ポケモンXY感想−25話目
第26話「ペロッパフとペロリーム!! 甘い戦いはあまくない!?」
久々の長いタイトル。
クズモー回の延期により、1週早く巡って来たセレナ回。恋のライバルとの煽りは果たして事実なのか、ミルフィが今後どんな立ち位置になるのか、この2点が気がかりだった第26話――。
冒頭から、セレナのポフレが登場。今までのマカロンから急に方向転換したのはいいとして、仲良く食べるピカチュウとフォッコが可愛い。ポケビジョン回のイメージが強いせいで、この2匹が仲良くしているのには若干の違和感さえ感じる。
セレナ「これはポフレって言う、伝統的なポケモンのためのお菓子よ」
……伝統的だったのか。
サトシ「人間も食べらるよな〜」
……おいサトシ、ポケモンのためのって聞いてなかったのかよ!?
……そしてその“間”はなんだよ!?
サトシ「美味〜い♪」
……美味いのかよ!?
“ポケモンのための”と聞きつつ、さらにポフレに手を伸ばすサトシは、7話のクッキーの時と言い、大分食い意地が張っている。今さら言うことでもないが。
そこにペロリームが登場。ポフレを奪って食べたうえ、そのトレーナーであるミルフィから、「まぁまぁ」と煽られる。当然セレナはムッとする。
自己紹介も、ポフレを勧められた時も、敵意不機嫌丸出しで受け応えるセレナだが、ミルフィのポフレの出来栄えは、やはり気になる様子。控えめに様子を伺う仕草がちょっと可愛い。
ミルフィのポフレの出来栄えは◎だが、やはり勝手に食べたサトシに対しては、口に合わなかった模様。だからポケモンのお菓子だって……。
ミルフィ「ポケモンに合わせる。それが良いポフレよ」
セレナ「それくらい私もやってるわよ」
ミルフィ「当然よ。ポフレの基本よ。出来て当たり前」
セレナ「なによその言い方!」
セレナ、完全に敵意剥き出し。こんな口調のセレナは、思い返せば第2話で母親に対して放った時以来ではないだろうか。
で、白黒つけるべくポフレ大会に参加することに。
司会者の目つきが明らかにデントなのはさておき、モブ参加者の描写が随分と気合入っている。ポフレに関しても、ゲーム内のデザインがほぼ踏襲されていて、見ていて楽しい。
セレナのポフレの出来栄えに、私も負けないわよと取り組むミルフィは、どことなく嫌なキャラではないように感じる。ロケット団はまぁ……(笑)
ポフレマスターなる謎の称号を持つモナークに対し、16話以来! ユリーカのシルブプレが発動した! ちょっと年齢差を考えた方が……。
で、それをキッカケにしてか、ミルフィがサトシに接近する。
ミルフィ「将来、サトシのお嫁さんになってくれる人はいるの?」
サトシ「え? そんなのいるわけないじゃん」
ミルフィ「ふ〜ん……」
何やら唐突な気もするが、恋のライバルを謳っている以上、こういった突込みはおぉ!っと思う。何となくイメージとしては、DP編で登場したコトネに通じるものがある。コトネもまた、けっこう唐突に結婚とか切り出していた記憶が。
このやり取りに対してセレナはそっぽを向くが、内心どう思ってるのだろうか。そして、ユリーカがいない状況でこの会話を出したのも、なかなか考えられているような気がした。ユリーカがいたら。絶対に突っ込んでくるだろうし、それこそ「サトシ、ミルフィをお嫁さんにしちゃいなよ!」とか言いだし兼ねないような……。
ポフレ大会の予選通過者は、ミルフィ、とらや兄妹、そしてセレナ。ひとまず安堵の表情を浮かべるセレナだが、すぐにミルフィと火花を散らす。
これでもかと言うくらい対峙するセレナとミルフィ。それは決勝戦準備のため材料を調達する段階でも続くが、その材料が買い占められているらしく、町から消えていた。まぁロケット団の仕業だろうとだいたい予想は付くのだが。
森に行って木の実を調達しようにも、謎の森林伐採で木の実が無い。まぁこれもロケット団の仕業だとは思うが、セレナは森のさらに奥へと探しに行く。
すると、突然セレナの悲鳴が!
セレナはペロッパフの群れに取り囲まれ、纏わりつかれていた。フォッコは“いとをはく”的な何かを受けて動けない状況に。
……わたあめポケモンに纏わりつかれるってけっこう平和な襲われ方だなと思いつつ、サイホーンに続き、なぜセレナはポケモンの大群にもみくちゃされるのだろうか。
助けに向かったサトシ、迷わずピカチュウの“10万ボルト”! これ絶対セレナに当たってるだろと思いきや、ペロッパフのみに当てると言う絶妙なコントロール。フォッコの“かえんほうしゃ”も加わり、ペロッパフの群れは逃げ出した。……なんかけっこう俊敏な逃げ方だったが、作画枚数削減のためだろうか?
