期待大。ケロマツが控えに入るのは意外だった……。


● おまけ


 コルニ就寝時の姿。コルニに限らず、XY編は既存キャラの髪型や服装をちょくちょく変えてくれるので、見ていて非常に楽しい。