ポケモンXY感想−82話目

 第82話 「パンプジンフェスティバル! さよならバケッチャ!?」


 フウジョタウンへの道中、とある街に着いたサトシたち。
 なにやらファンシーな造りの街だが、至るところに飾りつけがされているせいで、その違和感が和らいでいる。……だって色とかおかしいし建物とか傾いてるもん!

 ポケモンセンターに入ると、ジョーイがプクリンの耳を付けていた。声にはあえて突っ込まない。
 どうやら“パンプジンフェスティバル”なるイベントが行われているようで、ポケモンの仮装やお菓子の交換といった、言うならばハローウィン的なものらしい。3か月ほど早い気がしますが。

 で、そのお祭りに、サトシたちも参加することに。
 仮装は衣装の貸し出しでは無く、みな自前らしい。そこで活躍するのはセレナ。得意の刺繍でちゃちゃちゃっと4人+αの衣装を仕立ててくれた。
 トライポカロンの時もそうだが、セレナの特技が積極的に描かれているところを見るに、XY編での彼女の役割は大きいのだろう。

 ちゃちゃちゃっと仕立てた割にはクオリティ高い!

 シトロンとハリマロンピカチュウデデンネはさておき……、
 ルンパッパの模様とか凄い手間かかりそうだぞ!
 カビゴンのどっぷり感どうやって出した!?
 あとセレナさん自分の衣装だけ趣が違いませんか!?
 それとピカチュウ可愛い。



 お祭りを楽しむサトシたちだが、その影で、ロケット団たちはピカチュウを狙っていた。

 ……お前さんたちも仮装のクオリティ高いぞ!

 ジュペッタほぼほぼ本物やん!
 ソーナンスダゲキってよく思いついたな!
 そしてマーイーカまたピカチュウかい!?

  ニャース  「まぁたピカチュウに変装したのニャ」
  コジロウ 「こいつ、どうやらこの格好が好きみたいなんだ」
  マーイーカ 「かーいーまっ」

 その格好が好きなのかそうなのか。
 ……けど実際それって、大橋さんの代弁の可能性もある。
 マーイーカピカチュウ変装は、偽サトシ回で初登場、その回は大橋さんの脚本だ。過去に自分の作り出したネタを再度持ち出すのは、なかなか痛快なはずだ。見ているこちらも、思わずニヤリとしてしまう。

 そんなマーイーカより注目すべきはコジロウな気がする。
 地味に凄い似合ってる。やはり美形は違いますな。


 さて、ピカチュウを奪おうとタイミングを見計らうロケット団たち。
 しかしその背後から、よく分からないリズムを口ずさむパンプジンが登場した。

  パンプジン×3 「パン…パン…プジン…プジン…パン…プジン…プジン……パン…パン…プジン…プジン…パン…プジン…プジン……」

 地味にツボった(笑)


 パンプジンのトレーナーを名乗るのは、丘の上に建つ城の執事。相変わらず すっごいファンシーな造形の城である。
 で、その城の伯爵が、ロケット団たちを招待したいと言うのだ。
 不審に思うロケット団だが、豪華な食事に釣られて即座に城へ行くことを決定。昔から食に弱いからなぁ、ロケット団って……。


 城に入って、早速ご馳走になるロケット団
 そんな彼らの前に現れたのは、城の伯爵だ。

  大木戸 「私がこの城の主、パンプ伯爵であります」

 ……ショボンヌ城に似たような奴が居た気がする。

  伯爵  「貴方方に来て貰ったのは他でもありません。そのバケッチャに用があったのです」
  ムサシ  「バケッチャに?」
  伯爵  「実に見事なバケッチャですなぁ。こんな大きなバケッチャは初めて見ました」

 そう言えばバケッチャは色々なサイズが存在したような気がする。原作では見た覚えないけど。
 ムサシのバケッチャは、その中でも特大サイズ。伯爵脇のバケッチャ王子が逆に小さすぎて違和感でしかない。

 そのことを「初めて知った」と口にしたムサシだが、問題は次である。

  伯爵  「実は王子が、貴方方のバケッチャを見初めましてねぇ……是非仲良くしたいと」
  ムサシ  「えぇっ!? アンタ女の子だったの!?」
  バケッチャ 「ちゃちゃちゃちゃっちゃ!?」
  コジロウ 「知らなかったのかよっ」
  ムサシ  「初めて知った」

 ……おい。
 確かにポケモンのオスとメスは一部を除いて分かりにくいし、声から判断することも難しい。
 けどムサシこれ2回目だぞ!? 過去にメガヤンマもオスだと思い込んでただろ!?
 ……と言うより、ムサシはポケモンの性別には関心が無いのかもしれない。

 でだ。ムサシは自分たちが有利な立場を良い事に、とある作戦を思いついたようだ。
 それは、(サトシの)ピカチュウをサトシたちに奪われたと言う設定で、伯爵にピカチュウを取り返させる、というものだった。

