ポケモンXY感想−68話目
話によって、車が右側通行になったり左側通行になったりするミアレシティ。
そんな街を発つ前に、サトシ達は、プラターヌ研究所に立ち寄ることに。……この時点で、また研究所を壊すことが確定した。
研究所では、リモーネが電気設備を修理中。
プラターヌは、タオルに染みついた香しいオイルのフレーバーに酔いしれる。急にどうした?
そんななか、サトシ達が到着。
プラターヌ 「やぁ君たち久しぶりっ! 今日は面白い研究をしようと思ってたんだ」
ユリーカ 「どんな研究なの!?」
プラターヌ 「それは見てのお楽しみだよ」
……いや! いやいやいや!
プラターヌ博士もソフィーさんもセレナの髪型に反応してあげて! 女の子そういうことすっごい気にするから!
ってかミナミちゃんには口説いたくせにセレナに無反応!? 子供には興味無しか!? ってことはミナミちゃんって何歳だ!?
どうやらプラターヌ、キーストーンとメガストーンを入手したようで、では何のポケモン用のメガストーンかを調べようと言うものだった。
よく分からん機械にメガストーンをセットするプラターヌ。
プラターヌ 「(アランにも見せたかったな……)」
おっと、ここで本編にアランの名前が登場。と言うことは、アランもガブリアスに何か関係があるのだろうか。
そのガブリアスは、機械にセットされたメガストーンに興味津々。
仕草“は”可愛い。
そんな反応を見せるのもどうやら当然のようで、そのメガストーンは、ガブリアスをメガ進化させる、ガブリアスナイトだったのだ。
そんなタイミングで襲って来たロケット団。いつだったかで見たことのあるメカに乗り、研究所の温室を突き破って登場。そう言えば完全に2週間ぶり。
プラターヌ 「なんだ……これは……」
サトシ 「誰だお前たち!?」
……いや、ニャースのメカで2人組って言ったらロケット団以外有り得ないがな。
ムサシ 「誰だお前たちと聞かれたら」
コジロウ 「答えてあげるが世の情け」
ムサシ 「メガ進化の秘密を暴くため」
コジロウ 「メガ進化の力を頂くため」
ムサシ 「愛と真実のメガ進化を貫く」
コジロウ 「メガメガチャーミーな敵役」
ムサシ 「ムサシ」
コジロウ 「コジロウ」
ムサシ 「メガ進化を手に入れたロケット団には」
コジロウ 「メガメガメガ進化な明日が待ってるぜ」
変則口上メガメガうるせぇ!
で、ロケット団のメカは繊細な関節パーツの動きでキーストーンを奪ったと思ったら、メガストーンは機械ごと引き千切ると言う強引さ。さらにガブリアスまで捕獲し、飛び去って行った。
ただ、シトロンの発信機をメカに取りつけたお陰で、ロケット団の行先を知ることは出来る。……凄く嫌な予感しかしないけど。
プラターヌ 「我々はこのメカを使ってロケット団を追おう! シトロン君、頼むよ!」
シトロン 「はいっ!」
……凄く嫌な予感しかしないけど。
車に乗って、ロケット団の居るであろう方向へと進むプラターヌ博士とサトシ達。きちんと全員シートベルトをしてるのは、子供向けアニメならではと言ったところか。
プラターヌ 「北西方向……間違いないね?」
シトロン 「間ぁ違いありません。このまま真っ直ぐです!」
……凄く嫌な予感しかしないけど。
シトロン 「反応が近い……もう近くのはずです……えっ!?」
……知ってた。
爆発の原因は、ロケット団が発信機付きのメカに何か負荷を加えたためだと推測するシトロンだが……、プラターヌがマジで迷惑そうな顔をしているのがなんとも。
その後、おもむろに車を降り、ガブリアスの名を叫ぶプラターヌ。この切羽詰った状況でのシトロンの爆発が、よほど迷惑だったのだろう(違)
必死で叫ぶプラターヌを見て、深刻そうな表情を浮かべるサトシ達。プラターヌがどれだけガブリアスのことを想っているのか、彼らにも伝わっているはずだ。
プラターヌとガブリアスの出会いは、助手時代のアランが、街で暴れて怪我していたフカマルを連れてきたことだった。ここでアランの姿が しれっと登場。
なかなか警戒心を解かないフカマルを、プラターヌは優しく、愛情を持って接した結果、心を開かせることに成功。