森をさらに進み、崖を登ると(絶対に崖を登る順番逆だと思った)、そこには沢山の実の鳴る木が!
さっそく木の実をむしって食べてるサトシは置いといて、ここで先ほどのペロッパフとロケット団が登場。
なぜオクタンをチョイスしたのかという疑問はさておき、「すいすいスイーツ吸い込ーむ」というマシンに乗ったロケット団が、木の実の買い占めや森林伐採は我々がやったと、なんの脈絡もなく宣言! いや知ってましたよ、うん。
シトロン「ハッ! ……なかなか良いネーミングだ」
なんだって!? そして真顔で言うな!
そうこうしていると、マシンが作動。吸引力が変わらないただ一つの掃除家電をモチーフにしたと思われる吸引マシンで、ピカチュウが吸い込まれる。ペロッパフ達も吸い込まれる。吸い込まれた先は、遠心分離をしてそうなサイクロン式の貯蔵部分へ。
ロケット団のテンションがやけに高いが、シトロンが示した解決策は、空気の吸引部分を塞ぐこと。ならばとサトシが走り出す! ……え?
サトシは自分の体で吸引部を塞ぎ、空気の流れを止めたのだ! さすがサトシ。普通はポケモンのワザで解決させるべきところを、何のためらいもなく体を張ってくれる。
セレナ「サトシー!」
ミルフィ「サトシ……あなたって……!」
ん? 何やら意味深な発言がミルフィから。
そうこうしているうちにメカのエンジンがオーバーヒート。そこをフォッコの“かえんほうしゃ”が直撃し、爆発フラグが立つ。ここで何故かニャースはメカを逆噴射させ、ピカチュウ達を外に出す。こうなったら展開は早いだろう。
吐き出されたペロッパフの仕草が案外可愛かったことはさておき、ペロッパフが繰り出すロケット団への攻撃、作画が動く動く。今回で一番動いているんじゃないかと疑うほどの動きだ。
ラストはピカチュウ、フォッコ、ペロリームが協力してロケット団を撃退。そう言えば最近シトロンの見せ場が無いような……。
場面はポフレコンテスト決勝戦へ。
セレナは、イトケの実をトッピングしたカラフルなポフレ。
ミルフィは、綿あめとマトマの実がアクセントのポフレ。
とらや兄妹は、和のテイストを持ち込んだポフレ。
優勝は……まさかのとらや兄妹だった(笑)
これはちょこっと意外だ。セレナかミルフィ、どちらかが勝ち、次は負けない〜みたいな形で終わるかと思いきや、まさかどちらも優勝させないとは。
……考えてみると、とらや兄妹の“とらや”と言えば、最中や羊羹で有名な和菓子屋である。兄妹の作品は和のテイストのポフレ。モブにしては少し捻られた設定な訳で、こっそり“とらや”と使ってる以上、優勝させるのが配慮と言うものだろう。 とにかく、XYに入ってから“お決まり展開”が少なくて面白い。
結果的に、セレナとミルフィは和解した。片方を優勝させなかったのは、ポフレ作りの腕の未熟さを知らしめ、互いに成長させるためだったのかもしれない。上から目線みたいで恐縮だが、上手くまとめたと言えるだろう。
セレナ「……じゃあ、また」
ミルフィ「それから!」
セレナ「え?」
ミルフィ「あなたがボーっとしてたら、サトシは私が貰うわよ」
セレナ「えぇぇっ……」
ミルフィ「覚悟しなさい」
セレナ「ぅぅ……」
……いやちょっと待ってくれ。
なんでそういう展開になるんだよ? まぁ意味深な発言はあったが、ミルフィがサトシに惚れる要素ってあっただろうか。それとも単なる煽りなのか……。セレナが可愛かったのでどちらでもいいが、これはミルフィの再登場が有り得るのだろうか。
● 総括
ニンフィア回と違い、“恋のライバル!?”っぽい展開だったので安心。流石に2連続で詐欺は好ましくない。もっとも、前回の予告で流れたセレナ赤面シーンが、こういった展開だったとは思わなかった。これだけ恋だの嫁だの言っている中、明確に“セレナはサトシが好き”と示さないのがまた憎らしい。
ミルフィも思ったより良い子だったなと言うのが正直なところ。サトシに気があるような発言もあったことから、再登場して欲しいキャラの1人に数えることにしよう。
ここまでやるなら見せてもいいと思うんだ。
それと2枚目のシトロンが、教科書の挿絵に出てきそうな何とも言えない顔だったり。