ポケモンXY感想−6話目

第6話「氷上決戦! ピカチュウVSビビヨン!!」


 「覚えてる? 私のこと……」
 このとき、ピカチュウヤヤコマが空気読んで掃けた! あまりにも自然に!

 どうたらマサラタウンのキャンプに参加していたようだが、サトシは勿論、覚えていなかった。流石、これまで幾度となくフラグを壊してきただけのことはある。
 落胆するセレナだが、今はバトルに集中して欲しいと言える当たり、優しい子なんだなと実感した。

 そんな彼女の言葉に、サトシは“自分らしさ”を思い出す。要は気合いで押し通すこと。
 オンバーンの“かぜおこし”に、ヤヤコマはコツを掴み、ピカチュウは尻尾を地面に突き刺して安定を図る。これで“かぜおこし”対策はクリア。

 “ねばねばネット”対策には、シトロンの発明を使用。
 「“ねばねばネット”の成分をDNAレベルで解明し、粘着度も色も匂いも栄養分も、パーフェクトに復元できるこのマシン。現在、関係当局に特許出願中です」
 特許って……確かにその発明自体は凄いと思うけどさぁ……特許って。果たして子供向けアニメで通じるのだろうか。それとも、対象年齢を上げてきているのだろうか。ひとまず、我々のような“ポケモン世代”にとっては、くすっと来る。

 マシンは何だかんだで爆発し、ケロマツの“ケロムース”を使った特訓に変更。遅くまで回避の練習を続けた。
 ユリーカが“おねむ”のようだ。目を細めてふらふらして、挙動が可愛らしい。シトロンに連れられて部屋へと戻る2人の兄妹らしさが鮮明に描かれていた。ホント良い兄弟だ。AG編マサトとは大違いだ。

 残されたサトシとセレナ。サトシはセレナに旅の目的を聞くが、彼女はまだ目的を決めれていないようだ。……いや、サトシに会うことが目的だった気がするが、さすがにそうは言えなかったんだろうな。


 日が明けて、ビオラとの再戦。
 例のカットインで始まり、始めはピカチュウアメタマアメタマに“れいとうビーム”を放たれてフィールドが氷漬けになってしまうも、ピカチュウアメタマに勝利。

 この時点で、今回のタイトルから、ヤヤコマがほぼ活躍しないことを悟る。

 一旦ピカチュウが戻り、ヤヤコマビビヨンに。
 ビビヨンの“かぜおこし”を、ヤヤコマはうまく風に乗ってものともしなかったが、ビビヨンの隠しワザ、“ねむりごな”の餌食に。“ソーラービーム”を回避できず、戦闘不能となった。 ヤヤコマ気の毒……。

 続くピカチュウは、スケートリンク状のフィールドと“かぜおこし”で不安定な体勢になりがちだが、“アイアンテール”をフィールドに突き刺し、体を安定させる。しかしそれは、その場から動けなくなることも意味するのだった。
 “ねむりごな”が降りかかり、フィールドに倒れこむピカチュウ。サトシの必死の呼びかけに、眠るまいと耐えるピカチュウ

 ……おいなんだその眼は、その顔は!
 クライマックス的なシーンであると思うのだが、その顔は反則だ。ダメだ、笑ってしまう。

 “ソーラービーム”が撃ち込まれようとするまさにその時、セレナが叫ぶ。

 「みんなとの特訓を思い出して!」

 サトシはハッとする。
 シトロンのマシンがなぜ爆発したか。それは、マシンから真上に打ち上げられた球がそのままマシンに落下して、詰まりを起こしたこと。
 それに倣い、“エレキボール”を真上に放つようピカチュウに指示。それはすぐにピカチュウ自身に落下して、“ねむりごな”を払いのけることに成功したのだ!
 すぐさま反撃開始。“エレキボール”で弾き飛ばされたビビヨンだが、直後、動きが鈍る。それは、アメタマの“れいとうビーム”によってジムの照明っぽいものが凍りつき、そこに激突したことで、羽に氷がまとわりついてしまったためだった。
 上手く動けず、“10万ボルト”が直撃。ビビヨンはダウンし、サトシの勝利となった。

 2話に渡ったカロス初のジム戦は、想像以上にボリューミーで、戦略や展開も考えられていた。レベルアップしたバトルシーンも相まって、迫力あるシーンの連続で、見ていて本当に楽しめた。逆に今後のジム戦でこれ以上のものを作れるのか心配なくらいだ。

 バトル後のサトシも好印象。勝てたのは皆のおかげ。これは皆で掴んだ勝利だ、と。

 バトル中もバトル後も、とても気持ちが良かった。このクオリティのジムバトルを続けてくれるなら、ポケモンアニメの評価は格段に上昇すると思う。それほど素晴らしかった!

 ラストは、サトシがセレナに、今後どうするか尋ねるシーン。セレナが答えることなく6話は終わったが、前回の5話といい、話を切る位置、そして切り方が上手い。また来週も見てしまうじゃないか。

 ● 総括
 ジム戦もメガ進化。そしてセレナの言動がヒロインらしい。開始6話にして、視聴者の“掴み”は完璧だ。