その後は研究所のポケモンとなり、より愛情を持って育てた結果、ガバイトに進化する。
プラターヌ 「マーベラス! はははっ!」
アラン 「やった! はははっ!」
プラターヌ 「素晴らしい! 素晴らしいぞ〜ガバイト!」
アラン 「あっははは……あはは!」
特別編では絶対に笑わないアランが、ここぞとばかりに笑っているのがなかなかシュール。イメージって大事。
そして、研究所のポケモン達と遊んでいるうちに、ガブリアスに進化したのだ。
所々ツッコミどころ満載な回想だったが、プラターヌとガブリアスの絆、信頼関係は、本物のようだ。
その時、プラターヌはガブリアスの叫び声を聞く。サトシ達には聞こえなかったようだが、プラターヌは、確かに聞こえたようだ。
実はその頃、ロケット団は誘導電波でガブリアスを操りながら、強引にメガ進化させようとしていた。プラターヌのことを想うガブリアスは激しく抵抗し、その際に発した叫びだったのだ。
プラターヌ 「いま、確かにガブリアスの声が……向こうだ! 向こうにガブリアスが居る!」
ユリーカ 「えっ……どうして!?」
プラターヌ 「うまく説明できないけど、僕には分かるんだ!」
ユリーカ 「……どういうこと?」
シトロン 「ポケモンとトレーナーには、科学では解明できない、不思議な繋がりがあるって言われているんだ」
サトシ 「あぁ!」
ここでのプラターヌの行動は、コルニ、カルネに続く、言わばメガシンカポケモンを持つ者の能力と言ったところか。
このシーンから、プラターヌがガブリアスをメガシンカさせることが出来るのだろうと想像できる。
一方のロケット団は、ガブリアスの心の中の抵抗で、メガシンカを実現できていない。痺れを切らして誘導電波を最大パワーにしたところで、サトシ達に発見された。
プラターヌ 「やめろおおおぉぉぉぉぉ!」
一目散にガブリアスの元へと駆け寄り、庇うプラターヌ。
しかし、ガブリアスの前で立ちはだかるだけでは、当然電波は防げない。強力な電波でプラターヌ自身も苦しみだす始末。
そんなプラターヌを救ったのは、ミアレの平和を守るバシャーモ仮面だった。
彼の登場は、既に4回。誰がここまで頻繁に(ミアレを通るたびに)登場すると予想しえたであろうか。
メガバシャーモでメカを攻撃したものの、すぐに立て直され、再度電波が発車される。
プラターヌ 「このままではガブリアスがメガシンカして……、奴等の言いなりになってしまう。それだけは防がねば……そうだ! あなたのキーストーンを貸して貰えませんか?」
リモーネ 「ん?」
プラターヌ 「彼らには無い、ガブリアスとの絆! 僕が先にメガシンカさせます!」
リモーネ 「……分かった。これが役に立つのなら、使いたまえ!」
プラターヌ 「ありがとう。バシャーモ仮面」
この展開は正直“上手い!”と思った。
メガストーンはポケモンごとに種類が分けられているが、キーストーンは全て共通。それは、キーストーンは原作ゲームで主人公が常に身に着けるアイテム故のことだろうが、その設定を逆に利用した、面白い展開だ。
加えて、ロケット団とプラターヌ、どちらがメガシンカさせるかで、絆の強さ、大切さも描けることが出来る。まさに一石二鳥な描かれ方ではないだろうか。
プラターヌとコジロウが持つキーストーンが同時に反応し、ガブリアスはメガシンカを遂げた。
果たして、どちらのキーストーンに作用してのメガシンカなのだろうか。
サトシ 「あぁっ……」
セレナ 「サトシっ……」
ユリーカ 「ねぇねぇどうなったの!?」
ギャラリー達も息を呑んで見守る。いつでもサトシを頼るセレナが可愛い。
コジロウ 「誘導電波で、ガブリアスは今やロケット団の言いなりだ!」
プラターヌ 「そんな訳ないっ!」
コジロウ 「ガブリアス……分かるな? お前の主人はこのロケット団なのだ!」
プラターヌ 「違う! お前は僕のガブリアスだ!」
コジロウ 「よぅし。まずは手始めにあいつらを蹴散らせ!」
のっしのっしとプラターヌに迫るガブリアス。
しかしプラターヌは、一歩も引かない。
プラターヌ 「ガブリアス……僕は信じてる……」
牙を剥き出し、プラターヌに大きく接近するガブリアス!
