ポケモンXY感想−52話目

第52話 「忍法対決! ゲコガシラガメノデス!!」


 川から忍者が流れてきた! フランスなのに!

 開始早々ボロボロの姿で再登場を果たしたサンペイと、ゲコガシラ改めゲッコウガ。サトシ達と再会を喜ぶのも束の間、サンペイを襲った犯人、ダーテングの仮面を被った忍者が現れた、フランスなのに!

 敵忍者は、ガメノデスでサンペイを攻撃。ピカチュウケロマツも援護するが、ここは戦わずに逃げた方が良いと言うシトロンの判断で、一行は敵の前から撤収した。まさかの“木の葉隠の術”で。なんで普通に使えるんだよ……。

 森の中で、サンペイは事のあらましを話す。サンペイは、師匠であるサイゾウから、秘伝の書を屋敷に届ける任務を受けていた。その途中で、例のガメノデスと敵忍者に襲われたらしい。……こいつも普通に忍法使ってた。
 秘伝の書を狙う悪者忍者……いったい正体は誰なんだ!?

 皆目見当もつかないぜ!


 さて、サンペイは任務を遂行しようと立ち上がるが、サトシ達は同行したいと切り出した。

  サンペイ「気持ちは有難いが、これは拙者たちの任務。助けはいらぬ」
  サトシ 「なに言ってるんだ。このまま友達を放っておけるかよ!」
  セレナ 「それに、仲間は多い方が絶対良いもの!」
  ユリーカ 「そうだそうだー!」
  シトロン 「同感です」
 ユリーカが地味に可愛かった。

 確かにこれはサンペイの任務だが、あれだけボロボロにやられた姿を見た手前、放っておける訳がない。サトシの正義感、メンバーたちの優しさも相まって、自然とサンペイの任務に加担することとなった。
 サンペイにしてみても、一人で任務を遂行して失敗するより、サトシ達に協力して貰ってでも成功した方が良いと判断したのだろう。

 で、シトロン曰く、敵忍者の追跡を攪乱した方がいいと。そのために、良い物を用意してあるんだと。

 なぜサンペイも用意してあるんだ!? サンペイの登場読んでたのか!?
 ツッコミどころ満載のデザイン、漂う張りぼて感、小トトロのようなピカチュウ……まぁ足跡を付けることが目的なら、デザインは黙っておこう。

  シトロン 「名付けて! “足跡ペタペタ君”ですっ!」
  セレナ 「足跡ペタペタ君……?」
  ユリーカ 「うぇ〜ネーミングがベタベタだよぉ!」
 ユリーカのツッコミが冴える。この兄妹のやり取りは、時に見ていて楽しくなる。

 もっとも、例の敵忍者が足跡に騙される訳がないと誰もが思っただろうが、こいつらは釣れました(笑)

 いきなりノリノリで名乗り出し、騙されたと分かれば蹴飛ばして爆発させると言う高テンションぶり。この爆発で出番終了化と思いきや、飛ばされなかったので、まだ登場のチャンスはあると言うことだ。


 一方のサトシ達は、山の中腹でルート確認中。どうも地図通りで行くと、約束の時間に間に合わないらしい。

  ユリーカ  「びゅーんって、空を飛べたらいいのに。ねー」
  デデンネ 「ねー」

 おい今日のユリーカ可愛いぞ。

  サトシ  「近道とか無いのか?」
  サンペイ 「あるにはあるが、そちらは かなり険しくて、少々酷でござる……」
  サトシ  「大丈夫さ! どんなに険しくても、進んで見せる!」
  ユリーカ 「ユリーカへっちゃらだもん!」
  セレナ  「じゃあ、これで決まりね!」
  シトロン 「ですね!」
  サンペイ 「サトシ……みんな……よぉし! 行くでござる!」

 こう、サンペイの任務達成のために、皆が躊躇いなく協力する姿が微笑ましい。
 サンペイも、サトシ達に気を遣って過酷な道を避けようとしていたり、本当に、XY編のメンバーは良い子ぞろいで見ていて気持ちが良い。


 ……で、サンペイが“かなり険しい”と表現したルートが、こちらです。


 ×:険しい , ○:危険

 サンペイ、これ“危険”って言うんだよ。“険しい”って言うのは、もっとこう、勾配が厳しいとか藪を突っ切るとか川を渡るとか、そういうことを言うんだよ。

 ……ほら落ちた!


