ポケモンXY感想−36話目

第37話 「うつしみの洞窟! 鏡の国のサトシとサトシ!?」

 コルニ編が終わり、メイプルばあさんも今後登場することは無さそうなのに、OP映像はコルニ編のまま。
 これをどうするかと思っていたが、まさか映画PR編にするとは……。これまでは映像の一部を映画ポケモンに差し替える程度だったが、今回は完全に映画仕様、シーンも歌詞メロディに合わせると言う拘りぶり。これはこれでなかなかカッコ良いけど……あの……ネタバレしてませんかね?


 ポケパレルミニゲームBGMで始まり、セレナとユリーカの案内でうつしみの洞窟にやって来たサトシたち。
特殊な水晶が散りばめられたこの洞窟は、身だしなみチェックに最適らしい。……ポケモンセンターでやれ!
 とは言いつつも、それを楽しむセレナとユリーカはなかなか可愛い。


 まぁサトシは興味無いようで、洞窟の先へと急ぐ。シャラシティに早く着きたいといった心境か。
 しかしそのあまり、セレナたちと はぐれてしまう。
 そして、不意に覗き込んだ鏡面水晶から別のサトシが現れ、あろうことかピカチュウをさらってしまったのだ。
 たまらず鏡の中に飛び込むサトシ、その一部始終を見て唖然とするセレナたち。これはいったいどう言うことなのか……。


 鏡の中は、空の色こそ違えど、元の世界と何ら変わりはない。……が、そこにいたいつものメンバーは、異常と言うか違和感の塊と言うか……誰やねんお前ら!?

  裏セレナ 「サ〜トシ〜! ど〜こいっとったんや〜!? 泣き虫って言ったくらいでスネんなや!」
  裏ユリーカ 「サトシさん! お兄様〜! いましたわよ〜!」
  裏シトロン 「随分探したんだよサトシ!/な〜に言ってるんだい! 僕は幼いころから足が速いのが自慢だよ!」

 ……誰やねんお前ら!?
 セレナなぜ関西弁!? カロスってフランスがモチーフだろ? そこで関西弁!?
 ユリーカどうした!? ディアンシーの言葉遣いが影響したか!?
 シトロン足速いのは分かったけど、もうちょっとマシな部分を反転してあげようよ! 心底どうでもいいスキル反転したぞ!

 ……といった突込みはさておき、とりあえず鏡の中からもう一人のオレがピカチュウをさらってなんやかんやと説明するも……

  裏セレナ 「な〜にアホなこと言ってんねん」
  裏ユリーカ 「寝ぼけていらっしゃいますの?」

 ……ダメだ、違和感が。実質36話目にしてキャラの性格が確立し過ぎて、この裏ワールドに馴染めない。

 でまぁ疑いの目を向ける裏セレナたちだが、堂々とするサトシを別人に思ったのか、ここで言うもう一人のサトシ、裏サトシこと“泣き虫サトシ”が犯人ではないかとの結論に至った。
 泣き虫サトシとか酷ぇなおい!

 そこで裏シトロンが気付く。うつしみの洞窟には伝説があって、そこの鏡の数だけ別の世界が存在する、と。なるほど、並行世界って奴ですか。
 それをアホくさっ! と一喝する裏セレナだが、じゃあこの現実をどう説明するのかということになり、とりあえず辿り着いた結論は、裏セレナがサトシとバトルして、サトシが勝ったら信じる……らしい。
  サトシ 「えぇっ………よし! のった!」
 そしてそこ乗るんかい! ピカチュウ後回しでいいんかい!?
  裏ユリーカ 「セレナの挑戦を受けるなんて、今日のサトシさん、素敵ですわ」
 でもユリーカはこのキャラでもいい気がしてきた。

 まさか通常よりも裏ワールドで初めて見ることになったサトシVSセレナのバトル。勝ち気のセレナと予告されているあたり、そして性格などが反転する裏ワールドであるあたり、さぞ裏セレナはバトル慣れしてるんだろう。これは迫力の展開が期待できるか!?


 ……“あわ”一発で負けました(笑)
 キリっとした表情から、普段の(- -)に戻るケロマツが可愛かったり。

 とりあえず約束通り、サトシを別世界から来たと認める裏セレナ。強気でも根は良い子なんだな。


 とここで、裏サトシが登場。こいつが一番なんやねん!?
 ナヨナヨしてる! 泣くな! 諦めるな! 17年間続いたキャラが変わるのは違和感あり過ぎる!