  伯爵  「ピカチュウ……」
  コジロウ 「これは、ピカチュウに変装したマーイーカでして」 スポッ
  マーイーカ 「いっかぁ〜ん」

 マジでマーイーカピカチュウスタイルを気に入っているらしい。
 
  ムサシ 「……我らのピカチュウを、取り戻して欲しいのです! そしたら、もしかしたら……もしかしたら……!」

 うわぉ。バケッチャを手渡すとは一言も発しとらん。
 しかし伯爵は見事に騙され、執事にピカチュウを奪い返しに行かせるのであった。


 一方サトシたちは、パンプジンフェスティバルを満喫していた。

 ……こうして見ると、やっぱりセレナだけ趣が違う。
 再現度は高いけれど、本当にフラージェスをイメージするのであれば胸の上は露出させるべきで、しかしそうせずに黒い胸当て(?)は再現したものだから、違和感が生まれてしまっている。

 そんな考察はどうでもいいとして、サトシたちの元に、執事&パンプジンが襲い掛かって来た。

  パンプジン×3 「パン…パン…プジン…プジン…パン…プジン…プジン……」

 ……だからそれ止めろ(笑)


 執事はパンプジンたちを使い、サクッとピカチュウを奪ったのだが……。


 それハリマロンや。

 奪い返しに城に やって来たサトシたちに指摘され、ようやく気付く伯爵執事とロケット団。逆にそれまで気付かなかったんかい。
 こいつらの目が節穴なのか、セレナが仕立てた仮装が凄すぎたのか……。

 しかし、簡単に子供に忍び込まれる城って……警備体制を疑いたくなる。
 再び3匹のパンプジンとのバトルになるが、ピカチュウは相変わらずの強さ、テールナーがキレっキレの動き+進化して初の“めざめるパワー”、そしてホルビーは久々に“ワイルドボルト”と、ほぼサトシたち無双。


 ホント警備体制どうなってるんや……と思った矢先、執事が壁を操作すると、サトシたちの真上から檻が落下、捕われてしまった。
 ……うん、それでこそ城の警備体制や。


 で、邪魔者を大人しくさせたや否や、伯爵はバケッチャの交換へと話を進める。
 一応、形的にはピカチュウを捕まえた(=ムサシ側の願いを叶えた)のだから、まぁ確かに交換に進んでも差支えないだろう。

 しかし、いざ交換の場を目の当たりにすると、ムサシも黙ってはいられないようだ。

  ムサシ   「バケッチャと共に過ごして幾年月……、苦しい時も、楽しい時も、共に過ごした数々の思い出……! そう簡単に! 交換なんて出来る訳ないでしょ!」

 ムサシもムサシなりに、これまでバケッチャと絆を育んで来た。
 地面から出てきたバケッチャに躓いたからゲットしたと言う割と適当な出会いだったが……、覚えているワザに“やつあたり”があるが……、これまで共に過ごしてきた日々は、かけがえのないものなのだろう。
 そう簡単に交換なんて出来るはずがないのだ。


  伯爵  「そこら辺の事情も汲み……このクチートと交換するのはどうでしょう?」
  クチート  「くちぃっ!」
  ムサシ  「こぉんなポケモンと交換できないわ!」
  クチート  「!?」
  ムサシ  「私とバケッチャは心が通じ合ってるんだから!」
  コジロウ 「ポケモンとトレーナーの絆をナメるなよ!」
  バケッチャ 「ちゃちゃちゃっ……」

 コジロウが言うと凄い説得力がある。


  伯爵  「ちなみにクチートメガシンカすると言う報告もあるポケモンなのですが……」
  ムサシ  「はい、交換しましょ!」

 ……おいコラぁ!?
 ポケモンとトレーナーの絆はどうなるんだよ!? コジロウと同じこと突っ込んじまったよ!

  バケッチャ 「ちゃちゃちゃちゃっ!」


 そらバケッチャも怒りますわ。
 ムサシに愛想尽かしたのか、王子を気に入ったから是非とも交換しろと言いだすバケッチャ
 ムサシもそれに激怒、2人は激しい言い争いに発展する。

 しかし表情を見るに、2人とも強がっているのは明白だった。
 それでも互いに譲ることなく、バケッチャは交換機にセットされ、伯爵のクチートと交換されてしまった。
 すると……。


 バケッチャ……交換進化!

  MATRIX
  EVOLUTION...

 パンプジぃぃぃン!


 久々に見た、アニポケ内での交換進化。案外可愛い。

 しかし……バケッチャ王子はと言うと……。

  バケッチャ王子 「前のバケッチャの方が好みなの。パンプジンじゃ嫌なの」

 そりゃねぇだろ王子!?
 いくらなんでもバケッチャとムサシに失礼だぞ!?