サトシ達 「博士っ!」
……だが。
ちょこんと頭で突っつくガブリアス。
当然と言うか、プラターヌとの絆の力が勝っていたのである。
フカマルの心を開いた時と同じ箇所を、優しく撫でるプラターヌ。進化して姿が変わっても、心は同じと言った訳だ。
プラターヌ 「さぁ、次は僕たちの番だ! ガブリアス、やってやれ!」
リモーネ 「バシャーモ!」
サトシ 「ピカチュウ行くぞ! トリプル攻撃だ!」
……何故サトシが仕切る?
とまぁ、“はかいこうせん”と“かえんほうしゃ”と“10万ボルト”を容赦なく ぶっ放し、ロケット団を撃退、一件落着となった。
キーストーンをリモーネに返す際、プラターヌは、そのキーストーンからオイルの香りがすることに気付く。……そして直感したようだ。
夕方、サトシ達はミアレを旅立つ。
サトシ 「プラターヌ博士、いろいろありがとうございました。またなガブリアス」
ユリーカ 「じゃあねっ」
ユリーカと握手するガブリアスが微笑ましい。
冒頭のメガストーンつんつんと言い、プラターヌへの頭ちょこんと言い、ユリーカとの握手と言い、ここまでガブリアスを可愛く描けるのは、アニポケならではだろう。
プラターヌ 「みんなー! また遊びに来てくれたまえー!」
ソフィー 「博士……」
プラターヌ 「ん?」
ソフィー 「また壊れちゃいましたね……」
プラターヌ 「ふむ……サトシ君たちが来るとよく壊れるねぇ(哀)」
とうとう言っちまったよ博士!
ひとまず、マップ通りで進めばカロスリーグ制覇までは戻って来ないので、しばらくは平和に研究に勤しめるはずだ。
翌日、リモーネの家電屋。
プラターヌ 「どーもっ」
リモーネ 「おぉ博士……」
プラターヌ 「う〜ん……香しいオイルのフレーバーはいつ嗅いでも良いですねぇ」
リモーネ 「あっ……また電気の調子が悪いのかい? 午後からでも修理に行こうか?」(遠まわしに修理に来いって言ってるのか?)
プラターヌ 「いや、今日は別のことで……。どうでしょう、メガバシャーモで、僕たちの研究に協力して貰えないでしょうか?」
リモーネ 「ふっ……」
これまたポケモンとしては珍しい〆だ。
考えてみると、プラターヌはこれまでも、メガシンカに関する研究の協力者を求めていた。カルネが良い例だ。
それが今回、同じ街のリモーネと言う協力者を見つけたことで、プラターヌのメガシンカ研究に、弾みが付いた形となる。
今後、サトシ達の旅の裏、視聴者の見えないところで、プラターヌの研究が進んで行くことになるのだろう。そして、ゆくゆくはXY編の根幹部分に携わる展開に、登場するかもしれない……。
もしそうなら今から楽しみだが、それは即ち、再び研究所が壊される日が来ると言う訳で……。
ともあれ、メガシンカに大切な“絆”を描いた回だった。
特に、主人公的ポジションがプラターヌだったことが大きい。その成り行きを、サトシ達に客観的に見せることで、メガシンカへの関心がより高まったに違いない。
今後きっと、より深くメガシンカを扱う話が出てくるはずだが、それは秋以降だろうか……?
● 総括
久々のプラターヌ主役回だが、ここまで博士をプッシュする回と言うのも、アニポケ全体で見ると珍しい。フカマルの頃から大切に育ててきたガブリアスとプラターヌの絆が、ロケット団と同時にメガシンカさせることで、うまく描写されていた。
しかしながら、アニポケ終了1分前以降の話題に全部持って行かれたような気もする……。
また壊れたのか! なんだあの短編映画最適の可愛いEDは!? サトシのライディングルギア再び! 取りつかれたサトシ怖い! フーパあの強面で「おーでーまーし」とか言うな可愛くないから!
● おまけ1
新ED、ガオガオ・オールスター。
とても短編映画らしいメロディで気に入ったのだが、ネタバレ要素多数。
● おまけ2
本編の印象を薄くした諸悪の根源、劇場版予告映像。
サトシ、ライディング・ルギア。
その他、個人的に好きなラティアスとラティオスが登場してくれて嬉しい。別の予告映像を見るに、ラティアスとラティオスの声優さんは、水の都の護神と同じ可能性が。
そしてコレである。
ただ、これまで映画主役伝説ポケモンが洗脳されることはあっても、サトシが洗脳されるのは何気に初。
新鮮と言う面もあるが、サトシ以外のレギュラーキャラに見せ場が出来るようにも思え、ある意味、とても効率的な演出なのかもしれない。
子供泣くわ!