 ※ 画質を下げずにお送りしています。
 セレナ、スカート押さえなくてもええんやで。頭を守った方が安全やで。

 セレナはゲッコウガの伸ばした舌が、シトロンはケロマツのケロムースを細かく千切って連結させたものをロープ代わりにして、無事に救出。後者、ケロムースの使い方はなかなか考えられたものだった。


 崖っぷちロードを越えた後は、どうやら崖を登っていたらしい。
 何故そのシーンの描写が無いのか、スカートを穿いているセレナがどんな風に登ったのか、後から来るシトロンに対してどんな反応を示していたのか、非常に気になるところだったが、まぁ仕方がない。

 その後は洞窟を経由して山を下って行く。

 スカートで斜面を滑り降りるとなると、確実にスカートが捲れ上がると思うのだが、……そろそろその辺の描写にもチャレンジしてみませんか、アニポケさん?

 ゲッコウガが滑り降りてきたユリーカを受け止める描写を挟み、さらに洞窟を進む。こういった小さな描写があると無いとでは、キャラたちの印象が大分変ってくる。ゲッコウガ良いキャラしてるなぁ。

 ……で、洞窟と言えば案の定、ゴルバットの群れに襲われるサトシ達。恒例行事だが、オンバットではなくゴルバットを登場させたのは、可愛さが無いポケモンの方が危機感が出るからか。

 ゲッコウガの“えんまく”でゴルバットを攪乱し、一目散に出口へと向かうサトシ達。何とか洞窟を抜けだしたものの、セレナ、シトロン、ユリーカの姿が無かった。
 そんな時、まるで待ち構えていたかのように、屋敷方向からガメノデスが登場、再度バトルとなる。

  サンペイ 「サトシ殿、ここは拙者に任せてみんなを……」
  サトシ  「いや、お前を見捨てて行けないよ。2人で力を合わせれば勝てるさ。早くあいつを倒して、セレナたちを探しに行こうぜ」
  サンペイ 「サトシ……」
  サトシ  「うん!」

 これはもう、2人とも、サンペイ1人で戦っても勝てる相手ではないと自覚していたのだろう。そう考えると、2人で敵忍者の相手をすることに違和感はない。
 敵忍者も「よかろう」と認めたが、一瞬笑みを見せたことで、本当の敵ではないのだろうと感じた。……いや、最初から分かってましたけどね。

 ケロマツゲッコウガの“かげぶんしん”でガメノデスを攪乱し、“みずのはどう”と“みずしゅりけん”で攻撃に出る。……が、ガメノデスはジャンプして回避、ケロマツゲッコウガの攻撃が互いに直撃するという、なんとも御粗末な事態に。

  サトシ 「たたみかけるぞ! ピカチュウ! “エレキボール”!」
 ……それ自分たちが有利な時に言う言葉だ。なぜここで たたみかけようとしたんだサトシ。


 ガメノデスはそれを回避したところで、ピカチュウに向けて捕獲装置が!
  サトシ  「なんだ!?」
  サンペイ 「新手か!?」

 このタイミングで、まだ生きていたロケット団が登場。
  ムサシ  「なんだ新手かと聞かれたら」
  コジロウ 「そうでは御座らぬ忍びの者だと答えてあげるが世の情け」
  ムサシ  「くノ一忍法使うため」
  コジロウ 「手裏剣しゅしゅしゅと投げるため」
  ムサシ 「愛と真実の忍びの掟を貫く」
  コジロウ 「闇に生まれ闇に消える敵役」
  ムサシ  「ムサシ!」
  コジロウ 「コジロウ!」
  ムサシ 「風よ吹け吹け嵐よ吠えろと叫ぶロケット団の2人には」
  コジロウ 「光りあるところに影がある忍者の定めが待ってるぜ」

 ……おい。
 ついつい全文書き起こすほど笑ってしまった、唐突の早口変化球口上。普段のバックBGMと同じ時間内に納めようとするムサシとコジロウのテンションと言うか何と言うか、これ書いた脚本さんも相当面白かったと思う。

  サトシ  「ロケット団! なんの用だ!?」
  ピカチュウ「ゥンポンニョウ!」
  コジロウ 「なぁんの用も土曜も日曜もなーい! 我らは1日たりとも休まず働きピカチュウをゲットするのだ!」

 このコジロウの高テンションな発言に隠れがちだが、ピカチュウなんつった!?
 “ぴぴっかちゅう”ではなく、完璧に“ぽにょ”って言ったぞ!?


