ポケモンXY感想−37話目

第38話 「蠢く森のオーロット!」


 ピカチュウを助けるためとは言え、かなり平然と“いあいぎり”を習得したケロマツ。流木を両断した後に、自分のやったことに驚いた姿が可愛かったり。これで映画のOPでの不自然感は解消されたね!


 そんな仲間想いのケロマツなら、ダブルバトルに向いていると提案。久々にサトシVSシトロンのバトルが始まった。

 シトロンのポケモンは……あれだよね、もう確定だよね、手持ち数的に。
 それでも……勝手に出て来たハリマロン
  シトロン「ハリマロン、やる気十分ですね! じゃあ君のパートナーは……」
 ホルビーだよね。ホルビーしかいないよね。ホルビー一択だよね。
  シトロン「この子です!」
  「ほぉっびぃ〜!」
 ……うん、ホルビーだ。

 対するサトシ側は、ケロマツルチャブル
 2匹ともやる気十分。ルチャブルがあいさつ代わりにと、拳を突き出す。
  ケロマツ「お、おぅ……」
 2匹で拳を突き合わせて、後ろで笑顔を見せるサトシが良いお父さんみたいだ。


  ユリーカ「それでは、今からダブルバトル開始〜!」

 こういうCGの使い方は非常に好み。

 バトルは何と言うかこう……完全に1対1で進んだ。
 ケロマツVSハリマロンケロマツはスピードを活かし、相手の攻撃を回避しつつ攻めていく。

 ルチャブルVSホルビールチャブルは相手のバトルの想いを確かめるべく、あえて攻撃に当たっていくスタイル。
 ……そんな様子を、呆れ顔で見るケロマツと、珍しい物を見るように眺めるハリマロン

 “おうふくビンタ”と“からてチョップ”の完全な殴り合いでは、“チョップ”を決めたルチャブルがいつものポーズ。見せるバトルのスタイルだ。
 これにユリーカは凄いと喜ぶが、、、ケロマツは完全に呆れ顔。
  シトロン「バトルはそもそも、いかにダメージを受けないかがセオリーですからね」
 同感です。

 そんなシーンを挟んでも、バトルは続く。
  シトロン「“マッドショット”で たたみかけ“ろ”!」
 前回、裏シトロンを見ていたので違和感は低減してしまったが、シトロンのこの命令口調は珍しい気がする。
 その攻撃をケロマツが助ける名目とはいえ妨害したもんだから、ルチャブルは怒り出す。自分の戦いを邪魔するなと。……おいダブルバトルやれよ。

 その隙を突き、ハリマロンの“ミサイルばり”が発動、ケロマツは上手く回避し、なんやかんやでホルビーに直撃してダウン。……あれ? ホルビーこんな役回りばっかりな気がする。
 で、さらにお怒りのルチャブル。呆れてたケロマツも遂にキレた! 喧嘩を始めてしまい、バトルは中断してしまう。

 こう、ケロマツルチャブルも、バトルに関する想いは熱い。だからこそ、互いの行動理念に反するバトルスタイルが、許せないのだと思う。
  サトシ「こうなったら特訓しかない! お前たち2人だけの必殺技を作るんだ!」
 そっぽを向き合う2匹。
  サトシ「おい……!」
 先が思いやられますねぇ……。


 シーン転換で映し出された滝つぼに、カメラに水しぶきが降り注ぐような演出があったのに軽く感動。……けどこれ、写真撮る人間からしたら、相当邪魔なんだよなぁ。ピント合わなくなるし、被写体に写り込むし……。

  サトシ「いいか? お互いの弱い部分を助け合い、強い部分を伸ばし合う! それがパートナーだ!」
  ルチャブル「分かってる」
  サトシ「ん?」
  ルチャブル「さっきは悪かったな、蛙の紳士よ!」(手を差し出す
  サトシ「そうだな、まずは仲直りだ」
  ケロマツ「黙れ」(パシッ
  ルチャブル「おい貴様!」
  サトシ「やめろよ。ケロマツ、仲良くしてくれよ……」
  ケロマツ「断る!」
  サトシ「弱ったなぁ……」
 こう見ると、ルチャブルは案外良い奴かも。けど、ケロマツの態度も可愛いせいかなかなか憎めない。

 で、“フライングプレス”と“いあいぎり”を合体させた、“スーパーフライングいあいぎり”なるものを作り上げるんだとか。
 お蔵入りになった“がんせきふうじ封じ”と言い、XYのサトシはワザに関する拘りがあるのか……?


