ポケモンXY感想−40話目

第41話 「ポケエンテーリング! 霧の中のX!!」


 サマーキャンプ4日目夜。各々美味しそうに夕食を食べている中、プラターヌ博士が壇上に登場。

  マーベラス 「やぁ、トレーナーの諸君、サマーキャンプをエンジョイしてるかい?/それはマーベラスだね! でも、明日は更にマーベラスなプログラムを企画してるんだよ。/サマーキャンプ名物、チーム対抗ポケエンテーリング!」
  はい出ました、プラターヌ博士マーベラス。これを聞くたびに、プラターヌ博士流行語大賞でも狙っているのではないかと思ってしまう。

 さて、5日目のプログラムは、スタンプラリー的な“ポケエンテーリング”。非常に言いにくい。
 プラターヌ博士の発表によると、現在、チーム・ケロマツゼニガメ、即ちサトシ達とティエルノ達のチームが13ポイントで同率1位。2位がフォッコ、3位がフシギダネとのこと。
 お互い負けないぞと闘志を燃やすサトシ、ティエルノだが、ここのシーンで、実は重大な問題が発生していることを、皆さんは気付いただろうか。詳細はラストの「●おまけ」で検証します。

 サトシの足を心配するセレナは、やっぱりヒロインだった。もっとも、足捻った夜の時点で普通に走ってた訳で、サトシなら1日あれば完治しているだろう。そうなると、4日目のプログラムが非常に気になる。足を使わない何かだったのだろうか。


 そんな様子を見ていたムサシは、よく分からない言語でニヤリ。
  ムサシ 「せぼ〜んしょぼんしるぶぷれ/ちょっと聞いて! 明日の〜〜〜ポケモンをゲットする絶好のチャンスじゃない!?」
  コジロウ 「でも、仕事を休む訳にはいかないよ」
  ムサシ 「は?」
  ニャース 「みんな残さず綺麗に食べてくれるのニャ」
 良い人! この人たち良い人や! もうムサシが異常とも言えるべき状態だが、よくよく考えてみると、こいつら悪役だった!
 サトシたち側も、ここ数日はロケット団が絡んでこなくて平和に感じてるだろうな。
 当のムサシも、バイト代アップを優先して仕事に戻ると言う変貌っぷり。やっぱり真面目に働いた方が人生得すると思う……。


 翌朝、ポケエンテーリングがスタート。サトシ達、ティエルノ達、各々「えいえいおー!」をやるが、何故前者、スカート穿いてる側を下から映したのだろうか……。まさか今回、セレナの際どいシーンを狙うつもりなのだろうかと勘ぐってしまう自分は、相当心が汚れています。

 博士のフラッグ振り下ろしとともに、ポケエンテーリングがスタート。ポケパレルのミニゲームBGMアレンジが、こう、運動会っぽいイメージを醸し出している。

 チェックポイント(1)は、崖上にあった……。最初っからレベル高過ぎやしないか? 助手のソフィがどうやって登ったのか気になるところだが、背景をよく見ると、崖上から梯子がかかっていた。


 その時にこんな画があったもんだから、強ちセレナの際どいシーンを狙っている可能性は否定できなくなった(笑)

 で、先陣を切ったのはティエルノ。デブにしては機敏な動きで……と言うよりその体格では不可能に近い動きで、ゼニガメと共に崖を登っていく。負けじとサトシも、ケロマツと共に登っていくが……。

 事故だろこれ……。
 ケロマツのケロムースで大事には至らなかったものの、やっぱりこれ事故だよ……。
  サトシ 「大丈夫か!?」
  デブ 「チェ〜借りができたなぁ」
  サトシ 「へへっ!」
 いやまずは礼だろデブ。そしてソフィも何か反応しろや……。


 この先は、完全なるダイジェスト。

 妙に描写がリアルな吊り橋の先にあるチェックポイントには、サナとセレナが挑戦。サナはフシギダネの“つるのムチ”で橋を抑えながら渡っていたが、セレナは へっぴり腰。フォッコの尻尾を掴みながら渡っていたが、果たして尻尾に“掴める”ほどの体積があるのだろうか。モフモフしないのだろうか。それよかフォッコは尻尾を掴まれて嫌がらないのだろうか……。
 サナの駆け足で揺れる吊り橋を怖がるセレナは、やっぱりヒロインだった。と言うより、片思い、料理、刺繍、お洒落、怖がりと、超基本的な女の子キャラ要素をここまで兼ね備えているのも珍しい。


 迷路のような洞窟のポイントには、シトロンとトロバが挑戦。
 その他、どうやって到達したのか非常に気になるジャングル的な場所、川の上の小島など、計7つのスタンプを回収。
 ここまで番組開始10分以内で巡らせると言う、とてもスマートな流れ。メインのゼルネアスに時間を割くためだろうが、それに至る過程を不自然なく作り、かつ違和感なく端折る脚本は、なかなかのものだ。


