ポケモンXY感想−55話目
第55話 「最弱のドラゴン!? ヌメラ登場!!」
開幕からセレナ!
トライポカロンが開催されるヒヨクシティに向けて高テンションで先導中。何もない所でこういったキラキラ演出は、案外珍しいのではないだろうか。
早速バテたのはさておき、峠の頂上にて、飛びゆくスワンナを眺めていると……空からこんなもの ↓ が落ちてきた。
ヌメヌメとしているそのよく分からない物体は、ヌメラと言うポケモンらしい。……ユリーカその触覚引っ張っちゃダメだ!
サトシが“お前ホントにドラゴンタイプなのか?”と言うほど、覇気がないと言うか、ヌメってると言うか、元気が無い。
シトロン曰く、水が渇いているからではないか……とのことで、セレナが水筒の水をかけるが、足りないのか、効果はいま一つ。
そこでサトシ、峠の下に川があることを発見し、ヌメラを連れて下って行くが……そんな急勾配を普通に下りれるはずがなく、まぁ結果はお察しの通り。ルパンのごとくジャンプして岩を回避する様は、まさしくサトシである。
川にぶちこみ、4人でヌメラに水を与える。4人それぞれが違う方法で。このカットを見ても、サトシ達の性格と言うか特徴が、よく表れているような気がする。……シトロンのバケツはどこから出てきたのだろうか。
そして回復したヌメラのこの顔っ!
なんだコイツ、案外可愛いぞ!
しかしコレ ↓ はどうなんだろうか。耳を舐めるとか、絶対違うこと考える奴が続出するぞ……。
で、ヌメラはデデンネを怖がったり、アリアドスを怖がったりと、どうも極端な怯え方を見せる。
そこでシトロンは、その原因を調べるため、とある発明を用意した。
シトロン 「このような局面を想定して用意しおいたナイスなマシン……“ポケモン思考翻訳機です”! / 以前発明したポケモン翻訳機の進化バージョンで、ポケモンの脳裏に浮かんだ映像を可視化する画期的なマシンなのです!」
……うん。以前の翻訳機の方が凄かったよね。
サトシ 「科学の力ってすげー!」
ユリーカ 「大丈夫なの〜?」
シトロン 「見ててください! スイッチオン!」
ヌメラの脳裏に浮かんだ映像は、仲睦ましき野生ポケモン達が生息している水辺。
……すると突然、ナウシカの腐海を連想させるようなメガヤンマの集団や、カイロス、スワンナといった大型ポケモンが襲って来たのだ。
と、ここで映像が消える。
セレナ 「えっ……ここで終わり?」
シトロン 「どうでしょう……」
そこでシトロン! モニタを叩くな! 昔のテレビじゃないんだぞ!
そしてこの時、ユリーカは爆発を覚悟した。彼女の表情が、全てを物語っていた……。
どうやらヌメラ、映像から察するに、ポケモン同士の争いに巻き込まれて逃げてきたらしい。
的中! と言わんばかりにシトロンに飛びつくヌメラだが、ヌメる音が妙にリアル。
そんな時に登場したロケット団。2015年初っ端の口上は通常通りだったが、バックBGMが一旋律くらい調整されていた。どうでもいいけど。
ロケット団は謎のメカでサトシ達を木に拘束し、ピカチュウ(とヌメラ)を奪って逃走。今回は割かしテンポが良いぞ。
サトシはゲコガシラを繰り出し、拘束具を切断させる。進化回後の初仕事がコレである。
そしてヒノヤコマを繰り出し、空からの捜索に当てた。第50話以来、約2か月ぶりの登場だが、役目はやはり雑用である。
一方のロケット団は、電撃対策を施した檻なら大丈夫だと高をくくり、まさかの宴会を開始。新年会か?
ムサシ 「はい次ニャース君!」
コジロウ 「ぃよっ! 待ってましたぁ!」
ニャース 「いきなりそんニャ……無茶振りは困るのニャ……」 キラッ!
ムサコジ 「きゃっはははは!」
……ごめん吹いた。
コジロウ 「じゃあ次オレオレ〜! ……はすぼぉ!」
ニャース 「微妙ニャ……」
ムサシ 「はぁぁぁ……」
ニャース 「ほらムサシが反応に困ってるニャ……ニャ〜んてニャ!」
ムサシ 「ふんぬぅぅぅ!」
ニャース 「じゃあ次〜ニャーがサカキ様のマネをするニャ!」
ムサコジ 「いよっ! 十八番!」
……これ新年会だ!
このノリの良さは初代だ! 初代のノリだ! そしてニャースがサカキのマネとか、なかなか懐かしいネタを持ってきたものだ。これだからXY編は面白い!
そんな中、ピカチュウは体をぶつけて檻を破壊……とまでは行かないが、檻の一部を歪めることに成功。心配そうに見守るヌメラだったが、ピカチュウの諦めない姿勢を目の当たりにし、なにか思うところがあったのだろう。不安な表情から一転、ピカチュウを信頼しているようだった。
その歪みから、ヌメラはヌメッと出れた訳だが、ピカチュウは体がつかえて出られない。……出れそうに見えるけど。
するとヌメラがヌメッと檻の中に戻り、ピカチュウの体をヌメッとヌメくりまわす。
……コーティングピカチュウ!