 とりあえずのことのあらましは……、裏サトシVS裏セレナのバトルで、裏サトシ負ける。
  裏セレナ 「なんやまた泣いてんのか?」
  裏サトシ 「泣いてなんかいないよ……」
  裏セレナ 「泣いとるやないか! やーいやーい! 泣き虫サトシ―!」
  裏サトシ 「うぅ……酷いよ……もういい! これからは僕一人で旅するんだうわぁぁぁぁぁ」
 洞窟の中でピカチュウとはぐれて、探してたら鏡の中にピカチュウがいたから捕まえたけど、後から違うピカチュウだって分かって……本当にごめんなさい!

 ……なんだこの絵面!?

 ところで、裏ピカチュウはどんな性格なのか。
 だいたい想像はつくが、いたずら好きでやんちゃで、参考回想場面として、ロケット団に、凄い嫌な笑顔で電撃を浴びせる裏ピカチュウの姿が。

 ……と、思いきや。どうやらこのシーン、現在進行形のシーンらしい。場面は裏ワールドで、ロケット団は通常世界版らしいが、ちょこっと分かりにくかったかなぁ、と。あとロケット団は何故裏ワールドに?

 ってことは、裏ピカチュウは現在、ロケット団に捕まってるってことになるな。

  サトシ 「ピカチュウ探すの手伝うぜ、サトシ!」
  裏サトシ 「ありがとうサトシ」

 なんていうかこう……声優さんが自問自答する姿を想像すると、どことなく居た堪れない気持ちになる(苦笑)

  裏セレナ 「サトシとサトシで ややこしいなぁ……」
  裏ユリーカ 「でも、どうやって探したらいいのでしょう……」
  裏セレナ 「ふぇっ!? そやなぁ……」
  裏シトロン 「ふっふっふっふっふっ……」
 おいちょっと待て。裏シトロンも発明するっていうのか!? だとしたら失敗なしの完璧な発明品が出来るんじゃないか!? それ超有用じゃんシトロン!


 一方こちらは、置いてけぼりを喰らった現実世界のセレナたち。
  シトロン 「サトシ……戻ってきませんね」
  セレナ 「私たちもこの鏡の中に入れたら、サトシを探しに行けるのに……」
 とここで、こちらの世界もシトロンが動き出す。このような局面を想定して用意した、次元転送装置!
 そんな局面あってたまるかっ!!
  セレナ 「次元転送装置?」
  ユリーカ 「なんだそれ?」
 おしとやかな裏ユリーカが続いた後に聞くと、それだけで違和感が……。
 次元転送装置とは、高圧電流を流して空間にゆがみを生じさせ、別次元への入口を作り出すものらしい。やってることは要するにギラティナと一緒ってこと? ってかよく作れたなそんなもの……。
 まぁ感心してさっそくだけど、スイッチ入れただけで爆発ってのはだいたい想像できた。


 片や裏ワールドでは。
  裏シトロン 「このような局面を想定して用意しておいたナイスな魔法! 棒倒しダウジング!」
 ……ほぇっ!? 確かに科学の反対は魔法ってのは分からなくもないけど、そういう方向で反転させるか!
 これは意外! 一本取られた! 軽く感動したがよくよく聞いてみれば、魔法陣の中心で棒を倒し、倒れた方向にピカチュウがいると言う、魔法もクソもない代物だった!
 けどそれを、さすがお兄様! とユリーカが信用しているあたり、現実世界と違って、案外成功率は高いのではないか?


 そして現実世界では。
  ユリーカ 「も〜〜〜〜〜! お兄ちゃんったらまた失敗なのぉ!?」
  シトロン 「すいません……」
 この兄妹の、現実と裏の反応の対比が面白い。
  セレナ 「どうしたらいいの……このままサトシとお別れなの……」
 ここの切なさそうなセレナ……。今回の話は狙ってきてますね。


 そのころ裏ワールドでは。
 棒倒しの方向に進んで行くと、その先は崖で行き止まり。
  裏セレナ 「どこにピカチュウがおんねん!?」
  裏シトロン 「おかしいなぁ……」
  裏ユリーカ 「お兄様にも間違いはありますわ♪」
 なにこのユリーカ可愛い。現実世界とは大違いじゃないか!

 それを隠れ見ていたロケット団
  ムサシ 「ジャリん子って双子だったの!?」
  ニャース 「ピカチュウももう1匹いるニャ!」
  コジロウ 「何かオレ、嫌な予感がするんだけど……」
 コジロウ、多分それ正しいと思う。

 このままピカチュウが見つからなかったらどうしよううわーんな裏サトシを、サトシは励ます。諦めるな、と。
 そんな時にピカチュウを奪うんだから、ロケット団は質が悪い。
  サトシ 「ロケット団! またお前たちか!」
 今回は登場BGMが1旋律くらい短縮バージョンでしたね。
  裏3人 「ロケット団?」
  サトシ 「あぁ。あいつら人のポケモンを奪う悪い奴なんだ!」
  裏セレナ 「うちらの知ってるロケット団は、悪い奴をやっつける正義のヒーローやで?」
  サトシ 「正義のヒーロー!?」
 そら互いに驚きますわな。
 けど、ロケット団の脇には捕まってるピカチュウが2匹を見て、こいつらは悪者と認識したようだ。