 あとはゴールを目指すサトシ達とティエルノ達だが、途中で霧が深くなる……。実際の霧を見たことがある人は多くは無いと思うが、アレはヤバいで。
 ここでユリーカが はぐれてしまう。切り株の影をシトロンのものと勘違いしていたようだ。小さい子がいるときは、手を繋ぐなどして対策を取りましょう。
 無印時代の霧の中は、メンバー全員で手を繋いでいたと言うのに。……タケシが間違えてピカチュウの尻尾を掴んで電撃浴びせられてたっけ。あれからもう15年以上経つのか……。


 皆を呼ぶユリーカの背後を、大きな“何か”の影が横切る。……これ意外とデカいぞ!
 そこに、はぐれたことに気付いたピカチュウが合流するが、ユリーカは、その“何か”に興味津々。“何か”が通った後は花の蕾がどんどん開花し、立ち去るその“何か”を追いかけて行った。……これシシ神だろ。


 一方のサトシ達も、ユリーカとはぐれたことに気付く。ついでにピカチュウも。サトシの焦り具合がピカチュウ>ユリーカだったことはさておき、ユリーカの捜索に、ティエルノ達も加わることに。
  サナ 「何かあったの?」
  サトシ 「ユリーカとピカチュウ見なかったか? はぐれちゃったんだ……」
  デブ 「それは大変だ! 近くを探してみようよ」
  サナ 「そうね。あたしたちも探すわ」
  サトシ 「ユリーカはオレ達で探す。みんなはレースに戻ってくれよ」
  シトロン 「迷惑はかけられません」
  デブ 「今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ!」
  サナ 「そうそう! レースよりユリーカ!」
 あれ? このデブ案外良い奴じゃん。見直した。口調からも、本当に心配している様子が伺える。
  シトロン 「手伝ってくれるんですか……?」
  ティエルノ 「オーライ!」
  サナトロ 「うん!」
  シトロン 「ありがとう、みんな!」

 そこでトロバが、道を外れていく足跡を発見する。その足跡を、ヒトカゲの尻尾の炎で照らしながら追ってみることに。
 サトシはヒノヤコマを投入し、空からユリーカの捜索をするよう指示。久々に出て来て雑用なんて……。


 そのころユリーカは、スピアーに追いかけられていた……。
 何気なく引っ張った蔦が枝を折って、スピアーの頭にぶつかると言う奇跡のコンボ。ピカチュウが追い払うことに成功したが、このイザコザで、足跡が分からなくなってしまう。


 ヒトカゲが、足跡が分からなくなって立ち止まる。
   「かぁ〜げぇ〜」
  トロバ 「ヒトカゲ、どうした?」
   「かぇ〜げくぅ〜……」
 ……これだよ! ヒトカゲの鳴き声と言ったらこれなんだよ! サトシのヒトカゲを彷彿させる鳴き声に、一人懐かしむ。


 そんな時ユリーカは、モロバレルの“きのこのほうし”を喰らっていた……。
 徐々に眠くなっていくユリーカたち。さっそくピカチュウがダウン。
  ユリーカ 「ん〜ねむぃ〜」

 この辺の仕草とか妙に可愛いのだが、その向かう先には崖が……。おいこれやばいんじゃ……。

 落ちた! と思いきや、フワライドの上に着地したようで、ひとまず安心。でもこれ普通に事故だぞ!

 崖を越えたところで、フワライド同士が衝突し、そのはずみでユリーカが【頭から】落下。いくら下が草とは言え、これも普通にマズいと思うんだけど……。


 それを見ていたヒノヤコマは、急いでサトシたちの元へ。

 ヒノヤコマに連れられて、ユリーカの元へと走る一行だが、ティエルノとセレナがモロバレルをモロに踏みつける。
 怒ったモロバレルは“きのこのほうし”を噴出。ユリーカの時と同じだが、確かBW編では、怒ったタマゲタケは“しびれごな”を出していた。このモロバレル……案外寛容なんじゃないか?
 “みずのはどう”などで胞子を抑えた後、「ごめんよ、モロバレル」とサトシが謝るシーンを入れたのには好感が持てる。相手は何もしていないのに迷惑をかけてしまったんだ。たとえ野生ポケモンであっても、謝罪は必要だ。サトシのポケモンに対する想いと、誠実さが伝わって来た。


 ……そんなシーンの後にこれだ。
  シトロン 「フワライドに刺激を与えれば、一斉に飛び上がるんじゃ!?」
  トロバ 「そうか! 一定の間なら、フワライドで谷を埋めることができます!」
  シトロン 「橋を作るんです! サイエンスは未来を切り開きます!」
 迷惑極まりないこと思いつくなこいつら……。ほら、サトシも「は?」って顔してるぞ!