  ムサシ  「冗談じゃないわ! 交換してくれって言うから、泣く泣く交換してやったのに!」
  コジロウ 「いやいや、積極的だった」


 ▲ デントに見えた。


  ムサシ  「それを進化したから気に入らないって、おかしいじゃないの!」
  コジロウ 「それもそうだ」
  ニャース  「バケッチャ王子の気持ちもよく分かる。ニャーも同じような経験してるのニャ」

 ニャースまた懐かしいこと言いだしたぞオイ!
 DP時代、ニャースが、とあるトレーナーのニャルマーと駆け落ちした(ニャルマーも割かし乗り気だった)。
 しかしそのニャルマーブニャットに進化すると……、ニャースは真っ白に燃え尽きた。進化前はあんなに可愛かったのに……と。
 で、実はその話も大橋脚本回。マーイーカピカチュウ変装で懐かしく思ったが、それよりさらに懐かしいネタを持ちだすとは、恐るべし、大橋脚本……。


 しかしムサシの怒りはおさまらない。

  ムサシ 「オイ! そこの小っちゃい王子! アンタなんかにね、私のバケッチャの良さが分かってたまるもんですか!」

 ムサシが風邪で寝込んだ時、バケッチャが看病してくれた。リンゴを すって食べさせてくれた。何故か畳だけど。
 皆がムサシの誕生日を忘れていても、バケッチャだけは祝ってくれた。ムサシ+1歳確定。

  ムサシ 「思い返せばバケッチャは……私にとって運命のポケモンだったのよ! これこそ……ポケモンとトレーナーとの物語なのよぉ!」

 確かに……、躓かされてバトルもせずに投げたモンスターボールでゲットできたなんて、ある意味運命だよね……。

  ムサシ    「ぁはぁぁぁぁぁごめんねパンプジン……強がってあんなこと言っちゃってぇぇぇ」
  パンプジン 「ぱんぷぱんぷぅぅ!」


  コジロウ   「もう訳分からない……」
 
 確かに訳分かりませんわ。
 いやまぁムサシとパンプジンの絆を垣間見れたけど、色々とムサシの言動が伴ってなくて訳が分からない。

 王子がパンプジンを気に入らないのなら、わざわざ交換すことも無い。
 交換しなおしてムサシの元に戻って来たパンプジン。これにて一件落着だ。
 ……と言うより、今回に限っては王子、伯爵、執事が全面的に原因のような気がする。


  伯爵  「こういうことは、本人同士の問題ですので……」
  ムサシ  「そうよね。じゃあ私たちはこれで〜」
  コジロウ 「とりあえずご馳走にもありつけたし、これはこれで良かったよな」
  ムサシ  「アタシたちの友情も深まったしね!」

 考えてみると、今回は完全にロケット団が得してる気がする。
 交換はチャラになり、ムサシとパンプジンの絆がより深まり、そう言えばご馳走食べてたし。
 皆の仮装もクオリティ高かったし、ニャースの懐かしいネタも聞けたし、視聴者側から見ても、このまま無事に帰してあげたい気持ちになる。

 けど……。


 そういやハリマロンいたっけ。

 しらばっくれるロケット団たちだが、ピカチュウに変装したマーイーカにユリーカが気付く。
 それを隠そうとした、ジュペッタに変装したニャースをユリーカは躊躇いなく剥ぎ取り、ロケット団であることを確信。案外容赦ない。


 その後、他人の家(城)にも関わらず容赦ないサトシとセレナの攻撃によって、ロケット団は飛ばされていった。

  ムサシ  「飛ばされても、相棒のパンプジンが隣に居るから幸せよー」
  コジロウ 「まぁまぁお熱いですこと」
  ニャース  「そうだニャ〜」
  3人  「帰る!」

 ……まぁ、「やな感じ〜」じゃないから、良い方向の締めと考えて良いのかな?


 とにもかくにも、懐かしさ満載、ネタ満載、パンプジンへの進化に+αの面白さを加えた脚本は、なかなかのものだった。
 パンプジンフェスティバルの仮装大賞とかあるのなら、私はコジロウを推薦したいと思いました、まる。


● 総括
 第一印象と言うか全編通して感じたことが、パンプジンに仮装したコジロウ凄く似合ってた!
 ムサシらしい自分勝手理論に加え、過去のニャースの恋模様を持ち出したり、マーイーカピカチュウへの変装を気に入っていたりと、過去要素含む大橋脚本全快。パンプジンへの進化に留まらない面白さであった。


● 次回ひとこと予告
 → 米村脚本、ビバーク要素は出てくるのかな?


● おまけ
 OP映像、昨年と同様、映画バージョンに変更。

 ラティアスラティオスはじめ、他多数の伝説ポケモンたちを紹介。


 ラティアスラティオスはじめ、他多数の伝説ポケモンたちがおでまし。


 ラティアスラティオスはじめ、他多数の伝説ポケモンたちが繰り広げる迫力のバトル!


 ラティアスラティオスはじめ、他多数の伝説ポケモンたちが活躍する今年の映画。
 まだ未観賞の方は是非!