 一方のセレナたちは、ブレイクタイムの準備中。セレナがポフレを取り出すと、ハリマロンの微妙な表情。これお前また食ったろ。
 開けてびっくり、中身が無い! ハリマロンだよな、犯人。
  ユリーカ「あっ無い! ポフレが無いよ!」
  セレナ「もしかして……誰かつまみ食いした!?」

 おいハリマロン何だその態度は!?
  ユリーカ「誰が食べたの?」
  シトロン「正直に言ってください!」
  セレナ「まぁ黙ってても今に判るわ。何たって、フォッコが喜ぶような超スパイシーのポフレもあったから、つまみ食いした子はじわじわ体が熱くなって……」
 はい、犯人はハリマロンでした。
 このシーンは子供向けの一休みってところか。


 で、その間もケロマツルチャブルの特訓は続くものの、一向に“スーパーフライングいあいぎり(SFI)”は成功しない。そればかしか再び喧嘩を始める始末。そこでオレンの実を与え、美味しい物を食べると元気が出るだろ〜と、2匹の間を取り持つサトシのトレーナー感が半端なかった。


 その時。“つるのムチ”的なものがサトシに迫り、森の中に引きずり込んだ。……こう、サトシが直接被害を受けること自体、久々な気がする。
 もちろん追いかけるピカチュウケロマツルチャブル。それに続いてセレナたちも。

 しかし、木々が動いている。ピカチュウはツルに捕まったものの、ケロマツルチャブルはツルを回避し、ピカチュウに目もくれずにサトシを追いかける。
 後から追いついたセレナたちによってピカチュウは救出されたが、……まるで自分を助けなかったケロマツたちを恨むかのように、「ビガビガァァァ」と凄い声を出してたのが印象的だった(笑)

 森が蠢き、動こうにも動けないセレナたち。
 ここでシトロンが言う。森を荒らす人間を連れ去り、食べてしまうポケモンがいると……。
  セレナ「そんな……サトシが食べられちゃうなんて……そんな……!」
  ユリーカ「そんなの嫌だよ……サトシぃぃぃ!」
  シトロン「それが……自然の摂理です」


 ツルに引っ張られて森の奥まで連れてこられたサトシ。
  サトシ「誰だ……いたずらするのは?」
 いたずらってレベルなの!? と突っ込みたくなる気持ちはさておき、木々に紛れ込んだ“何か”が発した“あやしいひかり(多分)”によって、サトシは気を失う……何故!?
 後にサトシが「“あやしいひかり”に気を付けろ」と言ってるので、“あやしいひかり”で正しいと思うけど……気絶させる効果があったとは。


 ここでケロマツルチャブルが追いついたが、油断したのか、ツルに片足を捕えられ、宙吊り状態に。……実際これやられたら逃げれないだろうなぁ。
 並んで吊るされ、気まずそうな2匹。助かるにはやはり、体をゆらした反動で、体を起こし上げる必要がある。でも並んだ2匹でそれやったら……

 まぁそうなるわな。
 タイミングよくツルが切れて地面に落下した2匹。また喧嘩を始めるが、そこにはサトシの帽子が落ちていた。
 ここで思い出す、サトシの言葉、“お前たちはパートナー”。ここは喧嘩している場合ではない。2匹はそれを悟り、主を助けるため、初めて協力する道を選んだ。


 すぐにサトシに追いついた2匹。サトシはオーロットに捕まっていた。……捕まって運ばれながら図鑑チェックする当たり、相当肝が据わってると思う。

 サトシは自分を気絶させた“あやしいひかり”を注意するよう叫ぶと、ケロマツはケロムースでオーロットの目を隠す。これはなかなか賢い。
 その隙にルチャブルオーロットに“とびひざげり”……は当たらない! 地面直撃! 痛い!
  サトシ「こいつはゴーストタイプ! 格闘タイプのワザは効かない!」
 サトシの口から出るのは珍しい発言きました。
 うずくまるルチャブルに“ウッドハンマー”的な何かを当てようとするオーロットに、ケロマツは“あわ”で妨害。と同時にサトシは解放される。
 ここでルチャブル、邪魔して怒るのではなく、助けてくれたことに感謝するような表情を見せる。この時点で、2匹は和解していたのか。

  サトシ「特訓の成果を試すんだ。今こそ力を合わせて“SFI”だ!」
 特訓の成果は出ていなかったような気もするが、ここはぶっつけ本番!
 “フライングプレス”体勢のルチャブルに、ケロマツが飛び乗る……が、逆向きに乗ってしまってグダグダに。結果、“フライングプレス”はオーロットをすり抜け、ケロマツだけオーロットの体に激突すると言う、何とも奇妙な結末に。

 ……これ、例えばケロマツオーロットに向かって ぶん投げれば、すり抜けずにダメージ与えられるってこと?