 そんでもってそれを実行に移すんだから質が悪い。しかも“つるのムチ”×2、“かえんほうしゃ”×2、“みずてっぽう”×1と言う、配慮もクソもない集中砲火である。そしてサトシはそれを踏みつける……。フワライドたちは怒っていいと思う……。
 

 無事に対岸へ渡ったサトシは、起きないユリーカを背負って、来た道(=フワライド踏みつけルート)を戻る。子供を背負ってなお衰えないジャンプ力とバランス力。やはりサトシの身体能力は凄まじく異常だ。

 しかし、フワライドが風に流され、対岸から大きく離れてしまった。
 不可能に近い距離を、サトシは一か八か飛ぶことにする。ここの真剣なサトシの表情と、ぐでっとしているユリーカの可愛らしさの対比が面白い。良い画だ(笑)

 まぁ、普通に届かなかった訳で。
 それでも、目を覚ましたピカチュウがサトシのピンチを見て崖下に飛び込み、サトシをキャッチ。それをシトロンのエイパムアームがキャッチするという、チームワーク抜群な動きを発揮。見事、サトシとユリーカを救助した。

  セレナ 「見たことないポケモン?」
  ユリーカ 「そうそうそうなの! ポケモンは通った後に、綺麗なお花が咲いたんだよ! だから思わず追いかけちゃったの!」
   「ぴぃ〜か〜ちゅう!」
  トロバ 「へぇ〜。通り道に花を咲かせるポケモン……」
  ユリーカ 「それでね! そのあとスピアーが……あぁぁぁっ! いたぁ!!!」


 ……シシ神様!?
 思わず見とれる一行。サトシが図鑑を取り出そうとしたとが、シシ神はすぐに立ち去ってしまった。
 トロバは撮影を完璧に忘れていた様子だったが、同じカメラ好きとして言わせて貰うと、それは恥ずべき結果だぞ。


 そんな、不思議な体験をした一行だが、もちろん、ポケエンテーリングの結果は表彰台圏外。相変わらずマーベラスマーベラス言ってる博士はさておき、ここでシトロンとユリーカが、皆に向かって頭を下げた。
 こう、シシ神を見れたことで有耶無耶にすることなく、きちんと謝るシーンを入れてくるあたり、本当に今回の脚本は好感が持てる。それを気にしない他のメンバーたちの反応も、本当に気持ちが良い。

 サマーキャンプ5日目。ゼルネアスを出してくるあたり映画の番宣かと思いきや、決してそんなことは無い内容だった。


● 総括
 今回はユリーカ主体ながらも、各キャラに適度に見せ場を持ってくる、質の高い内容だった。どうでもいいスタンプラリーはダイジェストで流すなど、話の流れもテンポが良い。そして何より、ユリーカの言動が、本当に子供っぽくてリアル。ここに限らず、XY編は本当にユリーカの扱いが上手いと思う。


● おまけ
 記事のはじめで「問題あり」と言いましたが、その内容はズバリ「ポイントに関する矛盾」です。

 プラターヌ博士の発表から、4日目終了時点で、ケロマツゼニガメが13ポイントで同率1位。ケロマツは既に13ポイント稼いでいたので、4日目は0ポイント。ゼニガメは釣りで10ポイント稼いでいたので、4日目は3位3ポイント獲得したことが分かります。
 次に2位以下ですが、3日分の合計で1位が13ポイントと言うことは、2位以下は当然、13ポイント未満となり、2位と3位のポイントの組み合わせとして考えられるのは、【2位:10p、3位:7p】、【2位:10p、3位:6p】、【2位:7p、3位:6p】の3通り。
 ここで、例えば最初の組み合わせを選んだ場合、合計ポイントは以下のように推測できます。


 しかし、3日目のポケビジョン回では、チーム順位が発表されています。ヒトカゲが3位、チコリータが2位、ケロマツが1位。
 この情報を加えると、以下のようになります。

 これでは、4日目終了時点でフシギダネチコリータが同率3位と発表されなければなりません。


 だがしかし。実は3日目の朝、釣り大会のポイントがモニターで確認されています。ヒトカゲケロマツが同率3位、チコリータが2位、ゼニガメが1位。

 この情報を加えると、以下のようになります。

 まさかのチコリータが1位となりました。
 プラターヌ博士、いくらサトシたちに何か光るものを感じたからって、得点操作はいけませんよ……。


 ちなみに。モブキャラの特徴から、5日目ポケエンテーリングでの1位はチコリータ、2位はヒトカゲと読み取れます。3位は不明。

 この情報を加えると……。

 ダントツでチコリータがトップです。
 さらに、フォッコが3位だった場合、13ポイント同率2位が4チームと言う、かなりの接戦となっています。

 もっとも、残り2日あれば逆転は可能なので、この得点差が最終的にどうなるのか、次回を楽しみに待ちましょうかね(笑)