これにより、ピカチュウは檻からヌメッと抜け出すことに成功。ヌメラの特徴を活かした打開方法に、唸らずにはいられない。こういった、ポケモンの特徴を存分に発揮する描写があるからこそ、アニポケは面白いと言えるだろう。
ニャース 「しかしさっきのピカチュウ、テカテカだったニャ〜」
コジロウ 「あいつ結構汗っかきなんだなぁ」
ニャース 「あれで何か一芸できそうだニャー」
ムサシ 「ツルツルで檻抜けとか〜?」
コジロウ 「そうそう、ツルツルで檻抜けとか……」
全員 「!?」
自分で言って事態に気付く、まさにロケット団!
逃げるピカチュウとヌメラだが、コジロウが発見し、追いかける! 走って!
コジロウ 「“韋駄天のコジロウ”と呼ばれたこのオレを舐めるなあああぁぁぁ」
……いや、お前は“補助輪のコジロウ”だろ。
そこでヌメラが“あまごい”し、コジロウを直撃……コケた!
ベタながら思わず笑ってしまうのは、懐かしいノリのコジロウであるからか。
そこに気球に乗ったムサシとニャースが追いつき、スタイリッシュに乗り移るコジロウ。
体勢を整え、ムサシのバケッチャが“シャドーボール”でピカチュウを攻撃した!
流石サトシ! 体を張ってポケモンを守る様はサトシの専門特化だ。
近頃その勢いがセレナやシトロンにも波及しているが……ここで、“シャドーボール”を喰らった後の反応を見てみましょう。
…… な ぜ 無 傷 !?
サトシ 「お前たち、無事か!?」
「ぴぃかぁ!」
「めっらぁ……」
いやお前の方が無事か!?
これがサトシの力とでも言うのだろうか。ただ単にシトロンが貧弱なだけなのだろうか。
……明らかに前者です。
そうこうしているうちにバトルスタート。
ピカチュウとヒノヤコマで、バケッチャとマーイーカに挑む。
ここで、さも自然に戦闘態勢に入ったヒノヤコマがスタイリッシュ。第50話では、捜索に行かせたままその後登場しなかったことを見るに、サトシなりに罪悪感があったのだろうか。なお、ヒノヤコマの“戦闘”自体は、シャラジム以来です(笑)
ことは有利に進むっぽかったが、“サイケこうせん”による混乱で、ピカチュウとヒノヤコマは互いを攻撃し始める。
……2匹の目つきが明らかに寝不足状態なのはさておき、サトシは2匹を押さえつけ、これ以上攻撃しないようにする。叩かれ、突かれながらも2匹を案ずるサトシは、ここでもサトシらしさを発揮していた。
しかしロケット団は容赦せず、悪党面“シャドーボール”と“サイケこうせん”を放つ。
……そんなサトシを守ったのは、ヌメラだった。
ピカチュウの諦めない姿勢に感化されたのか、サトシのポケモンを想う気持ちに刺激されたのか、何かを決心したような表情のヌメラは、堂々とサトシの前に立つ。そして、相手の攻撃を、その身を盾にして受けたのだ。
そして……。
ヌメラは“がまん”していたのだ。
ヌメッとした小さな体から放たれるこの威力! バケッチャとマーイーカを蹴散らし、混乱が解けたピカチュウが“10万ボルト”で〆る。
サトシ 「よくやったなぁお前たち!」
「ちゃぁ〜!」
「めんら〜」
……このカット、ヒノヤコマも入れてあげてください。そろそろ可哀想です。
ヌメラの強さを認めたサトシに、恥ずかしがるヌメラ。
そしてヌメラは言う。ピカチュウみたいに強くなりたいと。……実際は言ってないけど。
サトシ 「じゃあオレと一緒に来るか?」
「めらっ!」
そうしてヌメラはサトシの手持ちに。
臆病なヌメラのために、ボールをぶつけるのではなく、ちょこんとタッチしてゲットするサトシがまた紳士的。
今回は、サトシの持つ脚力、耐久力、ポケモンを守る想い、優しさが、一挙に描かれていた。
新たなに加わったヌメラは、今後、どのような活躍を見せてくれるのだろうか。デデンネを極端に怖がる理由は、次回明らかにされるのだろうか。
いずれにせよ、今後がさらに楽しみである。
● 総括
新ポケモンをゲットする“重要回”としては、格別の面白さ。初代のノリを彷彿とさせるロケット団や、生身で攻撃を受け、ポケモンのことを思い遣るサトシ、また、ヌメラの特徴を活かした脱出など、見どころ沢山。
2015年早々でこのクオリティ。ヌメラの活躍と共に、今後のアニポケにはますます期待が上がる一方だ。
新OP。誰だお前!? (普段ダメなシトロンどこ行った的な意味で)