 隙を突かれた2匹は、“おにび”を喰らってしまう。さらにもう1発繰り出されようとする“おにび”に対し、サトシが動く。
  サトシ「させるかぁ!」

 ……いや、まさかね。まさか“おにび”を生身で受けようとかそう言った人間離れした行動は取らないよね?

 やっちまったぜ!
 これでこそサトシ。17年間の旅で培ってきた、ポケモンのワザに対する耐久性を持ち合わせているからこそ出来る行動。そもそもリザードンの“かえんほうしゃ”を頻繁に受けていただけあって、“おにび”程度ならお手の物か?

 それでも辛そうな表情を見せるサトシの演技力は半端ない。ケロマツルチャブルは相当驚いているようだが、まぁXYで初めて生身で特殊ワザを喰らったわけで、驚くのも当然である。
  サトシ「それ以上やるなら、オレが相手だ! オレの仲間はオレが守る!!」
 あらやだカッコいい。ここにセレナがいたらどんな反応を見せたのか気になるところだが、そんなサトシの姿を見て、オーロットは攻撃の手を止める。そして、サトシ達を森のさらに奥へと案内する。


 そこには……罠にかかったウソッキーウソハチが。電気檻っぽいが、いったい誰が……。密漁団か、はたまたプラズマ団、凶悪マーイーカあたりが出てくるのか!?
 オーロットはこの2匹を助けてほしかったらしい。
 サトシは躊躇なく救出に向かうが……。

 ですよね〜。
  サトシ「そっか……この電気のせいで助けられなかったんだ……」
 捕まってるのが岩タイプのウソッキーウソハチだからこそ出来る演出だ。

 そこに、ピカチュウはじめ全員が追いついた。
 ピカチュウがいれば電気檻なんて関係ない。“アイアンテール”で電気檻を破壊し、2匹を救出。……したと思ったら、ピカチュウが捕獲されてしまった! ハンターの仕業か!? はたまた新たな敵キャラか!?


 何でいるんやお前ら!?
 割と真面目に問う。どうやってお前ら帰って来た!?
 アレか? 裏ワールドに行ったのは、現実世界のでは無い、また別の世界のロケット団だったってオチか!?

  サトシ「ウソハチたちに罠を仕掛けたのもお前たちだな!?」
  ニャース「そ〜にゃんす」
 おい今なんっつった?

 さっそくバトル開始。ケロマツルチャブルで、バケッチャマーイーカに挑む。
  サトシ「ケロマツ! “ケロムース”だ!」
 出た! ワザじゃないのにさもワザのように使える万能“ケロムース”だ!
 ここでバケッチャの視界を奪い、ルチャブルの“フライングプレス”……って当たらない。
  ムサシ「ふん! 格闘タイプのワザはゴーストタイプには効かないわよぉ!」
  サトシ「そんなことは百も承知さ!」

 サトシのこういう表情のアップは珍しい。
 直後、油断しきっていたバケッチャに、ほぼゼロ距離でケロマツの“みずのはどう”が直撃。まずはバケッチャ撃破。

 続けてマーイーカルチャブルに飛び乗ったケロマツ。そのケロマツ目がけ“サイケこうせん”を放つマーイーカ。直撃してしまったが、それはケロムースで作ったダミー。まさかの“みがわり”応用である。
 ケロマツ本体は、既にワザの体勢に入っていた。

  サトシ「行くぞ! “SFI”!」

 その掛け声と同時に、ケロマツの“いあいぎり”がマーイーカに炸裂。そして入れ替わり、ルチャブルの“フライングプレス”が直撃! “SFI”が成功した!

 ここでオーロットが加勢する。ニャースが持っていた檻のスイッチ的な機械を、躊躇なく“ウッドハンマー”で粉砕する。これでピカチュウは解放、いつもの通り、“10万ボルト”でフィニッシュした。この時の爆発が一番森を荒らしているのでは……なんて言うのは野暮である。

 このバトルを通じて、ケロマツルチャブルは完全に和解したようだ。勝利のポーズをニヤニヤしながら見つめるケロマツの表情がまた何とも。
 いつも噛ませ役になってくれるロケット団に、人知れず拍手を送ることにしよう。

 

 ……あれ? そう言えばヒノヤコマ“だけ”姿を見ていないような……?


● 総括
 割かし久々に訪れた、“普通の”日常回。バトルに関する想いが熱く、しかし思うところの違うケロマツルチャブルが、主であるサトシを助けるために協力していく様は、これぞアニメ! と言うにふさわしい展開だった。
 一方で、こちらも久々、人間離れしたサトシを見れたのも◎。
 ただ、今後ダブルバトルする機会が訪れるのだろうか……。


● おまけ
 予告から漂う波乱の予感。