 敵忍者が何故か助けに入ったことで、ロケット団は即座に退場。無印を彷彿とさせる高テンション、是非ともまた見せて貰いたい。

 そして敵忍者と再戦する。
 ゲッコウガケロマツピカチュウガメノデスに挑む2人だが、“どろかけ”を喰らうことで、一気に不利な状況に。……“どろかけ”ってこんなワザだったっけ? 命中率を下げられてイライラした記憶はあるが、威力は20だか30だったような……。

 目をやられたピカチュウゲッコウガケロマツは弾き飛ばされ、崩れた岩で無動き出来ない状況だ。
 そこにガメノデスが“どくづき”で迫る。動けないケロマツは、そんな状況を目の当たりにして、何とか自分が立ち上がろうと思ったのだろう。岩を弾き飛ばすほどの眩い光に包まれた。

 そして、ゲコガシラに進化した!
 より蛙っぽい姿に、スリムな姿になり、新しく“つばめがえし”を覚えたようだ。
 ガメノデスに互角に立ち向かい、ワザを相殺し合い、素早い動きでガメノデスより先制。ワザの威力が格段にアップしている。

 何発かワザを喰らった後、不利な状況だと悟ったのか、敵忍者は戦闘から離脱した。「屋敷に来れば仲間のことも分かる」との言葉を残して。

 ……ところで。今の戦闘シーン、明らかにボルトのBGMが大きかった。テレビで普通に見ていたと言うのに、会話が聞きにくいったりゃありゃしない。シャラジム戦では問題なかったことを見るに、今回は音響のミスだろう。


 敵忍者に言われた通り、屋敷に向かったサトシとサンペイ。そこにいたのは……セレナたち。なんでここに!?
 そして背後に現れた敵忍者。ダーテングの仮面を外したその姿は……サンペイに任務を与えた、師匠であるサイゾウだったのだ!
 まさかの展開……まさか、まさか敵忍者がサンゾウだったなんて驚きだ! 全然気付かなかったよ!(棒読み)

 で、肝心の秘伝の書は白紙。要するに、サイゾウはサンペイの修行のつもりだったらしい。
 セレナ達が途中でいなくなったのも、サイゾウの仕業。部外者の接触を絶とうとしたようだが、サトシはタイミングが悪かったのか、サンペイに気付かれずに絶たせるのは無理だったのか、そのままにしたようだ。

  サンペイ 「白紙ではござったが、秘伝書はお渡しした。任務はきちんと遂げたでござる」
  サイゾウ 「うむ。仲間達と心を通わせ、ゲッコウガと共に幾多の困難に立ち向かうお主の姿、この目でしかと見た。長老様にも、今回の件、しかと伝えておくぞ」
  サンペイ 「はいっ! ありがとうございます!」

 ※ おおよそサトシのお陰です。
 もっとも、XY編のテーマが“絆”と言うことを考えると、単なる任務遂行では無く、そのプロセス……旅を通じて知り合った仲間といかに協調できるかどうかを見られていたのであれば、また納得な理由だ。(忍者って胆道行動主体じゃなかったっけ?)

  セレナ 「ねぇサトシ、このゲコガシラって」
  シトロン 「そうか進化したんですね、ケロマツが!」
  ユリーカ 「その瞬間見たかったよ〜! ねぇねぇ! もういっかいケロマツに戻って! でもって、進化するとこ見せてぇ!」
  シトロン 「いやユリーカ、流石にそれは無理だよ……」
 ユリーカ可愛い3発目! 本当、ユリーカは良い意味で子供っぽくて、見ていて和む。AG編のメガネとは大違いだ。

 ラストは、ゲコガシラゲコガシラのバトル開幕……と言う、珍しい終わり方。サンペイと協力した任務に重きを置き、しかし久しぶりに会ったサンペイとバトルしたいと考えるであろうサトシの行動を、うまく時間内におさめた形だ。
 このバトルの勝者は……果たしてどちらだったのだろうか。


● 総括
 野暮な話だが師匠が敵だと薄々感づいたものの、ケロマツゲッコウガの特徴を活かした描写が良かったし、ケロマツゲコガシラに進化したことが何よりも大きい。
 ロケット団のテンションが高かったり、ユリーカの言動が可愛かったりと、細部にも力が入れられていたことも好印象。
 新たに“つばめがえし”を覚えたゲコガシラの、今後の活躍に期待したいところだ。そして、サンペイは準レギュラーと捉えていいのだろうか……?


● おまけ
 その他、今回の可愛かったシーン。


 ▲ ユリーカに抱かれるケロマツ


 ▲ シトロンに乗るケロマツ


 ▲ セレナに抱かれるピカチュウ。何気にレアシーンな気がする(初めてか?)。