 サトシと裏サトシはともにルチャブルを繰り出し、ロケット団とバトル開始……だけど、もう裏ルチャブルのナヨナヨ感からして勝てる気がしない。
 予想的中、裏ルチャブルは攻撃を避けられ(ってか攻撃していたようには見えない)、バケッチャに弾かれる。マーイーカの“サイケこうせん”を庇ったルチャブルは、混乱して戦闘離脱。“シャドーボール”を喰らって裏ルチャブルも戦闘不能、といった具合に、流れるようにバトルは終了した。

 もうダメだと諦めて泣き出す裏サトシに、サトシは一喝。オレ達はまだ負けたわけじゃない、と。

 ……そんなことはどうでもいい。問題は次だ。
 どさくさに紛れて、捕まったピカチュウを解放に向かうシトロンは、ニャースに見つかる。


 踏んだ! ポケモン虐待や!
 いやいやいや! 人間がこうあからさまにポケモンに危害を加えるって、相当レアなパターンだと思う。映画は別とすると、無印でコイキング蹴っ飛ばしたコジロウ以来ではないだろうか?

  裏ユリーカ 「うん。さすがお兄様」
 そして妹としてそれでいいのか!?

 ただまぁ流石と言われただけあって、このシトロンの行動が転機となる。フォッコの“めざめるパワー”でピカチュウの閉じ込められていたカプセルを破壊し、ダブル“10万ボルト”でノックアウト。
 サトシと息の合った裏サトシのバトルに、裏セレナも思わず褒める。そして、これからも一緒に旅を続けようと、一応仲直りしたと言う形に落ち着いた。


 なんやかんやで日は暮れて、ポケモンセンターに向かおうとする一行だが、ここで裏シトロンが思い出す。鏡の向こうの別世界から来た者は、日没を過ぎると永遠に帰れなくなってしまうと言う伝説があることを。
 ロケット団が……。


 慌てて洞窟に戻る一行だが、戻り方が分からない。
 しかしヒントはあった。裏サトシは鏡の前で、ピカチュウに会いたいと強く願った、そしたら現実世界と繋がった(そしてピカチュウが奪われた)。
 ならばサトシがセレナたちの元に戻って旅を続けたいと強く願えば、きっと扉は開く。実践あるのみ。


 入れ替わって現実世界。
  ユリーカ 「もうサトシと会えないのかなぁ」
  シトロン 「ユリーカ、バカなことを言わないでください。サトシは戻ってくる!」
  セレナ 「そうよ。サトシもピカチュウも、絶対戻ってくるわよ!」
  ユリーカ 「うん!」


 この2つの想いが通じ合い、2つの世界が繋がった!
 お互いにお互いのことを強く想うが、日没間近のせいか、2つの世界はどんどん離れて行ってしまう。
 そこでサトシが飛んだ! 落ちたら時空の狭間に迷い込んで“やぶれた世界”に行きそうな雰囲気なのにそれを顧みず飛んだ! それでこそサトシだ!

 サトシは落ちそうになりながらも、セレナ、シトロン、ユリーカの助けを受け、無事、現実世界に生還した。
 裏ワールドの各自にお別れしつつ、2つの世界は閉じてゆく。……そして、うつしみの洞窟は、何事もなかったかのように、鏡面の水晶が輝いていた。

  セレナ 「サトシ、私たちはこれからも一緒だよね?」
  サトシ 「何言ってんだ。当たり前のこと聞くなよ」
  シトロン 「そうですよ」
  ユリーカ 「あたしたちはず〜っと一緒だよ!」
  セレナ 「うん!」



 ラストにサトセレ来た!


 ……と思ったらロケット団だったぜ!
 日没過ぎちゃったし、どうやって帰るんだろう。
 どうしても、サマーキャンプ編で邪魔だから裏ワールドに留めておいたような気がしてならない。


 ● 総括
 いろんな意味で吹っ切れた回だった。それはメイドカフェ回、極悪トゲピー回に匹敵するほどに……。
 しかしながら、ラストから見ても分かるように、XYメンバーの絆を再確認した話してもあった。はっちゃけたストーリーの中に、こうしたメンバー間の想いを取り入れてくるのは なかなかだ。
 今回の話をサトセレと捉えるかは人次第だろうが、捉えるとした場合、おおよそ7話に1回はサトセレ回となる傾向は、いまだ続いていることになる。


 ● おまけ
 これスカートの中のぞかれた時に取る行動と顔ですわ。